高校生男子の髪型の頼み方 理想のスタイルを叶える伝え方の基本
ご自身のなりたい髪型のイメージはなんとなく頭の中に描けているけれど、いざ理容室の椅子に座ると、どのようにそれを伝えたら良いか分からず、緊張してしまう。そんな経験を持つ高校生の男子生徒は、決して少なくないはずです。「うまく希望を伝えられなくて、結局いつもと同じような髪型になってしまった」という、少しだけ残念な気持ちを繰り返さないためにも、上手な「頼み方」のコツを知っておくことは、ご自身の理想の姿に近づくための、非常に大切で、そして有効な一歩となります。この記事では、初めて行く理容室でも、あるいはいつも通っている理容室でも、安心してご自身の希望を伝えられるようになるための、髪型の頼み方の基本について、私たち髪のプロの視点から詳しくご紹介いたします。
頼み方の基本1 「写真」を見せる
最も簡単で、そして最も確実な方法が、ご自身が「こうなりたい」と思うイメージに近い髪型の写真を見せていただくことです。百の言葉を尽くして説明するよりも、一枚の写真が、あなたのなりたいイメージを、私たち理容師に最も正確に伝えてくれます。スマートフォンに保存した画像や、雑誌の切り抜きなど、どのような形でも全く問題ありません。どうぞ、恥ずかしがらずに、私たちに見せてください。もし可能であれば、正面からの写真だけでなく、横や後ろからの写真もあると、髪型全体のシルエットをより正確に理解することができるため、大変助かります。
頼み方の基本2 「言葉」で伝える
もし、ぴったりな写真が見つからなくても、どうぞご安心ください。言葉でイメージを伝えていただくことでも、十分に理想の髪型に近づくことができます。
なりたいイメージを伝える
「爽やかな感じにしたいです」「少し大人っぽい雰囲気が良いです」「マッシュを基本にしたスタイルが良いです」といったように、具体的な髪型の名前が分からなくても、ご自身がなりたい「雰囲気」や「方向性」を伝えていただくことが、とても重要です。
「なりたくない」イメージを伝える
「横が膨らんで、頭が大きく見えるのは嫌です」や、「重たいきのこのようになってしまうのは避けたいです」といったように、ご自身が「こうはなりたくない」というイメージを伝えていただくことも、実は、失敗を防ぐ上で非常に有効な方法です。
頼み方の基本3 「悩み」と「ルール」を伝える
あなただけの、本当に似合う最適なスタイルに仕上げるために、私たち理容師がぜひ知っておきたい情報があります。それは、お客様ご自身の髪に関するお悩みと、守らなければならないルールです。
髪質や骨格の悩みを正直に話す
「自分はくせ毛で、髪がうまくまとまりません」や、「頭のハチが張っているのが気になります」といったように、ご自身の髪や骨格に関するお悩みを正直にお話しいただくことで、私たちプロは、そのお悩みをカットの技術で自然にカバーする、最適なスタイルをご提案することができます。
校則や生活習慣を伝える
「学校でツーブロックは禁止されています」や、「サッカー部に所属しているので、汗をかいても邪魔にならないようにしてください」など、皆さんが守らなければならないルールや、ご自身の生活習慣を伝えることで、より現実的で、毎日のお手入れがしやすい髪型になります。
究極の頼み方 「おまかせします」
もし、本当に何も思い浮かばない、どうしたら良いか全く分からないという場合は、どうぞご遠慮なく、「僕に似合う、一番格好良い髪型で、おまかせします」と、私たち専門家に委ねてみてください。その際にも、「校則は少し厳しめです」「朝はセットをしません」といった最低限の情報だけお伝えいただければ、その情報と、お客様が持つ個性や雰囲気から、私たちが責任を持って、最高のスタイルを導き出します。
最高の髪型は、丁寧な「対話」から生まれる
理想の髪型は、お客様が一方的に注文するものでも、理容師が一方的に作り上げるものでもなく、お客様の「こうなりたい」という大切なお気持ちと、私たちの「それを最高の形で実現したい」という技術が、丁寧な「対話」を通じて一つになったときに、初めて完成するものです。上手に頼めるだろうかと、どうぞ心配なさらないでください。私たち誠実な理容師は、お客様の言葉にならない思いまでを丁寧に汲み取り、最高のスタイルを「一緒に」見つけ出すことに、何よりも喜びと誇りを持っています。