剛毛メンズのパーマはかからない?硬い髪を操る髪型とオーダーのコツ
「自分の髪は硬くて太いから、どうせパーマなんてかからないと諦めている」「ワックスを付けても、髪が言うことを聞かず、全く動きが出ない」。そんな、多くのがっしりとした髪質、いわゆる「剛毛」の男性が抱える、切実なヘアスタイルの悩み。しかし、その悩み多き「剛毛」こそ、実はパーマとの相性が良く、一度かければその魅力を最大限に発揮できる、素晴らしいポテンシャルを秘めていることをご存知でしょうか。この記事では、剛毛の方がメンズパーマで失敗しないための秘訣や、似合うスタイル、そしてサロンでのオーダーのコツについて詳しく解説していきます。
剛毛メンズがパーマをかけるべき3つの理由
「パーマをかけたら、もっと大変なことになるのでは?」という不安を抱える前に、まずは剛毛の方がパーマをかけることで得られる、大きなメリットを知ってください。
理由1:硬い髪質が「柔らかく」見える
- 質感の変化
剛毛の男性が持つ、直線的で硬質な印象。その印象を、パーマによる「曲線」的な動きが劇的に和らげてくれます。髪に柔らかなカールやウェーブが加わることで、視覚的に質感がソフトに見え、これまで出すのが難しかった、優しく軽やかな雰囲気を演出することができるのです。
理由2:「扱いにくい髪」が驚くほど楽になる
- スタイリングの簡易化
これまで、大量のスタイリング剤を使っても動きにくかった頑固な髪に、パーマで動きの「土台」を作ることで、日々のスタイリングが信じられないほど楽になります。少量のワックスなどを揉み込むだけで、簡単に立体感と動きのあるスタイルが完成し、朝の準備時間を大幅に短縮できます。
理由3:一度かかると「持ちが良い」
- 剛毛のメリット
剛毛は、薬剤が浸透しにくく、パーマがかかりにくいという側面があるのは事実です。しかし、その反面、髪一本一本がしっかりとしているため、一度適切な技術でパーマがかかると、そのカールを長期間維持しやすいという、他の髪質にはない大きなメリットを持っています。
剛毛をコントロールするパーマスタイルの条件
では、剛毛のパーマを成功させるためには、どのようなアプローチが必要なのでしょうか。そこには、プロの計算された技術が不可欠です。
強めのカールでしっかりとかける
- パーマの種類
剛毛の持つ髪の力に負けないように、ある程度リッジ(カールの凹凸)の効いた、しっかりとしたカールを作ることが重要です。そのため、スパイラルパーマやツイストスパイラルパーマといった、力強い動きの出るパーマスタイルとの相性が非常に良いと言えます。
カット技術でボリュームを調整する
- ツーブロックやレイヤー
ただパーマをかけるだけでは、元々の毛量と相まってボリュームが出すぎてしまう可能性があります。それを防ぐため、サイドをすっきりと刈り上げる「ツーブロック」や、髪に段差をつけて毛量を調整する「レイヤー」といった、カットによる土台作りがパーマ以上に重要になります。
薬剤選定と放置時間の見極め
- プロの診断力
剛毛の髪は、キューティクルが厚く、パーマの薬剤が内部に浸透しにくいという特性があります。お客様一人ひとりの髪質を正確に見極め、最適な強さの薬剤を選定し、カールがしっかりと定着するまで十分な放置時間を設定できる、担当理容師の深い知識と経験が最も重要になります。
剛毛メンズにおすすめのパーマスタイル
剛毛の力強さを魅力に変える、おすすめのパーマスタイルをご紹介します。
ツーブロック × ツイストスパイラルパーマ
- スタイルの特徴
剛毛の持つ力強さを最大限に活かせる、ワイルドなツイストスパイラルパーマと、サイドのボリュームを抑えるツーブロックを組み合わせた王道スタイルです。メリハリが効き、男らしい印象に仕上がります。
フェードカット × アイロンパーマ(濡れパン)
- スタイルの特徴
理容室が得意とする、熱を使ったアイロンパーマは、頑固な髪質をコントロールするのに最適です。「濡れパン」に代表されるように、髪を抑えながら流すスタイルは、クラシックで精悍な印象を与えます。
アップバング × 横流しパーマ
- スタイルの特徴
パーマの力で、これまで上がりにくかった前髪の立ち上がりと、横への流れを強力にサポートします。爽やかさと扱いやすさを両立でき、ビジネスシーンにも最適なスタイルです。
失敗しないオーダー&スタイリング術
サロンでのオーダーと、自宅でのスタイリングで意識すべきポイントです。
オーダー時に必ず伝えるべきこと
- 「剛毛で扱いにくい」という悩みを伝える
カウンセリングの際に、まず「自分の髪は硬くて多く、スタイリングで動きが出ないのが悩みです」「パーマで柔らかく見せたい」という、あなたの髪質の特徴と悩みを正直に共有することが、成功への第一歩です。 - 過去のパーマ履歴を伝える
もし過去に「パーマがかからなかった」「すぐ取れてしまった」といった経験があれば、その情報も必ず伝えましょう。それは、あなたの髪質を判断するための貴重なデータになります。
スタイリングで質感をコントロールする
- ツヤの出るスタイリング剤を選ぶ
剛毛は、乾燥するとパサついて見えやすい傾向があります。そのパサつきを抑え、パーマの動きをきれいに見せるために、グリースやジェル、ツヤ系のワックスといった、少しウェットな質感のスタイリング剤がおすすめです。
まとめ
「自分の髪は剛毛だから」と、パーマスタイルを諦める必要は全くありません。むしろ、パーマはあなたの硬い髪を柔らかく見せ、日々のスタイリングを劇的に楽にしてくれる、強力な味方になるのです。成功の鍵は、あなたの髪質に負けない強めのパーマと、多すぎるボリュームを的確にコントロールする「カット技術」を組み合わせることにあります。そして、この二つを両立させることは、髪質を正確に診断し、強力な髪にしっかりとカールを定着させるための薬剤知識と高度な技術が求められる、非常に難易度の高い施術です。これまで「どうせかからない」と諦めていた方こそ、ぜひ一度、剛毛の扱いに長けた経験豊富なプロの理容師にご相談ください。