メンズパーマの持ちが変わる|アウトバストリートメントの正しい使い方
念願のメンズパーマをかけて、理想のヘアスタイルを手に入れたとき、多くの人が「この綺麗なカールをいつまで維持できるだろうか」「髪のダメージは大丈夫だろうか」といった、期待と少しの不安を抱くことでしょう。その鍵を握るのが、お風呂上がりの数分でできるヘアケア習慣、「アウトバストリートメント」です。今回は、パーマヘアになぜアウトバストリートメントが必要不可欠なのか、そしてその効果を最大限に引き出すための選び方と使い方を詳しく解説します。
なぜメンズパーマにアウトバストリートメントが必要なのか
パーマ後のヘアケアは、シャンプーやコンディショナーだけで完結するわけではありません。むしろ、お風呂上がりのケアこそが、パーマスタイルの寿命と髪の健康を大きく左右します。
ダメージ補修とカール維持のために
アウトバストリートメントは、デリケートなパーマヘアにとって、まさに保護膜であり栄養剤です。
- パーマによるダメージの補修
パーマの施術は、髪の内部にある結合を一度切り離し、カールをつけた状態で再結合させる化学的なプロセスです。そのため、髪の内部のタンパク質や水分が流出しやすく、乾燥してパサつきやすいデリケートな状態になります。アウトバストリートメントは、失われた油分や水分を補給し、髪のダメージを内と外から補修します。 - カールの再現性と持続性の向上
パーマのカールやウェーブは、髪が乾燥しているとパサついて広がり、きれいに現れません。アウトバストリートメントで髪に適度な潤いとまとまりを与えることで、パーマ本来の美しいカールがくっきりと再現され、スタイルの持ちが格段に良くなります。 - ドライヤーの熱からの保護
濡れた髪はキューティクルが開いており、熱によるダメージを非常に受けやすい状態です。アウトバストリートメントは、髪一本一本を薄いヴェールでコーティングし、ドライヤーの熱から髪を守るヒートプロテクト効果を発揮します。 - 日中の外的刺激からのガード
髪は日中、紫外線やエアコンによる乾燥、静電気など、様々なダメージ要因に晒されています。アウトバストリートメントは、これらの外的刺激からも髪を守り、ダメージの進行や色落ちを防ぐ役割を果たします。
アウトバストリートメントの種類と選び方
アウトバストリートメントには、オイル、ミルク、ミストなど、様々なテクスチャーの製品があります。自分の髪質や、なりたい質感に合わせて選ぶことが大切です。
質感と目的で選ぶ
それぞれの特徴を理解し、最適な一本を見つけましょう。
- オイルタイプ
髪の表面をしっかりとコーティングし、ツヤとまとまりを与えるのが特徴です。パーマによるパサつきや広がりが特に気になる方、あるいはスタイリングでウェットな質感や束感を強調したい方におすすめです。 - ミルク(クリーム)タイプ
水分と油分をバランス良く含んでおり、髪の内部に浸透して潤いを補給します。仕上がりはベタつかず、柔らかくしなやかになるため、髪が硬くてごわつく方や、ナチュラルでふんわりとした質感が好みの方に適しています。 - ミスト(ウォーター)タイプ
主成分が水分で、髪に潤いを与えながら非常に軽い仕上がりになるのが特徴です。髪が細くてボリュームが出にくい方や、オイルなどのベタつきが苦手な方におすすめです。寝ぐせ直しや、スタイリング前のベース作りとしても手軽に使えます。
効果を最大化する正しい使い方とタイミング
せっかくのアウトバストリートメントも、使い方を間違えては効果が半減してしまいます。最も効果的なタイミングと、正しい手順を覚えましょう。
お風呂上がりのゴールデンタイム
髪が最も無防備で、最もケアを必要としている瞬間を逃さないことが重要です。
- タイミングはタオルドライ後
お風呂から上がったら、まずは優しくタオルドライをします。ゴシゴシ擦るのではなく、タオルで髪を挟んでポンポンと叩くように水分を吸い取りましょう。髪から水が滴らない程度の「半乾き」の状態が、成分が最も浸透しやすいベストなタイミングです。 - つける場所は毛先から
ダメージが最も蓄積しやすい毛先を中心に、手のひらで揉み込むようにしてなじませます。その後、髪の中間部分へと広げていきます。根元付近につけすぎると、トップのボリュームがなくなったり、頭皮がベタついたりする原因になるので注意しましょう。 - 手のひらでよく伸ばしてから
トリートメントを適量手に取ったら、直接髪につけるのではなく、まず両方の手のひらから指の間まで均一に伸ばします。こうすることで、髪の一部に固まってつくのを防ぎ、ムラなく全体になじませることができます。 - ドライヤーで乾かして仕上げる
アウトバストリートメントをつけた後は、放置せずに必ずドライヤーで髪を乾かします。熱を加えることでトリートメントの成分が髪の内部にしっかりと定着し、開いていたキューティクルが閉じて、補給した栄養や潤いを閉じ込めることができます。
プロに相談するべき理由
数多くの製品の中から、自己判断で最適な一本を見つけ出すのは至難の業です。最も確実な方法は、あなたの髪を最もよく知るプロの理容師に相談することです。
あなたの髪質とパーマに最適な一本を
専門家は、市販の製品情報だけでは分からない視点からアドバイスをくれます。
- 的確な髪質診断
プロの理容師は、あなたの髪の太さ、硬さ、ダメージの度合い、水分を弾きやすいか吸収しやすいかといった性質までを正確に診断します。その診断結果に基づいて、あなたの髪に本当に必要な成分が配合された製品を提案してくれます。 - パーマデザインとの相性
かけたパーマのカールの強さや種類、そしてあなたが目指すスタイルの質感(ウェットにしたい、ナチュラルにしたいなど)によって、最適なアウトバストリートメントは異なります。プロは、パーマデザインを最大限に活かすための製品を選んでくれます。 - スタイリング剤との組み合わせ
アウトバストリートメントをスタイリングのベースとしてどう活かすべきか、その後に使うワックスやジェル、グリースとの相性はどうかなど、トータルでのスタイリングの観点からアドバイスをもらえます。 - 市販品との違い
サロンで取り扱っている専門品は、有効成分の濃度が高かったり、特定の悩みに特化した処方になっていたりと、市販品にはない付加価値を持つものが多くあります。プロから直接説明を受け、納得した上で自分に合った製品を手に入れることができます。
まとめ
メンズパーマをかけたら、アウトバストリートメントはもはや「おしゃれな人の嗜み」ではなく、スタイルを美しく保つための「必須のケアアイテム」です。
正しい製品を、正しいタイミングと手順で使う習慣をつけるだけで、パーマの持ちと髪のコンディションは驚くほど向上します。最高のパーマスタイルを一日でも長く楽しむために、まずはあなたの髪を施術してくれたプロの理容師に、「自分に最適な一本」を選んでもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。