【メンズカット】後頭部は第二の顔だ。絶壁をカバーし、理想のシルエットを作る方法
自分では見えない「後頭部」。ヘアサロンでカットを終え、最後に合わせ鏡で見せてもらった時、「思っていたのと違う…」と感じたり、普段の生活の中で、ふとショーウィンドウに映った自分の横顔にがっかりしたりした経験はありませんか?
正面の表情と同じくらい、あるいはそれ以上に、あなたの印象を決定づけているのが、横顔や後ろから見た時の後頭部のシルエットです。特に、日本人に多いとされる「絶壁(後頭部が平らなこと)」は、多くの男性が抱えるコンプレックスの一つです。
しかし、その悩みは、カット技術によって劇的に改善できることをご存知でしょうか。この記事では、あなたの“第二の顔”とも言える後頭部を、最も美しく見せるための、プロのカット技術と考え方、そしてオーダーの秘訣までを詳しく解説します。
なぜ「後頭部のシルエット」がこれほど重要なのか?
ヘアスタイルを考える上で、なぜ後頭部のシルエットがこれほどまでに重要視されるのでしょうか。
横顔の印象を決定づける
美しい横顔の基準として、鼻先と顎先を結んだ「Eライン」が有名ですが、それと同じくらい重要なのが、後頭部の持つなだらかな丸みです。ここが平らだと、どこか間の抜けた印象に見えてしまいがちです。逆に、後頭部に美しい丸みがあると、頭全体の形が綺麗に見え、知的で洗練された印象を与えます。
360度どこから見ても「かっこいい」のために
私たちは、自分で思っている以上に、他人から横や後ろから見られています。どんなに正面のスタイリングが完璧でも、後頭部がぺたんこでは、その魅力は半減してしまいます。360度、どの角度から見られても隙のない、完璧なかっこよさを手に入れるためには、後頭部のシルエット作りが不可欠なのです。
スタイルの土台となる骨格補正
後頭部に適切なボリュームを持たせることは、スタイル全体のバランスを整える上でも非常に重要です。例えば、後頭部に高さが出ることで、相対的にサイドのハチ張りが目立たなくなったり、首が細く長く見えたりと、様々な骨格補正効果が期待できます。
絶壁を解消!後頭部を美しく見せるカット技術
では、プロの理容師は、どのようにして理想的な後頭部のシルエットを作り上げているのでしょうか。そこには、緻密に計算された専門技術が存在します。
グラデーションカットで作る「丸み」
絶壁をカバーする上で最も基本となるのが、襟足からトップにかけて、髪の長さを徐々に変えていく「グラデーションカット」です。襟足はタイトに締め、後頭部の最もボリュームが欲しい部分に向かって、滑らかに長さを残していくことで、平らだった部分に自然で美しい丸みが生まれます。
レイヤーカットで生み出す「高さ」と「動き」
後頭部の最も高い位置(ゴールデンポイント)に、理想的なボリュームを持ってくるために用いられるのが「レイヤーカット」です。トップ部分の髪にレイヤー(段差)を入れることで、髪の根元が立ち上がりやすくなり、自然な高さと動きを演出することができます。
緻密な毛量調整で「重さ」をコントロール
ただボリュームを出すだけでは、単に重たいだけの野暮ったいスタイルになってしまいます。プロは、髪の内側の毛量を「セニング」という技術で緻密に調整し、不要な重さを取り除きます。これにより、見た目はふんわりとボリューミーでありながら、触ると軽い、持続性のある理想的なシルエットが完成するのです。
後頭部が映える!おすすめのメンズヘアスタイル
後頭部のシルエットを最大限に活かす、代表的なヘアスタイルをご紹介します。
王道の「ショートレイヤースタイル」
骨格補正効果が最も高く、後頭部のシルエットを最も美しく見せやすいのが、このスタイルです。タイトに締まった襟足と、ふんわりと高さのあるトップとの対比が、メリハリのある理想的な横顔を創り出します。
自然なボリュームの「マッシュスタイル」
マッシュスタイル特有の丸みを帯びたシルエットが、絶壁などの骨格の悩みを自然にカバーしてくれます。ただし、ただ重く残すだけでは野暮ったくなるため、後頭部の内側の毛量をしっかりと調整し、計算された丸みを作ることが、プロの腕の見せ所です。
襟足で魅せる「ウルフスタイル」
後頭部のトップにボリュームを持たせつつ、襟足には長さを残して動きを出すウルフスタイルも、後頭部のシルエットに奥行きを与えるのに有効です。くびれのあるシルエットが、個性とシャープな印象を演出します。
「後頭部、いい感じに」を叶えるオーダーの極意
サロンで、自分では見えない部分の、繊細なニュアンスを伝えるためのコツです。
悩みを正直に伝えるのが一番の近道
「自分、絶壁なのがコンプレックスなんです」「後頭部がいつもぺたんこになってしまって…」というように、まずはあなたの悩みを、恥ずかしがらずに正直に伝えることが、解決への最も確実な一歩です。プロは、その一言であなたの悩みを理解し、解決策を考え始めます。
「横から見たときのシルエット」を重視したいと話す
「正面から見た感じも大事ですが、特に横から見たときの、後頭部の丸いシルエットにこだわりたいです」と伝えてみましょう。これにより、理容師はあなたの美意識の高さを理解し、より一層、後頭部のデザインに力を入れてくれるはずです。
理想のシルエット写真を提示する
言葉で説明するのが難しい頭の形やシルエットは、理想とするスタイルの「横顔」の写真を見せるのが一番です。「こんな感じの、自然な丸みがほしいです」と、具体的なイメージを共有しましょう。
自宅で再現!後頭部のボリュームを出すスタイリング術
サロンでの仕上がりを、ご自宅で少しでも長くキープするための簡単なテクニックです。
ドライヤーは「下から上へ」が鉄則
後頭部のボリュームを出したい部分は、髪を乾かす際に、少し下を向き、髪の根元を起こすように、下から上へとドライヤーの風を送り込みましょう。これが、ふんわりとしたシルエットの土台となります。
ワックスは「内側から」揉み込む
スタイリング剤は、いきなり表面につけるのではなく、まず襟足付近の内側の髪から、しっかりと揉み込むように付けていきます。髪の内側に「支え」を作るイメージです。最後に、手に残った少量のワックスで、表面の毛流れを整えましょう。
まとめ:後ろ姿にこそ、本物の技術と自信が表れる
自分では直接見ることのできない後頭部。だからこそ、そこには一切のごまかしが効かず、理容師の持つ経験、知識、そして純粋なカット技術の全てが、最も正直に現れます。
あなたの骨格を正確に読み解き、まるで彫刻家のように、ミリ単位で理想のシルエットを創り出してくれる。そんなプロの理容師に任せることこそが、長年のコンプレックスを、揺るぎない自信へと変える唯一の方法です。
当サロンでは、骨格補正カット、とりわけ後頭部のシルエット作りに絶対の自信を持つ、経験豊富な理容師がお客様をお待ちしております。あなたの“第二の顔”を、ぜひ私たちにデザインさせてください。