60代・面長さんの風格を優しく包む、大人のショートヘア
そのお顔に刻まれた一本一本の皺が、豊かな人生の物語を語る60代。知的で落ち着いた印象を与える「面長」のお顔立ちは、その方が持つ、穏やかで揺るぎない「風格」を、より一層際立たせる、素晴らしい個性です。
しかしその一方で、ショートヘアを選ばれる際に、「ご自身のシャープな輪郭が、かえって厳しく見えてしまわないだろうか」と、ご不安に感じられることもあるかもしれません。ご安心ください。いくつかのポイントを押さえることで、ショートヘアは、60代・面長さんの魅力を、この上なく優しく、そして品格あふれるものへと導いてくれるのです。
60代・面長さんのための、ヘアスタイルの基本思想
円熟期を迎えられた、60代・面長さんのヘアスタイルで最も大切にしたいこと。それは、ヘアスタイル全体で、硬い「直線」ではなく、柔らかな「曲線」を意識することです。トップは高さを強調するのではなく、あくまで頭の形に沿った、自然で丸みのあるシルエットに。そして、最も重要なのが、サイドの部分に、ふっくらとした柔らかなボリュームを持たせることです。この、横方向への優しい広がりが、お顔全体のバランスを理想的に整え、厳しい印象を和らげ、穏やかで優雅な雰囲気を創り出します。
具体策①:品位を損なわない、ごく短い「ベリーショート」
日々の手入れを、この上なく簡単にしたいとお考えの方には、ごく短いベリーショートのスタイルもおすすめです。ただし、それは単に短く刈り込むのではありません。プロの理容師は、お客様の頭の形が最も美しく見えるよう、全体のシルエットが、あくまで柔らかな丸みを帯びるように、ミリ単位で長さを調整しながらカットします。美しい銀髪の質感が際立ち、清潔感と品位を両立できる、非常に洗練された大人のスタイルです。
具体策②:「思いやりパーマ」で、髪に優しさとボリュームを
「髪が細くなり、サイドにボリュームが出にくい」「白髪が硬く、思うように流れない」。そうしたお悩みには、髪への負担を最小限に抑えた、ごく緩い「思いやりパーマ」が、素晴らしい解決策となります。このパーマの目的は、カールを作ることではありません。髪の根元を優しく立ち上げ、サイドにふんわりとしたボリュームを与えること。そして、硬くなった髪に、しなやかな扱いやすさを与えることです。この優しい動きが、お顔の印象を和らげ、理想的なひし形シルエットを創り出す手助けとなります。
美しい銀髪は、最高の「品格」の証
丁寧に手入れされた、輝くような銀髪は、60代の男性だけが持つことのできる、最高の個性であり、品格の証です。柔らかな丸みを帯びたショートヘアは、その美しい素材を、何よりも引き立てます。ヘアスタイルが、ご自身の持つ本来の輝きを邪魔することなく、むしろ優しく包み込み、引き立てる。それこそが、60代のヘアデザインの理想形と言えるでしょう。
人生の先輩に寄り添う、理容師の心構え
60代のお客様の髪を担当させていただく上で、私達が何よりも大切にしているのは、その方の人生への深い敬意と、心からリラックスしていただける、穏やかな時間をご提供することです。お客様お一人おひとりのお悩みやご要望に、丁寧に耳を傾け、その方の毎日が、より快適で、より心豊かなものになるためのお手伝いをさせていただく。それが、私達の何よりの喜びです。どうぞ、安心して、お客様の髪を私達にお任せください。