ヘアオイルの比較。自分に合う一本を見つけるための、プロの視点
いざヘアオイルを選ぼうとしても、世の中にはあまりにも多くの製品があり、何を基準に比較すれば良いのか、途方に暮れてしまう方も少なくないのではないでしょうか。「価格」「香り」「人気」といった比較も一つの方法ですが、ご自身の髪を本当に良い状態へと導くためには、もう少し専門的な視点を持つことが重要です。この記事では、数あるヘアオイルを比較検討する上で、髪の専門家である私達理容師が、どのような点に注目しているのか、その本質的な「比較の物差し」について詳しく解説いたします。
比較の物差しその一:「質感」で比較する
まず、最も分かりやすく、そして仕上がりを大きく左右するのが「質感」、すなわちオイルの重さの違いです。これは大きく二つのタイプに分けられます。
一つは、さらっとした軽い使用感の「ライトタイプ」です。髪が細い方、柔らかい方、そしてボリューム感を損ないたくない方におすすめです。べたつかずに自然な艶と、滑らかな指通りを与えてくれます。
もう一つは、とろりとした濃厚な使用感の「ヘビータイプ」です。髪が硬い方、量が多い方、そして乾燥やダメージ、広がりが気になる方におすすめです。髪をしっとりと落ち着かせ、一日中まとまりのある状態を保つ力に優れています。ご自身の髪質がどちらのタイプに近いかを考えることが、比較の第一歩となります。
比較の物差しその二:「目的」で比較する
次に、あなたがヘアオイルに何を一番求めているのか、その「目的」によっても選ぶべきものは変わってきます。
例えば、朝の整髪が主な目的で、髪に艶を出したり、自然な束感を作ったりしたいのであれば、「整髪効果」の高いオイルを選ぶべきです。これらのオイルは、髪の表面を美しく見せることに長けています。
一方で、夜のお手入れが主な目的で、日々のダメージを補修し、髪そのものを健やかにしたいのであれば、「補修効果」の高いオイルを選ぶ必要があります。これらのオイルは、髪の内部に浸透し、栄養を与えることに特化して作られています。もちろん、両方の効果を兼ね備えた製品も多く存在します。
比較の物差しその三:「主成分」で比較する
少し専門的になりますが、オイルが何から作られているかという「主成分」にも注目すると、より深い比較が可能になります。
植物の種子や果実から採れる「植物性オイル」は、種類が非常に豊富で、髪へのなじみが良く、保湿や栄養補給を得意とするものが多いのが特徴です。
石油を高度に精製して作られる「鉱物油(ミネラルオイル)」は、非常に安定しており、髪の表面をしっかりと覆うことで、艶出しや保護をする能力に優れています。
現代の優れたヘアオイルは、これらの異なる性質を持つ成分を、それぞれの長所が最大限に活かされるよう、緻密な計算のもとで組み合わせて作られています。
究極の比較は「専門家による診断」から
ここまで、ご自身でヘアオイルを比較するための、三つの物差しについてご説明しました。しかし、ご自身の髪質を客観的に判断し、数えきれないほどの製品の中から、質感、目的、そして成分の全てが最適な一本をご自身だけで見つけ出すのは、至難の業と言えるでしょう。
私たち髪の専門家である理容師は、お客様一人ひとりの髪の状態を、その手で触れ、目で見て、正確に診断します。そして、プロフェッショナルとして扱う数多くの高品質なサロン専売品の中から、あらゆる比較検討を行った上で、今のお客様にとって「最高の一本」となるものを、明確な理由と共にご提案させていただきます。それは、インターネット上のどんな比較記事を読むよりも、確実で、そしてお客様のためだけを思った、究極の比較検討に他なりません。
まとめ
ヘアオイルを比較する際は、単に人気や価格だけでなく、「質感」「目的」「主成分」といった、ご自身の髪と向き合うための物差しを持つことが重要です。そして、その物差しを最も正確に使いこなし、あなたにとっての最良の答えを導き出すことができるのが、私たち専門家です。製品選びという比較の段階から、ぜひプロの視点をご活用ください。最高の選択をお約束します。