高校生男子の髪型は「切り方」で変わる 理想のスタイルを作る技術とは
同じ「ショートヘア」や「マッシュスタイル」という名前の髪型を注文したはずなのに、人によって仕上がりの印象が全く違うと感じたことはありませんか。あるいは、ヘアカタログで見た、あの自然でおしゃれな雰囲気が、ご自身の髪ではなかなか再現できないと感じたことはないでしょうか。その違いを生み出している最大の要因こそが、髪を切るハサミの入れ方や、その一本一本へのこだわり、つまり「切り方」の技術なのです。一見すると何気なく切っているように見えるかもしれませんが、私たちプロの理容師は、お客様の「こうなりたい」というイメージを寸分違わず形にするために、ミリ単位で計算された、様々なカットの技術を駆使しています。この記事では、高校生の皆さんがご自身の理想の髪型を手に入れるために、ぜひ知っておいていただきたい、基本的な「切り方」の考え方や、それが髪型にどのように影響するのかについて、詳しくご紹介いたします。
髪型の土台を作る「ベースカット」の考え方
どのような建物にもまず土台となる設計図があるように、髪型作りにも、まず全体の骨格となる形を決める「ベースカット」という工程があります。これは、髪型全体の長さや、丸みのあるシルエット、あるいはシャープなシルエットといった、基本的な形を決定づける、最も重要な部分です。私たち理容師は、この段階で、お客様一人ひとりが持つ頭の骨格や顔の形を丁寧に見極め、例えば後頭部が平ら(絶壁)であればそこに自然な丸みが生まれるように、あるいは顔が面長であればサイドに少しボリュームを残して全体のバランスが良く見えるようにと、骨格そのものを補正するような意識で、髪型の土台をデザインしているのです。
質感と動きを作る「毛量調整」の技術
美しいシルエットの土台ができあがったら、次に、髪に生命感を吹き込むための、質感と動きを作る工程に入ります。これが、すきばさみなどを使って行う「毛量調整」です。ただやみくもに髪の量を減らすのではなく、どこを、どのくらい軽くするかで、髪の動きやまとまりやすさは劇的に変わります。
動きを出すための切り方
髪の表面に長短の差をつける「レイヤーカット」や、毛先を軽くするカットを施すことで、たとえ直毛の方であっても、髪に自然な動きと立体感が生まれます。
まとまりを出すための切り方
逆に、髪が広がりやすいというお悩みを持つ方には、髪の内側を中心に量を減らすことで、髪表面の艶やまとまりは保ちつつ、全体のボリュームを効果的に抑え、ご自宅でもまとまりやすい髪にすることができます。この繊細な毛量調整こそが、朝のセットのしやすさや、ワックスなどを使わなくても決まる「無造作感」といった、 subtle なニュアンスを生み出す秘訣なのです。
理容室での上手な頼み方
ご自身のなりたいイメージを実現するためには、私たち理容師にその思いを伝えていただくことが大切です。もちろん、なりたい髪型の写真を見せていただくのが最も確実ですが、「切り方」を少しだけ意識してご注文いただくと、より理想に近づくことができます。「この写真のように、トップに動きが出るような切り方をしてほしいです」や、「横が膨らみやすいので、内側を軽くして、まとまるような切り方でお願いします」といったように、「どうなりたいか」を、ぜひ私たちにお聞かせください。
理想の髪型は、理想の「切り方」から生まれる
皆さんがヘアカタログなどで目にする、数々のおしゃれで格好良い髪型。そのすべては、それらを形にするための、専門的で緻密な「切り方」の技術によって支えられています。私たち誠実な理容師は、お客様一人ひとりの個性と、「こうなりたい」という大切なお気持ちに真摯に向き合い、それを最高の形で実現するためのカット技術を、日々追求しております。あなただけの理想のスタイルを、最高の「切り方」で作り上げるお手伝いを、ぜひ私たちにさせてください。