オーガニックカラーとは?誠実な理容師が解説する、髪と頭皮をいたわる選択
毛染めによるスタイルチェンジを楽しみたい、けれど同時に、髪へのダメージや頭皮への刺激、あるいは薬剤に含まれる化学的な成分が気になる。近年、ご自身の健康や自然環境への配慮から、そのようにお考えになる方が増えております。そうした皆様の意識の高まりの中で、一つの選択肢として注目を集めているのが「オーガニックカラー」です。今回は、このオーガニックカラーの本当の意味や特徴について、プロの視点から正しく、そして詳しく解説させていただきます。
まずは知っておきたい「オーガニックカラー」の基本
まずご理解いただきたいのは、「オーガニックカラー」という言葉の定義についてです。一般的にオーガニックカラーとは、有機栽培された植物から抽出したオイルやエキスといった、天然由来の成分を配合して作られたヘアカラー剤を指します。しかし、ここで重要なのは、製品の全てがオーガニック成分のみで構成されているわけではない、という点です。髪を染めるという目的を果たすためには、色素やアルカリといった、最低限の化学的な成分も必要となります。つまり、通常のヘアカラー剤に比べて、天然由来成分の配合率が高く、髪や頭皮への負担を軽減するよう配慮されているのが、オーガニックカラーの基本的な考え方です。
オーガニックカラーが選ばれる理由、そのメリットとは
オーガニックカラーが、健康を意識される多くの方々に選ばれるのには、明確な理由がございます。その最大のメリットは、髪と頭皮に対する刺激が比較的マイルドであるという点です。配合されている植物由来の保湿成分や保護成分が、施術中の頭皮の乾燥や刺激感を和らげ、施術後の髪のパサつきを抑えてくれる効果が期待できます。また、ヘアカラー剤特有のツンとした刺激臭が大幅に抑えられ、ハーブなどの穏やかな香りに包まれながら、リラックスした心地で施術を受けられる製品が多いのも、大きな魅力の一つです。仕上がりの色合いも、自然で深みのある、美しいツヤ感が特徴です。
オーガニックカラーを選ぶ上での注意点
一方で、オーガニックカラーをお選びいただく際には、ご理解いただきたい注意点もございます。オーガニックカラーは、髪への負担を軽減するために、薬剤の作用が比較的穏やかに設計されていることが多く、髪の色素を大きく抜く力は強くありません。そのため、現在の髪色から大幅に明るいハイトーンカラーにされたい場合には、不向きなケースがございます。そして最も大切なことは、オーガニック成分だからといって、アレルギーのリスクが全くのゼロになるわけではない、という点です。植物に対してもアレルギー反応を示される方がいらっしゃるように、全ての方にとって安全であるとは断言できません。特に、一般的なヘアカラー剤と同様に「ジアミン」という染料を含んでいる製品も多いため、ジアミンアレルギーをお持ちの方はご使用になれません。
あなたにとって最適な選択を、誠実な理容室で
オーガニックカラーは、髪や頭皮をいたわりながら、優しくヘアカラーを楽しみたいとお考えの方にとって、非常に優れた選択肢の一つであることは間違いございません。しかし、お客様の現在の髪の状態や、これからなりたいと願うイメージによっては、必ずしもオーガニックカラーが最善の選択とは限らない場合もございます。本当に大切なのは、オーガニックカラーのメリットとデメリットを熟知したプロフェッショナルが、お客様一人ひとりと真摯に向き合い、数ある選択肢の中から、その方にとって最も適した薬剤を選び出すことです。私たちは、お客様の健康と美しさに誠実に向き合います。どうぞ、安心してあなたの髪を私たちにご相談ください。