くせ毛の高校生男子へ 前髪の悩みはカットで魅力に変わる
髪型全体の印象を決め、そしてご自身が毎日鏡を見るたびに、最も目に入ってくる部分。それが「前髪」です。生まれつきの髪のくせによって、その一番大切な前髪が、朝起きると大きくうねってしまったり、意図しないところでぱっくりと分かれてしまったりと、思い通りにならずに、毎日格闘している高校生の男子生徒も多いのではないでしょうか。前髪が一日中気になって、勉強や部活動に集中できない、そんな経験をしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その扱いにくいと感じている前髪のくせこそ、実はカットの仕方をほんの少し工夫するだけで、直毛の人には出せない、柔らかく自然な、あなただけの魅力的な表情を生み出す「最高の個性」になり得るのです。この記事では、くせ毛の前髪という、その難しいお悩みを、専門的なカット技術によって解決し、魅力に変えるための考え方について、詳しくご紹介いたします。
前髪のくせをコントロールするカットの基本
ご自身の前髪のくせを上手にコントロールするためには、まず、そのくせが持つ「特性」を正しく理解することが大切です。
くせの「流れ」と「根元」を見極める
私たちプロの理容師が、お客様の前髪をカットする際に最も重要視しているのは、前髪のくせが本来どちらの方向に流れやすいのか、そして、髪の根元がどちらを向いて生えているのかを、ミリ単位で正確に見極めることです。その髪が持つ自然な流れに逆らわずにカットを施すことで、髪を乾かしたときに、前髪が自然とあるべき場所に収まるようにデザインします。無理に流れを変えようとしないことこそが、毎朝のお手入れを楽にし、自然なまとまりを生む最大の秘訣なのです。
「長さ」と「重さ」の絶妙な調整
また、くせの種類によっては、ほんの少しだけ長さを残し、髪の重みでくせを抑えた方が良い場合もあれば、逆に思い切って短くして、くせそのものが出ないようにした方が良い場合もあります。さらに、髪の内側の量を調整して軽さを出すことで、強いうねりが、柔らかな動きへと変わることもあります。この、お客様一人ひとりの髪質に合わせた、長さと重さの絶妙なバランス調整こそが、プロの理容師の腕の見せ所と言えるでしょう。
くせ毛の前髪を活かすおすすめのスタイル
ここでは、前髪のくせをデザインの一部として取り入れた、高校生にふさわしい爽やかな髪型をご紹介します。
くせを活かす「ナチュラルな流し前髪」
前髪が自然に流れる方向をそのまま活かし、左右非対称(アシンメトリー)のスタイルにする方法です。ご自身の髪のうねりが、まるで計算されたかのようなデザインの一部となり、非常にこなれた、おしゃれで大人びた印象に仕上がります。
思い切って上げる「アップバング」
前髪のくせが特に強く、下ろしておくのが難しい場合には、思い切って短くし、爽やかに立ち上げる「アップバング」も非常に有効なスタイルです。額がすっきりと見えることで、清潔感と自信に満ちた、快活な印象になります。学校の規則にも対応しやすいのが大きな魅力です。
理容室での上手な伝え方
ご自身の前髪に関するお悩みを解決するために、最も重要なのが、私たち理容師にそのお悩みを正確に伝えていただくことです。
普段の状態を見せて、悩みを具体的に話す
もし可能であれば、理容室にお越しの際は、いつものように髪をセットせず、できるだけ自然な状態でお越しください。そして、「朝起きると、いつも前髪がここでぱっくりと分かれてしまいます」や、「湿気が多い日は、この部分が特に強くうねります」といったように、普段のお悩みを具体的に指し示しながらお伝えいただくと、私たちも問題点を正確に把握することができます。
「どうなりたいか」を伝える
その上で、「このくせをできるだけ活かしたいです」あるいは、「できるだけくせが目立たないように、すっきりとさせてほしいです」といったように、ご自身がどちらの方向性を望んでいるかをお伝えいただくと、カットの方針がより明確になります。
前髪が変われば、世界が変わる
第一印象を左右する前髪のお悩みが解消されることは、単に髪型が変わるという以上に、皆さんの毎日の気分を明るくし、自分に自信を与えてくれる、大きな力を持っています。その繊細で重要な前髪のカットは、お客様一人ひとりの髪の流れと生え癖をミリ単位で見極めることができる、プロの理容師にしかできない仕事です。長年のコンプレックスを、最高のチャームポイントに変えるお手伝いを、ぜひ私たちにさせてください。