ヘアオイルで髪がギトギトに?緊急対処法と、もう失敗しないための正しい使い方
髪に艶とまとまりを与えるはずのヘアオイルが、量を誤ってしまい、かえって髪を「ギトギト」に見せてしまった。特に朝の忙しい時間帯にこうなってしまうと、その見た目の不潔感に、一日中気分が晴れないものです。多くの方が、一度はこのような苦い失敗を経験されたことがあるのではないでしょうか。しかし、どうぞご安心ください。万が一髪がギトギトになってしまった場合でも、慌てずに対処できる簡単な直し方があります。そして、二度と同じ失敗を繰り返さないための、正しい使い方を身につけることもできます。この記事では、その両方について、髪の専門家である理容師が詳しく解説いたします。
まずは落ち着いて。ギトギト髪の緊急リセット術
もしヘアオイルで髪がギトギトになってしまったら、まずは落ち着いて、状況に応じた対処を試みましょう。
時間に余裕がない朝などの応急処置として最も手軽なのは、ベビーパウダーや、お持ちであれば顔用のフェイスパウダーなどを活用する方法です。べたつきが気になる部分に、パウダーを軽くはたき、目の細かい櫛やブラシで優しく払い落としてください。パウダーが余分な油分を吸着し、ギトギト感を大幅に軽減してくれます。また、ドライシャンプーを吹きかけて、油分を抑えるのも非常に有効です。もし、それらが手元にない場合は、少し熱めのお湯で作った蒸しタオルで、べたついている部分の髪を優しく挟み込むようにして、油分を拭き取るだけでも、かなり改善されます。
もちろん、もし時間に余裕があるのであれば、最も確実で完璧な方法は、一度シャワーで軽く髪を洗い流すことです。この場合、シャンプーを大量に使う必要はなく、お湯で流すだけでも十分にリセットが可能です。
なぜヘアオイルで髪はギトギトになるのか
そもそも、なぜこのような失敗が起きてしまうのでしょうか。その原因を知ることが、再発防止の第一歩となります。
最も多い原因は、単純に髪に対して使用する「量が多すぎる」ことです。髪に良い効果を与えたいという気持ちから、無意識のうちに多くの量を手に取ってしまいがちです。特に男性の短い髪の場合、本当に必要な量は、ご自身が思っているよりも、ずっと少ないのです。
次に多いのが、「付ける場所の間違い」です。髪の根元や頭皮に近い部分にオイルを付けてしまうと、ご自身の皮脂と混ざり合い、すぐにギトギトとした、重い印象の原因となります。
そして、ご自身の髪質に合わない、保湿力の高すぎる「重い」タイプのオイルを使っている場合も、少量でも重たい仕上がりになりやすくなります。
二度と失敗しないための、正しいヘアオイルの使い方
もう二度と「ギトギト」という言葉に悩まされないために、以下の正しい使い方をぜひ習慣にしてみてください。
まず、オイルの「適量」をご自身の指先に覚えさせましょう。短い髪の方であれば、まずは「米粒一粒」から始めることを強くお勧めします。それを手のひらに伸ばし、毛先に付けてみて、もし足りないと感じたら、もう一粒追加する。この「少しずつ足す」という感覚が、失敗をしないための最も重要なこつです。
付ける「場所」は、最もケアが必要な「毛先」から始め、そのあと手のひらに残った、ごくわずかな量で、髪の内側や表面をなでるようにして広げます。
そして「付け方」は、オイルを液体として髪に付けるのではなく、手のひら全体から指の間にまで、完全に薄く広げた「油分の膜」として、髪に転写するようなイメージを持つと、均一になじませることができ、ギトギトになるのを防げます。
まとめ
ヘアオイルで髪がギトギトになってしまっても、慌てずに対処する方法はあります。そして、その失敗の経験は、正しい使い方を身につけるための、またとない機会となります。「ごく少量を」「毛先中心に」「手のひらで薄く伸ばしてから」。この三つの基本を守るだけで、あなたのヘアオイルの使い方は、格段に上達するはずです。
しかし、お客様の髪質や毛量、そして髪の長さによって、最適なオイルの種類や、そのための「正確な一滴の量」は微妙に異なります。その究極のさじ加減を、私たち髪の専門家である理容師が、直接お見せしながらお伝えします。「ギトギト」の不安から解放され、ヘアオイルがもたらす本当の恩恵だけを享受しませんか。ぜひ一度、サロンでご相談ください。