ヘアオイルで髪の広がりを抑える。まとまる髪へ導く正しい使い方
「朝、しっかり整えたはずなのに、湿気や乾燥で時間が経つと髪が広がってしまう」「元々の髪質で、どうしても髪がまとまらない」。このように、意図しない髪の広がりにお悩みの男性は、実は非常に多くいらっしゃいます。この悩みを解決するために、様々な整髪料を試されてきた方もいるかもしれません。しかし、髪の広がりを根本から、そして効果的に抑えるためには、「ヘアオイル」による日々の正しいお手入れが、非常に重要な鍵を握っています。この記事では、なぜ髪が広がるのかという原因から、ヘアオイルを使ってその広がりを抑えるための、選び方と使い方について、理容師の視点から詳しく解説いたします。
なぜ、私たちの髪は広がってしまうのか
髪が広がってしまう主な原因は、髪の内部と外部の「水分バランスの乱れ」にあります。髪は、日々の紫外線やドライヤーの熱、摩擦などによってダメージを受けると、表面を覆う組織(キューティクル)が傷つき、剥がれやすくなります。この傷んだ部分から、空気中の余分な水分が髪の内部に侵入したり、逆に内部の必要な水分が逃げてしまったりすることで、髪一本一本が不均一に膨張し、結果として髪全体の「広がり」となって現れるのです。特に、元々くせのある髪質の方は、この傾向がより強く見られます。
ヘアオイルが髪の広がりを抑える仕組み
では、なぜヘアオイルがこの悩みに有効なのでしょうか。その理由は、オイルが持つ優れた「コーティング(被膜)効果」と「保湿効果」にあります。
ヘアオイルを髪になじませると、その油分が髪一本一本の表面を、まるで防水加工のように均一に覆います。このオイルの膜が、外部の湿気が髪の内部に侵入してくるのを防ぐ、強力なバリアの役割を果たします。同時に、髪の内部に元々ある必要な水分が、外へ逃げてしまうのも防いでくれます。これにより、髪の水分バランスが一日を通して安定し、湿度の変化に左右されにくい、まとまりのある状態を保つことができるのです。
広がりを抑えるためのヘアオイルの選び方
髪の広がりを抑えることを主な目的としてヘアオイルを選ぶ場合は、その「質感」に注目することが大切です。さらっとした軽い質感のオイルよりも、髪にしっかりと留まり、高い保湿力とまとまりを与える、ある程度重さのある「しっとり系」のオイルを選ぶのがおすすめです。このようなオイルは、髪の持つ広がる力に負けることなく、落ち着いた状態を長時間維持するのに役立ちます。ご自身の髪質や広がりやすさの度合いによって、最適なオイルの重さは異なりますので、専門家である私達理容師にご相談いただくのが最良の選択です。
効果を最大限に引き出す、正しい使い方
選び抜いたオイルの効果を実感するためには、その使い方が非常に重要です。
最も効果的なのは、夜、お風呂上がりのドライヤーで髪を乾かす前のタイミングです。タオルで優しく水気をしっかりと拭き取った後、適量のオイルを手のひらにまんべんなく広げ、広がりが気になる部分、特に髪の中間から毛先にかけて、内側から手ぐしを通すようになじませてください。
そして、ドライヤーで髪を乾かす際に、髪の根元から毛先に向かって、手で優しく少し下に引っ張るようにしながら風を当てると、髪の広がりがより一層抑えられ、収まりの良い仕上がりになります。朝の整髪時にも、ごく少量を手に取り、広がりが気になる部分の表面を軽く抑えるように使うと、一日中まとまりが持続します。
まとめ
意図しない髪の広がりは、日々のヘアオイルによる正しいお手入れで、大きく改善することが期待できます。その鍵は、ご自身の髪質に合った「しっとり系のオイル」を選び、「ドライヤー前のひと手間」を習慣にすることです。髪の広がりをただ抑えつけるのではなく、髪そのものを健やかに整えることで、自然で品の良いまとまりを手に入れる。それこそが、私たちが提案する、大人の男性のためのヘアケアです。これまでどんな方法を試しても髪がまとまらなかったという方こそ、ぜひ一度、サロンでご相談ください。