メンズパーマを長く楽しむための維持の秘訣|日々のケアで差がつく
サロンでメンズパーマをかけ、鏡に映る新しい自分に心躍らせた日。スタイリングが楽になり、一気におしゃれな雰囲気を手に入れた喜びとともに、「この格好いいスタイル、いつまで続くのだろう」と、ふと思うことはありませんか。実は、かけたての美しいパーマをどれだけ長く維持できるかは、サロンを出た後のあなた自身の日々の過ごし方、特にヘアケアの方法にかかっています。今回は、プロの理容師が教える、大切なパーマを一日でも長く楽しむための維持の秘訣を詳しく解説します。
なぜパーマは「だれる」?知っておきたい基本
パーマが永久的ではないことは誰もが知っていますが、そのカールが緩んでくる、いわゆる「だれる」状態には、いくつかの明確な原因があります。それを理解することが、適切なケアへの第一歩です。
パーマが緩む主な原因
日々の生活の中には、パーマの寿命を縮める要因が潜んでいます。
- 髪へのダメージ
パーマ後の髪は、見た目以上にデリケートな状態です。毎日のシャンプーによる摩擦、ドライヤーの熱、夏の紫外線、冬の乾燥といった日々のダメージが蓄積すると、髪の内部でカールを支えている結合が弱まり、徐々に緩みの原因となります。 - 不適切なヘアケア
洗浄力の強すぎるシャンプーで必要な油分まで洗い流してしまったり、髪をゴシゴシと強く擦るように洗ったり、濡れた髪を無理にクシでとかしたりする行為は、パーマの大敵です。 - 髪の自然な成長
当然のことながら、髪は日々伸び続けます。根元からストレートな新しい髪が伸びてくると、毛先にかけられたパーマ部分が重みで下に引っ張られ、スタイル全体のボリュームやバランスが崩れてきます。
パーマを維持する日々のシャンプー&トリートメント術
パーマを維持するためのケアは、毎日行うバスタイムから始まります。シャンプーとトリートメントのやり方を少し見直すだけで、持ちは大きく変わります。
「優しさ」がカギを握る洗髪
パーマヘアは、赤ちゃんを扱うように優しくケアするのが基本です。
- 施術当日のシャンプーは避ける
パーマの薬剤が髪の内部に完全に定着し、カールが安定するには、一般的に24時間から48時間かかると言われています。施術当日はシャンプーを我慢することで、パーマの持ちが格段に良くなります。 - 洗浄力のマイルドなシャンプーを選ぶ
市販のシャンプーの中には洗浄力が強く、パーマのカールを維持するために必要な油分まで奪ってしまうものがあります。髪と頭皮への刺激が少ないアミノ酸系の洗浄成分などを配合した、マイルドなシャンプーを選びましょう。 - 揉み込むように優しく洗う
シャンプーを手のひらでしっかりと泡立て、その泡で頭皮をマッサージするように洗い、髪の毛は泡で包み込むようにして優しく洗いましょう。髪同士をゴシゴシと擦り合わせるのは絶対に避けてください。 - トリートメントで栄養補給
パーマ後の髪は、栄養分が抜けやすく乾燥しやすい状態です。シャンプーの後は、必ず保湿・補修成分の入ったトリートメントで髪の内部に栄養を補給し、潤いを閉じ込めてあげることが大切です。
カールを再現するドライヤー(ブロー)のコツ
パーマスタイルを美しく見せるも崩すも、乾かし方次第。サロン帰りのカールを自宅で再現するための、正しいドライヤーの使い方をマスターしましょう。
乾かし方で仕上がりは決まる
カールを伸ばさず、優しく乾かすことが最大のポイントです。
- まずは根元から乾かす
シャンプー後、タオルで優しく水分を拭き取ったら、まずは髪の根元を中心に乾かしていきます。指の腹で地肌を軽くこするようにしながら、ドライヤーの風を送り込み、全体の8割程度を乾かしましょう。 - カールは握りながら乾かす
毛先部分が乾いてきたら、ドライヤーを弱風に切り替えます。手のひらでカール部分を下から優しく包み込むように握り、持ち上げるようにして温風を当てます。この時、カールを指で引っ張ったり伸ばしたりしないように注意しましょう。 - スタイリング剤を揉み込むタイミング
髪に少しだけ湿り気が残っている状態で、ワックスやムース、ジェルといったスタイリング剤を揉み込むのがベストタイミングです。カールが綺麗に再現され、セットしやすくなります。 - 自然乾燥は避ける
濡れたまま放置する自然乾燥は、髪の表面のキューティクルが開きっぱなしになり、ダメージやパサつきの原因になります。また、水の重みでカールが伸びてしまい、パーマがだれる原因にも繋がります。
パーマスタイルを維持する最終兵器「メンテナンスカット」
日々のセルフケアを完璧に行っても、髪が伸びてくることによるスタイルの崩れは避けられません。そこで重要になるのが、プロによる定期的なメンテナンスです。
プロに任せるべき理由
美しいパーマスタイルを本当に「維持」するためには、プロの技術が不可欠です。
- 伸びた部分との調整
根元から新しく生えてきたストレートな髪と、パーマがかかっている毛先との馴染みが悪くなると、スタイルにまとまりがなくなります。プロは、その繋がりを自然に見せるための毛量調整やカットで、スタイルを蘇らせてくれます。 - 傷んだ毛先のカット
特にダメージを受けやすい毛先部分を定期的にカットすることで、髪全体のコンディションが向上します。これにより、パサつきが抑えられ、カールがより綺麗に見えるようになります。 - パーマの再現性を復活させる
髪の重さで少しだれてきたカールも、全体の長さを変えずに、適切なカットで軽さを出すことで、再びリッジ(カールの凹凸)や動きが復活することがあります。 - 最適なメンテナンス周期
パーマをかけた後のメンテナンスカットは、一般的に1ヶ月半から2ヶ月に一度が目安とされています。あなたの髪が伸びる速さやヘアスタイルに合わせて、担当の理容師が最適な来店タイミングをアドバイスしてくれます。
まとめ
メンズパーマをかけたての美しい状態で長く維持するためには、サロンを出た後の、あなた自身による日々の丁寧なケアが何よりも大切です。「優しいシャンプー」「十分な保湿」「正しいドライヤー」を心がけるだけで、パーマの寿命は大きく変わります。
そして、日々のケアだけでは補いきれないスタイルの崩れを整え、パーマに再び命を吹き込んでくれるのが、プロによる定期的な「メンテナンスカット」です。大切なヘアスタイルを一日でも長く楽しむために、正しいセルフケアを実践しつつ、信頼できる理容師に定期的なメンテナンスを任せるのが、最も賢い選択と言えるでしょう。