メンズパーマとヘアカラーはどっちが先?順番と最適な期間をプロが解説
お洒落なメンズパーマに、流行のヘアカラー。この2つを組み合わせれば、ヘアスタイルはより個性的で洗練されたものになり、自分の理想のイメージに大きく近づくことができます。しかしその一方で、「パーマとカラー、同じ日にやっても大丈夫?」「どっちを先にやるべきなの?」といった、髪へのダメージや施術の順番に関する疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。パーマとカラーは、どちらも髪に化学的な処理を行うため、その順番と施術間の期間を正しく見極めることが、美しいスタイルと健康な髪を両立させるための絶対条件です。この記事では、そんなパーマとカラーの最適な順番と期間について、プロの視点から詳しく解説します。
【結論】パーマとカラーは「パーマが先」が美容業界の原則
まず結論から言うと、パーマとヘアカラーを両方行う場合、基本的には「パーマを先に、カラーを後から」行うのが、美容業界における大原則です。これには、それぞれの施術が髪に与える影響に基づいた、明確な理由があります。
なぜパーマを先に行うべきなのか
カラーを先にすると、せっかくのカラーが台無しになったり、パーマが綺麗にかからなかったりするリスクがあります。
- 理由①
カラーで染めた色が、パーマの薬剤で落ちてしまうから
ヘアカラーをした後にパーマをかけると、パーマの1剤(還元剤)という薬剤が髪の内部に浸透する過程で、先に入っていたカラーの色素を分解し、外に押し出してしまいます。これにより、染めたての色が大幅に褪色したり、色味が変わってしまったりするのです。 - 理由②
カラーによって、パーマのかかりが悪くなる可能性があるから
髪の表面をコーティングするタイプのカラー剤や、トリートメント成分が多く含まれているカラー剤を使用した場合、そのコーティングがパーマ液の浸透を妨げ、パーマが通常よりもかかりにくくなることがあります。
カラーを先にしても良い例外的なケース
原則は「パーマが先」ですが、ごく稀に、カラーを先に行うことが推奨される特殊なケースも存在します。ただし、これらは自己判断せず、必ずプロの理容師に相談することが重要です。
パーマとカラーの最適な「期間(間隔)」とは
パーマとカラーは、髪と頭皮に大きな負担をかける施術です。そのため、連続して行うのではなく、適切な期間(間隔)を空けることが、美しい仕上がりとダメージ軽減のために非常に重要です。
理想的な間隔は「1〜2週間」
髪と頭皮を休ませ、それぞれの施術効果を最大限に高めるための、最適な期間です。
- 髪と頭皮を十分に休ませるため
パーマ後の髪と頭皮は、薬剤の影響でアルカリ性に傾き、非常にデリケートな状態になっています。1〜2週間ほどの間隔を空けることで、髪が本来の弱酸性に戻り、頭皮のコンディションも整うため、次のカラー施術に万全の状態で臨むことができます。 - それぞれの施術効果を最大限に高めるため
パーマのカールは、施術後1週間ほどかけて、空気中の酸素と結合し、より安定した状態になります。そのため、パーマが完全に定着した後にカラーを行うことで、カールを崩すことなく、色味を綺麗に入れることができます。
同日施術は可能?そのリスクとは
時間がないなどの理由で、同じ日に両方の施術を希望する方もいるかもしれません。
- 髪への大きな負担となるため、基本的には推奨されない
パーマとカラーの同日施術は、髪と頭皮に大きな負担を集中させることになり、深刻なダメージの原因となるため、基本的には推奨されていません。 - 可能な場合の条件
髪が非常に健康な状態で、なおかつ、サロンが使用する薬剤が「コスメパーマ」や「オーガニックカラー」といった、髪への負担が極めて少ない種類のものであれば、同日施術が可能な場合もあります。ただし、これはプロによる慎重な判断が必要です。
パーマとカラーを両立させるためのヘアケア
パーマとカラーの両方を施した髪は、通常の髪よりもデリケートで、栄養分が失われやすい状態です。日々のホームケアが、スタイルの持ちと髪のコンディションを大きく左右します。
ダメージを補修するためのホームケア
優しさと、栄養補給を意識したケアが重要です。
- 洗浄力の優しいカラーケア用シャンプーを使う
洗浄力が強いシャンプーは、色落ちを早め、髪の乾燥を促進させます。アミノ酸系などのマイルドな洗浄成分で、色落ち防止効果のある、カラーヘア専用のシャンプーを選びましょう。 - 保湿と補修のトリートメントを徹底する
シャンプー後は、必ずトリートメントで髪の内部に栄養と潤いを補給しましょう。週に数回の集中トリートメントと、毎日の洗い流さないトリートメントを併用するのが理想的です。
サロンでのオーダーで伝えるべきこと
計画的に、そして正直に、自分の希望と髪の状態を伝えましょう。
- 「パーマとカラーの両方をやりたい」と最初に伝える
カウンセリングの最初に、両方の施術を希望していることを伝えることで、理容師は、それに合わせた最適な施術プラン(順番、期間、デザイン)を提案することができます。 - 過去の施術履歴を正直に話す
過去のブリーチや縮毛矯正、黒染めといった施術履歴は、薬剤の選定や、ダメージレベルを判断する上で非常に重要な情報です。必ず正直に申告しましょう。
まとめ
メンズパーマとヘアカラーを両立させるための黄金ルールは、「①パーマを先に」「②1〜2週間空けてからカラーをする」ことです。この原則を守ることが、あなたの髪をダメージから守り、それぞれのデザインを最高のクオリティで実現するための、最も確実な方法です。そして、髪に最も大きな負担をかける施術の組み合わせだからこそ、薬剤知識と経験が豊富な、信頼できる理容師に任せることが何よりも重要です。あなたの「なりたい」を、安全に、そして最高の形で叶えるために、ぜひ一度、メンズヘアのプロフェッショナルにご相談ください。