もみあげと髪の毛の切り方。自然に繋げるプロのデザイン術
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もみあげを切ろうとしたとき、「もみあげは切ったけど、それに続くサイドの髪の毛はどうすればいいんだ?」と、ハサミを持ったまま手が止まってしまった経験はありませんか。多くの人が、もみあげを独立した一つのパーツとして捉えがちですが、それこそがセルフカットで不自然な仕上がりになってしまう、最大の原因なのです。
洗練されたヘアスタイルは、もみあげとサイドの髪の毛が、まるで元からそうであったかのように「自然に繋がって」こそ完成します。この記事では、その「繋がり」を意識した、プロの視点での正しい切り方について、詳しく解説していきます。
Contents
もみあげは「髪の毛」の一部。境界線をなくすという考え方
まず、セルフカットにおける最も重要な考え方の転換についてお話しします。
- セルフカットでよくある失敗
もみあげを「長さ〇cm、形は△△」というように、一つのパーツとして切りそろえ、そこで満足してしまう。その結果、もみあげと、そのすぐ上にあるサイドの髪の毛との間に、不自然な段差や、途切れたようなラインが生まれてしまいます。 - プロの視点
プロの理容師は、もみあげを独立したパーツとは考えません。もみあげとは、「サイドの髪の毛が、顔周りに向かって徐々に短くなっていく、そのグラデーションの一部」なのです。プロが目指すのは、もみあげからサイド、そしてトップへと続く、一つの滑らかで、計算された髪の流れ(ヘアデザイン)です。
この「繋がり」を意識することが、自然で美しい仕上がりを手に入れるための、最も重要な第一歩となります。
【実践】もみあげから髪の毛へ、自然に繋げる切り方
ご自宅で、この「繋がり」を少しでも再現するための、基本的なテクニックをご紹介します。
必要な道具
ハサミ、スキバサミ、そしてコーム(くし)を用意してください。
切り方の手順
- 【長さの決定】
まず、もみあげの一番短い部分(先端)の長さを決め、そこをカットします。 - 【グラデーションの作成】
次に、コームを、先端が少し頭皮から浮くように斜めに入れ、もみあげからサイドの髪の毛へと梳かし上げます。そして、コームからはみ出した毛を、ハサミで少しずつカットしていきます。これを繰り返すことで、短いもみあげから、長いサイドの髪へと徐々に繋がる、簡易的なグラデーションを作ります。 - 【質感でぼかす】
最後に、スキバサミを使い、もみあげとサイドの髪の毛の「境目」だと感じる部分の毛量を、軽くすいて調整します。これにより、カットで作った段差がぼかされ、より自然な繋がりが生まれます。
ただし、これは非常に高度な技術であり、セルフカットで完璧に再現するのは難しい、ということは心に留めておいてください。
ヘアスタイル別に見る、もみあげと髪の毛の繋がり
- ツーブロックスタイル
繋がり方
もみあげを含むサイドの髪の毛を、内側で短く刈り上げます。そして、上から長い髪の毛をかぶせることで、あえて「繋げない」段差(ディスコネクション)を作り、デザインのメリハリをつけます。 - ショートレイヤースタイル
繋がり方
もみあげからトップの短い髪まで、全ての髪が滑らかなグラデーションで繋がっているスタイルです。どこにも途切れる部分がなく、最もカット技術の高さが問われます。 - マッシュスタイル
繋がり方
もみあげ周りの髪の毛も、マッシュルーム特有の丸いシルエットに沿うように、緩やかなカーブを描きながら繋げていきます。これにより、スタイル全体に統一感が生まれます。
完璧な「繋がり」は、プロの理容師にしか作れない
あなたを最高に魅力的に見せる、完璧な「繋がり」は、プロの理容師だからこそ創り出せる、芸術の領域です。
- 骨格と毛流れを読む力
プロは、あなたの頭の形、顔の輪郭、そして髪一本一本の生え癖までをミリ単位で読み解きます。そして、どこからどこまでを、どのくらいの長さと角度で繋げれば、あなたの頭の形が最も美しく見えるかという「設計図」を、瞬時に頭の中に描くことができるのです。 - 多彩なカット技術の融合
ハサミ、バリカン、そしてプロ用カミソリ「レザー」といった、あらゆる道具を自在に操り、カット、刈り上げ、シェービングを融合させることで、セルフカットでは決して再現不可能な、完璧で滑らかな繋がりを創り出します。 - 「伸びても美しい」設計
さらに、プロのカットは、数週間後に髪が伸びてきた時のことまで計算されています。だからこそ、時間が経ってもスタイルが崩れにくく、美しい状態が長く続くのです。
もみあげと髪の毛の「切り方」で最も重要なのは、「繋がり」です。あなただけの、完璧にデザインされたヘアスタイルを手に入れたいなら、ぜひ一度、その「繋がり」を熟知したプロの理容師にご相談ください。
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