メンズショートを「ツンツンヘア」に。現代風に仕上げる、大人の髪型
髪を、空に向かって、ツンツンと立ち上げるように整える「スパイキー」な髪型は、いつの時代も、若々しいエネルギーや、精悍な男性らしさを象徴する、メンズショートの王道スタイルとして愛され続けてきました。しかし、その一方で、一歩間違えると、少し子供っぽく見えたり、あるいは、一昔前の古い印象を与えてしまったりする、という側面もございます。この記事では、伝統的なツンツンヘアを、現代の空気感に合わせて、洗練された大人の髪型へと昇華させるための、重要な要点について詳しく解説してまいります。
今どきの「ツンツンヘア」と、昔のスタイルとの決定的な違い
まず、現代において「格好良い」とされるツンツンヘアと、過去に流行したものとの、明確な違いを理解することが大切です。かつての主流が、ジェルなどの整髪料で、髪の束を、カチカチに、そして鋭く尖らせるスタイルであったのに対し、現代のトレンドは、より「自然な質感」と「計算された無造作感」を重視します。ただ単に髪を立たせるのではなく、毛束と毛束の間に、適度な空間と、柔らかな動きを加えることで、頑張りすぎていない、こなれた大人のスタイルが生まれるのです。
格好良いツンツンスタイルは、カットが9割
この、現代的なツンツンスタイルを、ご自宅で簡単に再現するためには、その土台となるカットが、全ての鍵を握っていると言っても過言ではありません。まず、全体のシルエットにメリハリをつけるために、サイドや襟足は、すっきりと短く刈り上げることが基本です。そして、最も重要なのが、トップの部分のカットです。ただ長さを残すのではなく、ハサミを用いて、髪の量を緻密に調整し、髪に「軽さ」と「動き」を仕込んでおきます。この専門的な工程によって、少量のワックスを馴染ませるだけで、髪が自然に立ち上がり、美しい束感が生まれる土台が完成するのです。
ご自宅で実践する、洗練されたスタイリングの手順
カットで土台が創られていれば、ご自宅での整髪は、決して難しくありません。まず、髪全体を乾かす際に、ドライヤーの風を下から当て、髪の根元を、指の腹で優しく擦るようにして、ふんわりと自由に動く状態にしておきます。次に、整髪料を選びますが、現代的なスタイルには、艶の出ない、マットな質感の硬めのワックスが最適です。ごく少量を手のひらと指の間にまでよく伸ばし、髪全体を一度、シャッフルするように、根元から大胆に馴染ませます。最後に、指先で毛束を、つまんで、ねじるようにして、全体のシルエットを整えれば、洗練されたスタイルの完成です。
お客様の個性を活かす、誠実な理容師の仕事
私たち理容師の仕事は、お客様一人ひとりの髪質や骨格、そして、その方が持つ雰囲気を正確に把握し、その個性を最大限に活かすための、最高のデザインをご提案することです。誠実な理容師は、お客様が、ご自宅に帰られてから、ご自身で簡単に、そして格好良く髪型を再現できる、ということまでを常に考えて、カットの全ての工程に、心を込めて向き合います。
躍動感あふれる、精悍な髪型で、ご自身の内に秘めた情熱を表現してみませんか。お客様の魅力を最大限に引き出すお手伝いをさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。