もみあげを後れ毛風に切る方法。色気を出すメンズヘアのデザイン術
いつものヘアスタイルに、どこか物足りなさを感じていませんか。「こなれ感」や「大人の色気」をプラスしたいなら、その答えは「もみあげ」の切り方にあるかもしれません。もみあげをただ短く整えるだけでなく、あえて「後れ毛」のようにデザインすることで、顔周りにニュアンスが生まれ、ヘアスタイルは格段におしゃれに進化します。
この記事では、メンズヘアをワンランク上のスタイルへと導く、もみあげを「後れ毛風」に仕上げるための、具体的な切り方とプロの技について詳しく解説していきます。
メンズヘアにおける「もみあげの後れ毛」とは?
女性のヘアアレンジでよく使われる「後れ毛」ですが、メンズヘアにおいては、もみあげ周辺の毛束を意図的にデザインすることを指します。ただ長く残すのではなく、計算された長さと質感を与えることで、様々な効果を生み出します。
- 効果1:色気とアンニュイな雰囲気を演出
顔周りに揺れる自然な毛束が、ミステリアスで色気のある雰囲気を醸し出します。作り込みすぎていない、リラックスした大人の余裕を感じさせることができます。 - 効果2:顔の輪郭を補正し、小顔効果を生む
頬骨やエラのラインに沿って後れ毛を作ることで、フェイスラインを自然にカバーし、顔の面積を小さく見せる効果が期待できます。 - 効果3:ヘアスタイルに動きと立体感をプラスする
特に、ストレートヘアや単調に見えがちなスタイルに、顔周りの毛束で動きを加えることで、ヘアスタイル全体に立体感と奥行きが生まれます。
もみあげを「後れ毛風」に仕上げる切り方
どのようなヘアスタイルに、どんな後れ毛を合わせるのが効果的なのでしょうか。
- センターパートや長めのスタイルに
切り方
もみあげの上部、こめかみ付近の毛束を、他の部分より少し長めに残してカットします。重要なのは、毛先が自然に後ろに流れるように、ハサミで毛量を調整し、軽さを出すことです。 - マッシュスタイルに
切り方
もみあげ本体はツーブロックなどで短くすっきりと整え、その少し前(前髪とサイドの間)の部分の毛を、頬骨にかかるように長めに残します。重くなりがちなマッシュスタイルに、軽快な動きとニュアンスを加えることができます。 - アップスタイル(髪を結ぶ)に
切り方
長い髪を結んだ時に、もみあげから自然に落ちる毛束を、あらかじめ計算して作っておきます。長すぎるとだらしなく、短すぎるとただの切り残しに見えてしまうため、絶妙な長さ設定が求められます。
セルフカットで「後れ毛」を作る際の注意点
この「後れ毛風もみあげ」をセルフカットで再現するのは、非常に難易度が高いと言わざるを得ません。
最大の難関は、プロが作り出す「質感」の調整です。ただ長く残しただけでは、意図しない野暮ったい毛束になってしまいます。スキバサミやスライドカットといった専門的な技術を使い、毛先に軽さや動き、そして計算された「無造作感」を生み出す必要があるのです。また、左右で長さや量が少しでも違うと、全体のバランスが大きく崩れてしまいます。
究極の後れ毛は、プロの理容師のハサミから生まれる
計算され尽くした、あなただけの理想の後れ毛は、プロの理容師だからこそ創り出せます。
- ミリ単位の「毛束感」をデザイン
プロは、あなたの骨格、髪の生え癖、そして毛流れを正確に見極め、顔周りのどの位置に、どれくらいの量の毛束を、どれくらいの長さで残すのが最も美しく見えるかを、ミリ単位でデザインします。 - 「質感」を創り出す多彩なカット技術
ただ切るのではなく、レザー(カミソリ)を使って毛先を削ぎ、柔らかな質感を出したり、スライドカットで自然な毛流れを作ったりと、多彩な技術を駆使して、理想のニュアンスを創り上げていきます。 - 完璧なトータルバランス
後れ毛という「遊び」の部分を際立たせるためには、それ以外の部分、すなわち、もみあげ本体や襟足を、完璧にすっきりと整える「締め」の部分が不可欠です。この絶妙なトータルバランスをデザインできるのが、プロの強みです。
オーダーの際は、理想のスタイルの写真を見せながら、「こんな感じで、もみあげにニュアンス(後れ毛)が欲しいです」と相談するのが、イメージを共有するための最も確実な方法です。
自分だけの「色気」と「こなれ感」を手に入れるために、ぜひ一度、理容室で、プロが創り出す繊細なデザインを体験してみてはいかがでしょうか。