【メンズヘア】後ろ姿で語れ。バックのデザインで差がつくスタイルとセット術
正面からのヘアスタイルは、鏡を見て毎日セットしているから完璧。でも、ふとした瞬間にショーウィンドウに映る自分の「後ろ姿」に、自信を持つことはできますか?
自分では直接見ることができない「バック」のヘアデザイン。実は、この部分にこそ、その人のこだわりや美意識が表れ、ヘアスタイル全体の完成度を決定づけているのです。
この記事では、360度どこから見ても隙のない、洗練されたスタイルを創り上げるための、バックデザインの重要性と、具体的なスタイル、そして自分でもできるスタイリングの秘訣まで、プロの視点で徹底的に解説します。
なぜ「バックデザイン」が重要なのか?
ヘアスタイルにおいて、後ろ姿がなぜこれほどまでに重要視されるのでしょうか。
1. 全体シルエットの完成度を決める
特に、ヘアスタイルを美しく見せる黄金バランス「菱形シルエット」は、後頭部の丸みと、引き締まったくびれ(襟足)のバランスによって創り出されます。バックのデザインが、ヘアスタイル全体の骨格を決定づけているのです。
2. 清潔感は襟足に宿る
どんなにトップをオシャレにセットしていても、襟足が伸びっぱなしであったり、処理が雑であったりすると、一気にだらしない印象を与えてしまいます。手入れの行き届いたシャープな襟足こそが、清潔感の象徴なのです。
3. こだわりが垣間見える部分
自分では見えない部分にまで気を配り、こだわりを持っている。その姿勢が、真のオシャレであり、大人の余裕を感じさせます。後ろ姿は、あなたの美意識を雄弁に物語るのです。
なりたい印象で選ぶ。メンズヘアのバックスタイルカタログ
バックデザインは、なりたい印象に合わせて様々に創り出すことができます。
【クリーン&シャープ】刈り上げ / フェードバック
圧倒的な清潔感と、シャープで男らしい印象を与えるなら、刈り上げスタイルが最適です。特に、0mmに近い短さから美しいグラデーションを描く「フェードカット」は、後頭部の骨格を美しく見せ、海外のビジネスエリートのような洗練されたバックスタイルを創り出します。
【ナチュラル&上品】グラデーション / ショートレイヤーバック
襟足をバリカンで刈り上げるのではなく、ハサミを使って首筋に沿うように、柔らかく自然な長さに残すスタイル。品があり、落ち着いた印象を与えるため、ビジネスシーンでも好印象です。絶壁などで平坦になりがちな後頭部に、カット技術で自然な丸みを持たせることができるのも、このスタイルの特徴です。
【個性的&トレンド】ウルフ / ロングバック
襟足をあえて長めに残すウルフスタイルは、トレンド感と個性を表現するのに最適です。パーマをかけて動きを出したり、カラーでアクセントを加えたりと、アレンジの幅も広がります。ファッションと連動させた、自己表現のためのバックスタイルです。
自分でできる!バック&後頭部のスタイリング術
自分では見えにくいバックのスタイリング。いくつかのコツを押さえるだけで、仕上がりは劇的に変わります。
ドライヤーでのベース作りが鍵
- ボリュームを出したい場合(絶壁カバーなど): 髪を乾かす際に、ボリュームを出したい後頭部の根元に指を入れ、下から持ち上げるようにしながら温風を当てます。この「根元を立ち上げる」ひと手間で、ふんわりとした丸みが生まれます。
- ボリュームを抑えたい場合: 逆に、膨らみがちな部分は、ドライヤーの風を上から当て、手のひらで軽く押さえつけながら乾かすと、タイトに収まります。
- 襟足の動き作り: ウルフスタイルなどで襟足に動きを出したい場合は、毛束を指でつまみ、外側にハネさせるように熱を当ててクセ付けします。
ワックスの付け方
スタイリング剤を付ける時、多くの人が前髪やトップから付けがちですが、それはNGです。
手のひらによく伸ばしたワックスを、まず最初に、襟足から後頭部にかけて、下から上へ髪をかき上げるように揉み込みましょう。ここを起点にすることで、手に残った少量のワックスで前髪やトップを整えることができ、全体の付けすぎを防ぎ、バランス良く仕上がります。
仕上げに、合わせ鏡やスマートフォンのカメラ機能を使って、後ろ姿をチェックする習慣をつけると完璧です。
サロンで理想の「バック」をオーダーするコツ
理想の後ろ姿を手に入れるには、スタイリストとのイメージ共有が不可欠です。
- 1. 後ろ姿の写真を見せるのが一番効果的「こんな後ろ姿にしたい」という理想のスタイル写真があれば、言葉で説明するよりも遥かに正確にイメージを伝えることができます。
- 2. 襟足の処理を具体的に伝える「襟足はバリカンで刈り上げてください(できれば何mmか)」「襟足は、首に沿うような自然な長さでお願いします」「襟足を伸ばして、ウルフスタイルにしたいです」など、襟足をどうしたいかを具体的に伝えましょう。
- 3. 骨格の悩みを伝える「絶壁なので、後頭部に丸みが欲しいです」と正直にお伝えください。私たちプロは、そのお悩みを解消するための最適なカットデザインを熟知しています。
まとめ
普段、自分では見ることのない「後ろ姿」。しかし、周りの人からは、あなたの正面と同じくらい、あるいはそれ以上に見られている部分です。そのバックスタイルの完成度にこそ、あなたの本当のオシャレ度が表れます。
そして、360度どこから見ても美しい、完璧なシルエットは、お客様一人ひとりの骨格や生えグセを計算し尽くした、プロのカット技術なくしては決して実現できません。
あなたの後ろ姿、プロの視点でデザインしませんか。襟足の一本一本にまでこだわり抜いた、完璧なバックスタイルを創り上げます。自分では見えない部分だからこそ、私たちプロにお任せください。