メンズパーマの「手入れ」完全ガイド|長持ちさせる毎日のケアとメンテナンス
お洒落なメンズパーマをかけた後、その美しいスタイルを一日でも長く、そして最高の状態で楽しむために不可欠なのが、日々の正しい「手入れ(ていれ)」です。パーマ後の髪は、見た目以上にデリケートな状態になっており、普段通りの何気ないヘアケアが、実はパーマの持ちを悪くしたり、ダメージを進行させたりする原因になっているかもしれません。この記事では、あなたのメンズパーマを長持ちさせるための、プロが実践する完璧な手入れの方法を、毎日の基本ルーティンから定期的なメンテナンスまで、完全ガイドします。
パーマをかけた当日から始まる「手入れ」の基本
美しいパーマスタイルを維持するための手入れは、サロンから帰ったその日から始まっています。
施術当日の最重要注意点
パーマが髪に完全に定着するまでには、少し時間が必要です。
- 当日はシャンプーをしない
パーマをかけた当日は、まだ髪の内部構造が不安定な状態です。施術後すぐにシャンプーをしてしまうと、カールが緩くなる原因になるため、最低でも24時間はシャンプーを控え、髪を濡らさないように過ごすのが、手入れの第一歩です。 - 髪に物理的な跡をつけない
施術後すぐに、きつく帽子を被ったり、長時間髪を結んだり、耳にかけたりすると、カールに不自然な跡がついてしまう可能性があります。当日はできるだけ自然な状態を保ちましょう。
なぜパーマヘアに特別な手入れが必要なのか
パーマ後の髪は、化学的な処理によって、普段よりもデリケートな状態になっています。
- 髪がデリケートで、乾燥しやすい状態のため
パーマの施術によって、髪は一時的にアルカリ性に傾き、表面のキューティクルが開きやすい状態になります。これにより、髪内部の水分や栄養分が流出しやすく、乾燥やパサつきが起こりやすくなります。 - 正しい手入れが、スタイルの持ちを直接左右するため
適切な手入れで髪を健康な状態に保つことは、パーマのカールやウェーブを美しく、そして長く維持することに直結します。手入れを怠ると、せっかくのパーマがただのダメージヘアに見えてしまうこともあります。
毎日の手入れ【基本ルーティン】
ここからは、毎日実践していただきたい、パーマヘアの基本的な手入れのルーティンを、「洗い方」「乾かし方」「スタイリング」の3つの工程に分けて解説します。
①正しい髪の洗い方
優しさと、保湿がキーワードです。
- 洗浄力の優しいシャンプーで、頭皮を中心に洗う
洗浄力の強いシャンプーは避け、髪と頭皮に優しいアミノ酸系のシャンプーを選びましょう。洗う際は、髪同士を擦り合わせるのではなく、指の腹で頭皮をマッサージするように優しく洗うのがポイントです。 - トリートメントで、失われた潤いと栄養を補給する
パーマ後の髪には、コンディショナーだけでなく、髪の内部を補修する効果の高いトリートメントの使用が不可欠です。毛先を中心に、優しく揉み込むように馴染ませ、潤いと栄養を補給しましょう。
②パーマを活かす正しい乾かし方
パーマの出来栄えは、乾かし方で決まると言っても過言ではありません。
- タオルで優しく、擦らずに水分を吸い取る
タオルドライの際の摩擦は、カールを伸ばし、キューティクルを傷つける最大の原因です。タオルで髪を挟み込み、ポンポンと優しく叩くようにして水分を吸い取りましょう。 - ドライヤーは根元から、毛先はカールを握るように
ドライヤーは、まず根元に風を当てて頭皮全体を乾かします。その後、風量を弱風に切り替え、毛先は手のひらでカールを包み込むように握りながら、形を記憶させるように優しく乾かします。
③お洒落に決まるスタイリング
スタイリングの基本は、パーマを「復活」させることから始まります。
- セット前には、必ず一度髪を濡らす
朝起きたら、まずは髪全体を濡らして、寝癖をリセットし、パーマのカールを蘇らせます。これが、美しいスタイルを作るための絶対条件です。 - なりたい質感に合った整髪料を選ぶ
ワックス、グリース、ムース、クリームなど、自分のパーマスタイルと、なりたい質感に合った整髪料を選び、毛先中心に揉み込むように塗布して、スタイルを完成させます。
定期的な手入れ【プロによるメンテナンス】
日々のセルフケアに加えて、定期的にサロンでプロの手入れを受けることも、美しいスタイルを長く維持するためには非常に重要です。
「カット」によるメンテナンス
パーマをかけ直さなくても、カットだけでスタイルは蘇ります。
- 1ヶ月〜1ヶ月半に一度のカットが目安
髪が伸びてくると、全体のシルエットが崩れてきます。定期的にカットで形を整えることが、清潔感を維持する上で不可欠です。 - パーマを活かすカットで、スタイルが復活する
経験豊富な理容師は、髪に残っているパーマを計算に入れながら、カールが最も綺麗に見えるようにカットを施します。これにより、パーマをかけ直さなくても、かけたてのようなスタイルを取り戻すことが可能です。
「サロントリートメント」による集中ケア
自宅でのケアでは補いきれない、髪の内部にまで栄養を届けます。
- 月に一度の集中ケアで、髪質を改善
サロンで行うシステムトリートメントは、髪の内部にまで浸透し、ダメージを根本から補修します。月に一度のペースで取り入れることで、パーマの持ちが格段に向上します。
次のパーマをかけるタイミング
スタイルの状態を見極めて、計画的にかけ直しましょう。
- 全体のパーマは、2〜3ヶ月後が一般的
カットだけではスタイルの維持が難しくなってきた、2〜3ヶ月後が、次のパーマをかける一般的な目安です。
まとめ
メンズパーマの「手入れ」は、サロンでの施術後から始まる、お客様ご自身と、そして私たち理容師との、二人三脚の共同作業です。日々の正しいセルフケアと、定期的なプロによるメンテナンス。この両輪が揃って初めて、パーマスタイルは、その魅力を最大限に、そして長期間にわたって輝かせることができます。あなたの髪質やライフスタイルに合わせた、最適な手入れの方法について、分からないことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。あなたのヘアスタイルを、最高の状態で維持するためのお手伝いをさせていただきます。