もみあげを触覚風に切る方法。メンズヘアに個性を出すデザイン術
いつものヘアスタイルに、もう少し遊び心や、ミステリアスな魅力をプラスしたい。そんな風に考えているなら、もみあげの「切り方」を少し工夫して、「触覚」のようにデザインしてみるのはいかがでしょうか。
「触覚」と聞くと、アニメキャラクターなどを想像するかもしれませんが、このテクニックは、顔周りの印象を劇的に変え、メンズヘアにさりげない個性とニュアンスを加えるための、高度でおしゃれなデザイン手法なのです。この記事では、その具体的な切り方と、プロの技について詳しく解説していきます。
メンズヘアにおける「触覚」とは?
まず、メンズヘアにおける「触覚」とは、どのようなデザインを指すのでしょうか。
- 定義
もみあげの上部や、前髪とサイドの髪の毛の間にある毛束を、他の部分よりも意図的に長く、そして細く残したデザインのことです。顔の輪郭に沿って、あるいは少し離れて揺れる、スタイル全体のアクセントとなる毛束を指します。 - 得られる効果
- ミステリアスで中性的な魅力をプラス
顔にかかる繊細な毛束が、影を生み出し、どこか謎めいた、中性的な雰囲気を演出します。 - フェイスラインを補正し、小顔効果を高める
頬骨やエラのラインを自然にカバーすることで、フェイスラインがシャープに見え、小顔効果が期待できます。 - スタイルに遊び心を加える
計算されたアンバランスさが、スタイル全体に遊び心と、他とは違う「こだわり」を感じさせます。
- ミステリアスで中性的な魅力をプラス
もみあげを「触覚風」に仕上げるための切り方
「触覚」は、特に動きのあるヘアスタイルや、デザイン性の高いスタイルと相性抜群です。
- マッシュスタイルやウルフカットに
切り方
もみあげ本体はツーブロックなどで短くすっきりと整え、その少し前、こめかみ付近の毛束を、細く、長めに残してカットします。この時、毛先が自然に内側に入るように、あるいは軽やかに動くように、ハサミで質感を調整することが最も重要です。 - センターパートに
切り方
分け目から落ちる前髪のすぐ後ろにある毛束を、他の部分よりも少し長く設定します。もみあげ本体とは繋げずに、独立した毛束としてデザインすることで、顔周りに印象的な動きが生まれます。
共通のポイント
かっこいい「触覚」を作るための絶対条件は、その毛束が「細く」「軽く」、そして自然な「動き」を持っていることです。
セルフカットの落とし穴。「触覚」ではなく「落ち武者」に?
この繊細な「触覚」スタイルを、セルフカットで再現しようとするのは、非常に高いリスクを伴います。
ただ長く残しただけでは、計算された「触覚」にはならず、単なる「切り残し」や、ひと昔前の「落ち武者」のような、不格好な毛束になってしまう可能性が非常に高いのです。プロは、毛量、長さ、そして毛先の質感までを緻密にコントロールすることで、初めて生命感のある「触覚」を創り出します。この絶妙なバランスを、左右対称に自分で作るのは、ほぼ不可能に近いと言えるでしょう。
完璧な「触覚」は、デザインを熟知したプロの理容師に
あなただけの、完璧に計算された「触覚」は、プロの理容師だからこそ創り出せる、特別なデザインです。
- 骨格と顔のパーツからデザインする
プロの理容師は、あなたの目の位置、頬骨の高さ、そして顎のラインなどを全て計算し、あなたの顔が最も魅力的に見える「触覚」の最適な位置、長さ、そして細さを設計します。 - 「質感」を創り出す多彩なカット技術
プロは、レザー(カミソリ)やセニングシザー(スキバサミ)といった専門的な道具を駆使し、毛先に軽やかさと、自然な動きを生み出します。これにより、ただの毛束ではない、まるで生きているかのような繊細な「触覚」が完成するのです。 - 引き算のデザイン
「触覚」という繊細なアクセントを最大限に活かすために、それ以外の部分(もみあげ本体、襟足など)を、シェービングで完璧にすっきりと整えます。この、主役を引き立てるための「引き算」のデザインができるのが、プロの強みです。
オーダーの仕方
オーダーする際は、理想とするキャラクターやアイドルの写真を見せながら、「こんな雰囲気で、顔周りにアクセントになる毛束(触覚)を作りたいです」と、あなたのこだわりを伝えるのがベストです。恥ずかしがらずに相談することが、理想のスタイルへの第一歩です。
自分だけの特別な個性を演出し、ヘアスタイルに深みを加えるために。ぜひ一度、デザイン力のある理容室で、プロの技術を体験してみてはいかがでしょうか。