メンズパーマの正しい乾かし方|美容室の仕上がりを自宅で再現するコツ
美容室でかけたメンズパーマ。施術当日は完璧な仕上がりだったのに、翌日自分でシャンプーして乾かしたら「カールが綺麗に出ない」「なんだかパサついて広がる」といった経験はありませんか。実は、メンズパーマのスタイルを美しく見せる上で、最も重要なのがシャンプー後の「乾かし方」です。間違った方法で乾かすと、せっかくのパーマを台無しにしてしまうことさえあります。この記事では、サロン帰りのような完璧なパーマスタイルを毎日自宅で再現するための、プロが実践する正しい乾かし方の全ステップを詳しく解説します。
なぜメンズパーマは「乾かし方」が重要なのか
パーマヘアのスタイリングは、髪が乾いた状態から始めるのではなく、濡れた状態から「乾かす工程」そのものがスタイリングの一部であると理解することが重要です。
パーマのウェーブは濡れている時に最も現れる
パーマの原理上、髪は水分を含んでいる時にカールやウェーブが最もくっきりと現れ、乾くにつれて少しずつ緩やかになります。
- 乾かす工程は「カールを記憶させる」作業
つまり、髪が濡れている状態の美しいカールを、そのままの形で乾かして記憶させることが、パーマを綺麗に見せるための基本です。乾かし方次第で、カールを活かすことも、逆にダレさせてしまうこともあるのです。 - 間違った乾かし方はパーマをダレさせる原因に
例えば、タオルでゴシゴシと強く擦ったり、ドライヤーの強風を根元から毛先まで一気に当てたりすると、パーマの結合が伸びてしまい、カールが緩くなる(ダレる)直接的な原因になります。
乾かし方で仕上がりの質感が変わる
目指すスタイルによって、最適な乾かし方は異なります。
- 自然乾燥(自然放置)
ドライヤーを使わずに自然に乾かすと、髪の水分がゆっくりと蒸発するため、カールが強めに残り、濡れ感(ウェット感)のある質感に仕上がります。 - ドライヤーでの乾燥
ドライヤーを使って乾かすと、髪に空気が含まれやすくなるため、カールがふんわりと柔らかくなり、ボリュームのあるドライな質感に仕上がります。
【完全ガイド】メンズパーマの正しい乾かし方ステップ
ここからは、プロが実践する基本的な乾かし方の手順を、ステップごとに詳しく解説します。この基本をマスターすれば、どんなパーマスタイルにも応用できます。
STEP1:タオルドライ
シャンプー後、ドライヤーをかける前の最初のステップです。ここでの一手間が、仕上がりのクオリティを大きく左右します。
- 「擦らない」が鉄則、優しく水分を吸い取る
濡れた髪はキューティクルが開いており、非常にデリケートな状態です。タオルで髪を挟み込み、優しくポンポンと叩くように(タッピング)、あるいは毛束を軽く握るようにして、水分を吸い取らせましょう。 - 根元の水分を中心にしっかりと取る
まずは、乾きにくい根元部分の水分をタオルでしっかりと吸い取ります。指の腹を使って頭皮をマッサージするように優しく拭くと効果的です。毛先はカールが崩れないよう、特に優しく扱いましょう。
STEP2:ドライヤー(ブロー)
タオルドライ後、ドライヤーで形を整えながら乾かしていきます。風の強さと当て方がポイントです。
- 必ず根元から乾かし、ボリュームを出す
ドライヤーも、まずは根元から乾かしていきます。ボリュームが欲しいトップは、髪を持ち上げて根元に風を当てるようにすると、ふんわりと立ち上がります。 - 毛先は「弱風」で、握りながら乾かす
根元が乾いたら、ドライヤーの風量を弱風に切り替えます。パーマがかかっている中間から毛先は、手のひらでカールを優しく包み込むように握り(スクランチ)、そこに弱風を当てるようにして乾かします。 - 8割程度乾いたらスタイリング剤を馴染ませる
完全に乾かしきる直前、髪が少しだけ湿っている「8割乾き」の状態で、ワックスやオイルなどのスタイリング剤を揉み込むのがベストタイミングです。髪に残った水分と熱で、スタイリング剤が均一に馴染みます。
目指すスタイル別・乾かし方の応用テクニック
基本の乾かし方をマスターしたら、次になりたいスタイルに合わせた応用テクニックを取り入れてみましょう。
ツヤのある「ウェットスタイル」にしたい場合
色気のある濡れ髪スタイルは、水分と油分のコントロールが鍵です。
- タオルドライを入念に行う
ドライヤーの使用は最小限に抑えるため、タオルドライの段階でしっかりと水分を取っておきます。この時も、決して擦らず、優しく吸い取ることが重要です。 - スタイリング剤を濡れた髪に馴染ませ自然乾燥
オイルやグリースなど、ウェットな質感になるスタイリング剤を、タオルドライ後のまだ髪が濡れている状態で全体に馴染ませます。その後は、自然乾燥させるか、ドライヤーのディフューザー(拡散器)を使って、カールを崩さないように優しく乾かします。
ふんわりとした「ドライスタイル」にしたい場合
空気感のある柔らかなスタイルは、根元の立ち上がりが命です。
- 根元をしっかりと立ち上げるように乾かす
基本の乾かし方と同様に、まずは根元をしっかりと乾かします。髪の生えている方向と逆向きに風を当てると、より根元が立ち上がりやすくなります。 - 毛束を軽く振りながら乾かし、空気を入れる
中間から毛先を乾かす際に、指で毛束を優しく散らすように、あるいは軽く振りながらドライヤーの風を当てることで、カールとカールの間に空気が入り、ふんわりとした質感に仕上がります。
まとめ
メンズパーマの魅力を最大限に引き出す「乾かし方」。それは、サロンでの特別な技術ではなく、いくつかの基本原則とコツさえ掴めば、誰でも自宅で実践できるテクニックです。正しい乾かし方をマスターすることは、毎日のスタイリングを楽にし、あなたのパーマスタイルを常に見栄えの良い状態に保つための最も効果的な方法です。そして、最も確実な上達法は、あなたの髪を知り尽くしたプロの理容師に、直接レクチャーを受けることです。ぜひ一度サロンに足を運び、あなたに合ったパーマスタイルと、それを120%活かすための乾かし方を、手に入れてみてはいかがでしょうか。