【プロが回答】「髪をすく」知恵袋|失敗しないための、よくある質問と答え
「髪をすきすぎて、スカスカの失敗ヘアになってしまった…どうすればいい?」「くせ毛なのですが、髪はすかない方が良いって本当ですか?」——。ヘアスタイルに関するお悩み、特に「髪をすく」ということに関する疑問は、本当に尽きることがありません。そんな時、多くの方がYahoo!知恵袋のようなQ&Aサイトで、ご自身と同じ悩みを持つ人の声や、様々なアドバイスを参考にされることでしょう。そこには数多くの貴重な体験談がありますが、時に情報が多すぎて、かえって混乱してしまうこともございます。そこで今回は、私たちプロの理容師が、皆様からよく寄せられるご質問に、専門家の立場から、一つひとつ誠実にお答えしていきたいと思います。
- Q1.「髪をすいたら、スカスカになって失敗しました。一体なぜですか?」
- A. それは、お客様のせいでは決してありません。多くの場合、技術者側の技術とカウンセリング不足が原因です。
- Q2.「くせ毛や多毛なのですが、梳かない方が良いのでしょうか?」
- A. 一概に「梳かない方が良い」わけではございません。むしろ、正しい知識と技術で梳けば、そのお悩みを最高の個性へと変えることができます。
- Q3.「量を減らしたい時、『梳いてください』以外の頼み方はありますか?」
- A. はい、ございます。最も効果的なのは、「なぜ梳いてほしいのか」という目的やお悩みを、そのまま私たちに伝えていただくことです。
- Q4.「セルフカットで梳く時のコツを教えてください」
- A. ご自身で挑戦されたいというお気持ち、とても素晴らしいと思います。
- ネットの情報と、誠実な理容師の「対話」
Q1.「髪をすいたら、スカスカになって失敗しました。一体なぜですか?」
A. それは、お客様のせいでは決してありません。多くの場合、技術者側の技術とカウンセリング不足が原因です。
まず、そのように感じさせてしまったことを、同じ技術者として心苦しく思います。髪が「スカスカに見える」失敗の主な原因は、①髪のツヤやまとまりを司る「表面」の髪まで無計画に梳いてしまったこと、あるいは②お客様の頭の形を考慮せず、全体をただ均一に梳いてしまったこと、の二つが考えられます。私たちプロは、スタイルに品を与える表面の髪は極力残し、お客様の骨格に合わせて、膨らむ部分の「内側」だけを的確に、そして丁寧に見極めながら量を調整しています。
Q2.「くせ毛や多毛なのですが、梳かない方が良いのでしょうか?」
A. 一概に「梳かない方が良い」わけではございません。むしろ、正しい知識と技術で梳けば、そのお悩みを最高の個性へと変えることができます。
くせ毛や多毛の方の髪を無計画に梳くと、かえってクセが暴れたり、根元が重く毛先だけが軽い不格好なスタイルになったりするリスクがあるのは事実です。しかし、私たちプロは、お客様のクセの動きや、毛量の多い部分を「活かす」ための、計算された梳き方を知っています。どの部分の重さを戦略的に「残し」、どの部分のボリュームを的確に「取る」か。その緻密なデザインによって、扱いやすく、そしてあなただけの魅力的なスタイルを創り出すことが可能です。
Q3.「量を減らしたい時、『梳いてください』以外の頼み方はありますか?」
A. はい、ございます。最も効果的なのは、「なぜ梳いてほしいのか」という目的やお悩みを、そのまま私たちに伝えていただくことです。
例えば、「ドライヤーの時間を短くしたい」「スタイリングした時に、もっと動きを出したい」「サイドが膨らむのを抑えたい」といったお客様からの具体的な言葉は、私たちプロにとって、最高の「注文書」になります。その目的を叶えるために、私たちは梳き方を変え、時には梳く以外の技術も組み合わせてご提案します。もちろん、理想のヘアスタイルの写真を見せていただくのも、非常に有効な方法です。
Q4.「セルフカットで梳く時のコツを教えてください」
A. ご自身で挑戦されたいというお気持ち、とても素晴らしいと思います。
もしご自身で試されるのであれば、基本的なコツとして①必ず乾いた髪に、②髪の表面と根元は絶対に避け、③ハサミを縦方向に入れる、という三点を守るだけでも、大きな失敗は避けやすくなります。しかし、正直に申し上げますと、「髪を梳く」という行為は、ご自身では見えない後頭部のバランス調整など、プロでも非常に神経を使う、極めて難しい技術です。もし少しでもご不安があれば、一度、私たち専門家にお任せいただくのが、最も確実で、そして最も安全な道であると、私たちは考えております。
ネットの情報と、誠実な理容師の「対話」
知恵袋のようなインターネット上の情報は、多くの人々の知識や経験が集まる、素晴らしい広場です。しかし、そこに書かれているアドバイスが、必ずしも「あなたの髪」に、そして「あなたのなりたい姿」に、完璧に当てはまるとは限りません。私たち誠実な理容師の仕事は、ネット上の一般的な知識をお伝えするだけではありません。目の前にいらっしゃる、世界にただ一人のあなたと真剣に向き合い、あなたの髪質、骨格、ライフスタイル、そして心の中にある想いを「対話」を通じて深く理解し、あなたのためだけの完全オーダーメイドの答えを見つけ出すことです。
「髪をすく」ことに関するお悩みや疑問は、どうぞ一人で抱え込まず、ぜひ私たちプロにぶつけてみてください。ネットの向こう側にある無数の声ではなく、あなたの目の前で、あなたの髪に全責任を持つ一人の専門家として、私たちは誠心誠意お答えすることをお約束いたします。