【失敗しない】「普通の髪型」の上手な頼み方
「特に個性的な髪型にしたいわけではないけれど、清潔感のある、ごく普通の髪型にしてほしい」。そのように考えていらっしゃる男性は、実は非常に多くいらっしゃいます。しかし、この「普通」という言葉は、ご自身のイメージを伝える上で、実は最も難しい言葉の一つかもしれません。なぜなら、人によって思い描く「普通」の姿は、少しずつ違うからです。ここでは、誰もが思い描く「好感度の高い、普通の髪型」を、理容室で失敗なく頼むための秘訣について、詳しくご説明いたします。
「普通」という言葉に込められた想い
皆様が髪型に求める「普通」という言葉には、おそらく、様々な想いが込められていることでしょう。例えばそれは、「奇抜ではないこと」「誰から見ても清潔感があること」「仕事の日にも、お休みの日にも似合うこと」、そして「毎日のお手入れが簡単なこと」といったご希望の表れではないでしょうか。このように、ご自身が何となく考えている「普通」を、少しだけ具体的な言葉にしていただくだけで、私たち理容師は、お客様のイメージをより深く理解することができます。
「普通で」と頼む前に伝えたい、三つのこと
「普通でお願いします」という一言に、いくつかの情報を添えていただくだけで、仕上がりの満足度は大きく変わってまいります。
一つ目は、お客様の普段の生活についてです。「普段はスーツを着る仕事です」あるいは「休日は外で体を動かすことが多いです」といった情報をお聞かせいただくことで、私たちは、お客様の生活習慣に合った、最適な「普通の髪型」をご提案しやすくなります。
二つ目は、普段の髪のお手入れについてです。「朝はあまり髪に時間をかけられません」「整髪料はほとんど使いません」といったお話も、大変重要な情報です。それを基に、ご自身でのお手入れが楽になるような髪型に仕上げさせていただきます。
三つ目は、もしあれば、苦手な髪型についてです。なりたい髪型がはっきりと決まっていなくても、「襟足が首にかかるのはあまり好きではない」といった、ご自身の好みをお伝えいただくことで、仕上がりが「何か違う」と感じてしまうような、大きな失敗を防ぐことができます。
「おまかせします」を上手に使う方法
先ほどお話ししたような、お客様ご自身の情報をいくつかお聞かせいただいた上でなら、「あとは似合うようにおまかせします」という言葉は、非常に有効なご注文の言葉となります。それは、単なる丸投げではなく、お客様という人物を理解した上での、専門家への信頼の言葉となるからです。私たち理容師は、いただいた情報を基に、プロの視点から、お客様に最もお似合いになる「あなただけの普通の髪型」を誠心誠意ご提案いたします。
清潔感の基本は「耳周り」と「襟足」
どのような「普通の髪型」であっても、その清潔感と品格を決定づける上で最も重要な部分は、「耳周り」と「襟足」です。この二つの部分がすっきりと美しく整えられているだけで、全体の印象は驚くほど爽やかになります。もし、ご注文の言葉に迷われた際には、最低限「耳周りと襟足をすっきりとさせてください」とだけお伝えください。それだけでも、きっとご満足いただける仕上がりに近づくはずです。
まとめ
私たちが考える「普通の髪型」とは、決して「どうでもいい髪型」のことではございません。それは、どのような時代や場面においても、誰からも愛される、髪型の「基本」であると考えております。上手な頼み方の秘訣は、ご自身のことを少しだけ、私たち理容師に教えていただくことです。お客様一人ひとりの「普通」に真摯に向き合い、その方の魅力が最も輝く髪型を見つけ出すお手伝いをさせていただくことを、心より願っております。