【メンズカットのやり方】プロの全工程とセルフカットが失敗する理由
「メンズカットのやり方を覚えて、自分で髪を切ってみたい」
「プロの理容師は、一体どんな手順で、あの美しい髪型を創り上げているのだろう?」
ヘアスタイルへの関心が高まる中で、その「やり方」に興味を持ち、ご自身で調べている方も多いかもしれません。
しかし、プロの理容師が実践するメンズカットの「やり方」は、単にハサミとバリカンを動かす作業手順ではありません。それは、お客様一人ひとりを最高にかっこよくするための、カウンセリングから仕上げまで、一貫した哲学と、緻密な計算に基づいた、総合的なプロセスなのです。
この記事では、プロの世界で実践されている、メンズカットの「やり方」の全工程を紐解きながら、お客様が理想のスタイルを手に入れるための、最も重要なポイントを解説します。
プロの「やり方」①:設計図を描くカウンセリング
プロの仕事は、まずお客様との対話から始まります。これが、全ての土台となる、最も重要な「設計」の工程です。
プロの視点
プロの理容師は、お客様のなりたいイメージをヒアリングすると同時に、その方の頭の骨格、髪の生えグセ、髪質といった、唯一無二の「素材」を、専門家の視点から正確に診断します。そして、お客様の理想と、現実の素材を、最高の形で融合させるための、頭の中の「設計図」を描き上げます。
セルフカットの視点
セルフカットでは、この最も重要な「設計」の工程が、完全に抜け落ちてしまいます。自分自身の骨格を客観的に判断できないまま、漠然としたイメージだけで切り進めてしまう。これが、失敗の最大の原因です。
プロの「やり方」②:ベースを創る正確なカット
設計図が完成したら、次にスタイル全体の骨格となる「ベース」を創り上げていきます。
プロの視点
髪を正確に分け取る「ブロッキング」という下準備を丁寧に行い、ミリ単位で、設計図通りの長さにカットしていきます。サイドや襟足の刈り上げ、トップの長さ設定など、ごまかしの効かないこの工程での正確さが、スタイル全体の完成度を大きく左右します。
セルフカットの視点
自分では見えない後頭部や、左右対称に切ることが困難なセルフカットでは、このベースの段階で、すでに大きなズレや歪みが生まれてしまいます。
プロの「やり方」③:魂を吹き込む質感調整
ベースカットで骨格ができたら、次はディテールを創り込み、スタイルに魂を吹き込む「彫刻」のような作業です。
プロの視点
すきバサミや、特殊なカット技法を駆使して、髪に「動き」や「束感」といった、表情(テクスチャー)を加えていきます。ただ量を減らすのではなく、膨らみの原因となる内側の毛量をピンポイントで取り除いたり、毛先に軽さを与えたりと、スタイリングがしやすくなるように、計算し尽くされた「質感調整」を行います。
セルフカットの視点
セルフカットで最も危険なのが、この質感調整です。知識のないまま、すきバサミを根元から入れてしまうと、短い毛が立ち上がり、逆にボリュームが増えてしまったり、表面の髪をすきすぎると、パサパサでまとまりのない髪になったりと、取り返しのつかない失敗に繋がりやすいのです。
プロの「やり方」④:神は細部に宿る仕上げ
彫刻が完成したら、最後は細部を丁寧に磨き上げ、完璧な作品へと昇華させます。
プロの視点
トリマーやカミソリを使い、襟足やもみあげ、耳周りの産毛などを、ミリ単位で正確に処理し、完璧なラインを創り出します。そして、ご自宅でもお客様自身が、そのスタイルを簡単に再現できるよう、ドライヤーの使い方から、スタイリング剤の選び方まで、丁寧にアドバイスします。
あなたにとっての、最高の「やり方」とは
理想を叶える「オーダーのやり方」をマスターする
ここまでお読みいただければ、プロの「やり方」がいかに専門的で、セルフカットが困難であるか、お分かりいただけたかと思います。つまり、お客様にとって本当に知るべき「やり方」とは、髪を切る方法ではなく、プロの技術を最大限に引き出す「オーダーのやり方」なのです。
写真で伝え、悩みで相談し、プロに委ねる
あなたのなりたい理想の「写真」を見せ、あなたの髪に関する「悩み」を正直に話すこと。そして最後は、その悩みを解決するための最適な「やり方(カット技法)」を、プロの提案に委ねてみること。これが、最高のスタイルを手に入れるための、最も賢明な方法です。
まとめ:究極の「やり方」は、信頼できるプロの手に宿る
メンズカットの「やり方」とは、単なる作業手順書ではありません。それは、お客様一人ひとりの個性を深く理解し、数々の専門技術を駆使して、最高のデザインを創り上げるための、プロフェッショナルな思考プロセスそのものなのです。
そして、その複雑で、専門的なプロセスを、心から信頼して委ねることができる理容師と出会うこと。それこそが、究極のヘアスタイルを手に入れるための、最高の「やり方」と言えるでしょう。
当サロンでは、お客様との対話から始まる、この一連の「やり方」を何よりも大切にしています。ぜひ一度、私たちのこだわり抜いた、プロフェッショナルな仕事をご体験ください。