【メンズカット】ツーブロックは、バリカンで「本物」になる。プロの技術とオーダーの基本
現代のメンズヘアスタイルを象徴する「ツーブロック」。そのシャープで、清潔感あふれるシルエットを創り出す上で、絶対に欠かすことのできない道具、それが「バリカン(クリッパー)」です。
「バリカン」と聞くと、単に髪を短く刈るだけの、単純な道具というイメージをお持ちかもしれません。しかし、プロの理容師の手にかかると、バリカンは、あなたの印象をミリ単位でデザインし、ヘアスタイルを芸術の域へと高める、極めて繊細なツールへと変わるのです。
この記事では、なぜ、本物のツーブロックには、プロによるバリカンの技術が不可欠なのか、その理由と、あなたの理想を叶えるためのオーダーの基本を、詳しく解説します。
なぜ、ツーブロックの「土台」には、バリカンが最適なのか
ツーブロックのデザインは、バリカンという道具の特性と、完璧なまでに共鳴しあっています。
ミリ単位の、均一な「面」を創り出す
プロが使うバリカンは、広範囲の髪を、ミリ単位で、寸分の狂いもなく、完璧に均一な長さに整えることができます。ハサミだけでは決して実現できない、この正確無比な「面」の美しさこそが、ツーブロックの持つ、圧倒的な清潔感と、シャープな印象の源泉なのです。
シャープで、ブレのない「ライン」を描く
刈り上げる部分と、その上に被せるトップの髪との、境界線となる「ライン」。ツーブロックの印象は、このラインが、いかにシャープで、ブレなく描かれているかによって、大きく左右されます。バリカンと、その相棒であるトリマーは、この最も重要なラインを、最も美しく、そして正確に創り出すための、最高の道具です。
骨格の悩みを、根本から解決する
多くの日本人男性が悩む、サイドが膨らんで頭が大きく見えてしまう「ハチ張り」。バリカンを使ったツーブロックは、この悩みの原因となる部分の髪を、根本からすっきりと取り除くことができるため、最も効果的な骨格補正の手段となります。
バリカンで決まる、ツーブロックの印象を分ける「ミリ数」
バリカンで何ミリに刈り上げるか。その選択が、あなたの印象を、自在にデザインします。
6mm以上:ビジネスシーンにも馴染む、品の良い「ナチュラル」
地肌がほとんど透けることなく、あくまで自然な濃淡を保つ、品の良い長さです。いかにも刈り上げた、という印象にはならず、さりげなく清潔感を演出したい、大人の男性や、ビジネスシーンに最適です。
3mm~4mm:お洒落さが際立つ、精悍な「シャープ」
地肌の色がはっきりと感じられ、トップの髪との色のコントラストが明確になる、よりシャープでおしゃれな印象の長さです。すっきりとした潔い印象が、あなたの個性を引き立てます。
1mm以下:芸術的なグラデーション「フェード」
地肌に近い状態から始まる、非常に短い刈り上げは、滑らかなグラデーションを作る「フェードスタイル」の領域です。ミリ単位、あるいは、それ以下の緻密な調整で作り上げる、究極の濃淡は、まさにプロの理容師の腕の見せ所。圧倒的な男らしさと、洗練された雰囲気を演出します。
理想のスタイルを叶える、プロへの「バリカン」オーダー術
理想の「写真」で、全ての情報を伝えるのが大前提
これが究極にして最強のオーダー術です。あなたの理想とするツーブロックスタイルの写真を見せること。それだけで、刈り上げのミリ数、高さ、トップの髪型とのバランスといった、全ての設計情報を、理容師と完璧に共有することができます。
「ミリ数」と「高さ」で、こだわりを具体的に話す
「サイドの刈り上げは6mmくらいで、高さはあまり高すぎない自然な感じでお願いします」というように、あなたがこだわりたいポイントを、具体的な言葉で伝えてみましょう。オーダーの精度が格段に上がります。
「繋がり」のニュアンスも、忘れずに相談する
刈り上げた部分と、その上のトップの髪との「繋がり方」も、重要なデザイン要素です。「トップの髪と、パツンと分かれないように、自然に馴染ませてください」と伝えることで、野暮ったい「キノコ頭」になるのを、防ぐことができます。
まとめ:道具と技術、そして対話が、最高の髪型を創る
バリカンは、誰でも手に入れられる、シンプルな道具です。しかし、そのシンプルな道具を、まるで自分自身の指先の延長であるかのように、自在に操り、お客様一人ひとりという、世界に一つしかないキャンバスの上に、美しいデザインを描き出す。
それこそが、長年の経験と、日々の鍛錬によってのみ到達できる、プロの理容師の「技術」の真髄なのです。
そして、その技術は、お客様との、丁寧な「対話」があって初めて、その真価を発揮します。
当サロンでは、この「道具」「技術」「対話」の三つの要素を、何よりも大切にしています。ぜひ一度、プロの道具と、プロの技術が織りなす、本物のメンズカットをご体験ください。