なぜか髪が“左に流れない”君へ。その原因と、完璧な左流しを創る方法
「分け目を変えるだけで、人の印象は大きく変わる」
そんな話を聞いて、いつもと違う「左流し」のヘアスタイルに挑戦してみたものの、なぜか髪が言うことを聞かず、すぐに元の流れに戻ってしまう…。
そんな、もどかしい経験をしたことはありませんか?
その原因は、あなたのスタイリングが下手なのでも、使っているワックスが悪いのでもありません。実は、多くの人が持つ、自分ではどうにもできない**「つむじの向き」**にあるのかもしれないのです。
しかし、諦めるのはまだ早い。
生まれつきの髪の流れに逆らってでも、理想のスタイルを創り出すことは可能です。プロのカット技術と、正しいスタイリング方法さえ知れば、誰でも、そしてどんなつむじの向きでも、美しく、そして扱いやすい「左流し」のスタイルを手に入れることができるのです。
この記事では、その全ての秘訣を、徹底的に解説します。
なぜ、あなたの髪は「左」に流れないのか?“つむむじ”との深い関係
まず、なぜ多くの人が「左に流しにくい」と感じるのか、その原因を理解しましょう。
- つむじの「時計回り」の法則個人差はありますが、日本人を含む多くの人々は、頭頂部にあるつむじが**「時計回り」**に巻いていると言われています。
- 髪が持つ、自然な「毛流れ」この時計回りのつむじから、髪は放射状に生えていきます。その結果、多くの人の場合、髪は自然と、顔の左側から右側(おでこ側から見て、右方向)に向かって流れるように生えているのです。
- 結論:左流しは、少しだけ“難易度が高い”つまり、多くの人にとって「右に流す」のは、髪の生え癖に沿った自然で楽なスタイリングですが、「左に流す」のは、その髪本来の流れに、少しだけ逆らう、やや難易度の高いスタイリングということになります。
“生え癖”に逆らって、完璧な「左流し」を創る方法
しかし、その「生え癖」は、正しい技術でコントロールすることが可能です。
【最重要】STEP1:ドライヤーで“根元の生え癖”を、完全にリセットする
これが全ての基本です。まず、髪の根元を、地肌までしっかりと濡らします。
その後、ドライヤーの風を、まず右(本来流れやすい方向)から左に向かって当て、根元を一度、強制的に左向きに倒します。
次に、左から右へ、前から後ろへ、後ろから前へと、あらゆる方向から根元に風を当て、一度、生え癖を完全にニュートラルな状態に戻してあげます。
STEP2:ドライヤーで、左への“流れの道”を創り出す
根元がリセットされたら、改めて、手ぐしやブラシで右から左へと髪を流しながら、ドライヤーで乾かしていきます。この時、左に流したい前髪の根元を、指で少し持ち上げながら風を当てると、ふんわりとした立ち上がりが生まれます。
STEP3:ヘアアイロンで“流れ”を形状記憶させる
さらにスタイルをキープしたいなら、ストレートアイロンを使います。髪の根元から毛先に向かって、あなたが創った左への毛流れに沿って、ゆっくりとアイロンで熱を通します。これにより、流れが強力に記憶され、一日中崩れにくくなります。
STEP4:スタイリング剤で仕上げる
ワックスやグリース、ジェルなど、なりたい質感に合わせたスタイリング剤を使い、創った毛流れをキープして完成です。
「左流し」が魅力的な、人気のヘアスタイル
美しい左流しは、あなたの印象をより知的で、洗練されたものへと変えてくれます。
- 左パートの「七三分け/サイドパート」知的でクラシックな印象を与える王道スタイル。ジェルやグリースでタイトに仕上げれば、ビジネスシーンにも最適な、品格のあるスタイルが完成します。
- アシンメトリーな「流しショート」右サイドはすっきりと短く、あるいは耳にかけるなどしてタイトに抑え、トップから左サイドにかけて、アシンメトリー(左右非対称)な大きな毛流れを作る、デザイン性の高いスタイルです。
- パーマで創る「左流しスタイル」毎日のスタイリングを劇的に楽にしたいなら、あらかじめ左に流れやすいようにパーマをかけるのが最も効果的です。特に、毛流れを整える「カルマパーマ」などは、乾かすだけで理想の流れが手に入ります。
なぜ「左に流しやすい髪」は、プロのカットでしか作れないのか?
ここまで、ご自身でできるスタイリングのコツをお伝えしてきましたが、本当のことを言えば、美しい「左流し」は、根性やスタイリング剤だけで創るものではありません。
プロの理容師・美容師は、あなたのつむじの位置や、髪一本一本の生え癖を完全に見極めた上で、髪が自然と左に流れていくように、「流れの道筋」をカットの段階でデザインしているのです。
髪にレイヤー(段)を入れて毛先の方向性をコントロールしたり、毛量を調整して髪がスムーズに流れるようにしたりと、全てが計算され尽くされています。
特に、あなたの生え癖に逆らうスタイルを作る場合、その髪質を完璧に理解し、最適なカットと、必要であればパーマを提案できる、プロの知識と技術が不可欠なのです。
まとめ
髪を「左に流す」という、一見すると些細なこだわり。
しかし、そこにこそ、あなたの新しい魅力や、「いつもと違う自分」を表現する、大きな可能性が秘められています。
生まれつきの髪の流れに逆らい、自分の思うがままにスタイルを創り出すこと。それは、確かに簡単ではないかもしれません。しかし、決して不可能ではないのです。
その、あなたの挑戦を可能にするのが、あなたの髪質と生え癖を完全に理解し、それを意のままにコントロールする、プロの技術です。
“いつもと同じ”から、卒業しませんか?
あなたの髪を、あなたの想うがままに。その自由を、私たちと一緒に手に入れましょう。