バリカンでもみあげを剃る(刈る)方法。失敗しない使い方とプロの技
sho0202
ツーブロックやフェードスタイルなど、刈り上げを取り入れたヘアスタイルの維持に欠かせない、メンズセルフケアの必需品「バリカン」。もみあげや襟足部分のメンテナンスに非常に便利ですが、そのパワーとスピードゆえに、一瞬の気の緩みが取り返しのつかない失敗に繋がることも少なくありません。
この記事では、バリカンを安全に使いこなし、もみあげを綺麗に整えるための具体的な方法と、プロの理容師が実践する、ワンランク上のテクニックについて詳しく解説していきます。
バリカンの役割:「剃る」のではなく「刈る」
まず、綺麗な仕上がりを目指すために、バリカンの正しい役割を理解しておきましょう。
バリカンは、髪を一定の長さに「刈りそろえる」ための道具です。アタッチメントを付け替えることで、ミリ単位で正確に長さを調整することができます。
一方で、産毛などを肌の表面から完全に取り除き、ツルツルに仕上げる行為を「剃る」と言います。これは、カミソリやシェーバーの役割です。
つまり、プロのような完璧な仕上がりを目指すのであれば、「バリカンで長さと形を刈り、仕上げにカミソリやシェーバーで輪郭を剃る」という2ステップが、理想的な方法となります。
【実践編】バリカンを使ったもみあげの整え方
ご自宅で失敗せずに、もみあげを綺麗に刈り上げるための具体的な手順です。
- STEP 1:準備とアタッチメントの選定
まず、バリカン本体と、長さの異なるアタッチメント、ケープ、そして合わせ鏡を用意します。そして、最も重要なのがアタッチメントの選定です。最終的に6mmにしたい場合でも、必ず9mmや12mmといった、希望よりも長いアタッチメントから試すようにしましょう。これが、失敗を防ぐ最大の鉄則です。 - STEP 2:バリカンの基本的な動かし方
アタッチメントを確実に装着したら、刃を肌に軽く当て、下から上に向かってゆっくりと動かします。この時、手首を少し外側に返すように、バリカンの先端を頭皮から徐々に離していくと、自然なグラデーションがつきやすくなります。 - STEP 3:輪郭の処理
もみあげの下のラインなど、輪郭を整える際は、アタッチメントを外し、バリカンの刃の角の部分を使って、少しずつ慎重にラインを作っていきます。 - STEP 4:仕上げに「剃る」
バリカンで刈り上げたラインの外側にある、不要な産毛を、電気シェーバーやL字カミソリで優しく剃り上げます。この一手間で、仕上がりの清潔感が格段に向上します。
バリカンでよくある失敗と、その回避法
- 失敗1:虎刈り(刈りムラ)になってしまう
回避法
焦って速く動かすと、刈りムラができやすくなります。ゆっくりと、均一なスピードで動かすことを心がけましょう。色々な角度から鏡で確認することも重要です。 - 失敗2:一部分だけ短く刈りすぎてしまう
回避法
刈っている途中でアタッチメントが外れてしまう、という悲劇を防ぐため、作業前には必ず装着確認をしましょう。「長いミリ数から試す」という鉄則も、絶対に守ってください。 - 失敗3:輪郭のラインがガタガタになる
回避法
輪郭を作る際、一気に線を引こうとすると失敗しがちです。刃の角を使い、少しずつ点を繋いで線にしていくようなイメージで、慎重に整えましょう。
なぜプロの理容師のバリカン使いは違うのか
セルフケアとプロの技術の差は、どこにあるのでしょうか。
- アタッチメントに頼らない神業「コームオーバー」
プロの理容師は、アタッチメントを使わずに、コーム(くし)をガイドにしてバリカンを動かす「コームオーバー」という技術を駆使します。これにより、アタッチメントだけでは不可能な、ミリ単位以下の滑らかで、完璧に自然なグラデーションを作り出すことができるのです。 - 道具への深い知識と使い分け
プロ用のバリカンは、市販品とはパワーも刃の精度も異なります。さらに、プロは、お客様の髪質(硬い、柔らかい、クセの強さ)に合わせて、バリカンの種類や刃の入れ方、動かすスピードまでを瞬時に判断し、使い分けています。 - ヘアデザイン全体の一部としてのバリカンワーク
プロにとって、バリカンでの刈り上げは、単独の作業ではありません。ハサミでのカットや、レザー(カミソリ)でのシェービングと組み合わせ、ヘアスタイル全体として最も美しく見えるように、全てが計算されたデザインの一部なのです。
バリカンは、正しく使えばセルフメンテナンスの強力な武器になります。しかし、あなた自身の骨格や髪質に合わせた、芸術品のような刈り上げを求めるなら、その答えは理容室にあります。ぜひ一度、プロの理容師が繰り出す、本物のバリカンワークを体験してみてはいかがでしょうか。
ABOUT ME