ヘアジェルの種類と特徴を解説。なりたいスタイルで選ぶポイント
ヘアスタイリング剤の定番であるヘアジェル。一口にジェルと言っても、実はその中には様々な種類が存在し、それぞれに異なる特徴と得意なスタイルがあるのをご存知でしょうか。「お店でどれを選べば良いのか分からない」というお悩みは、この種類の多さに起因しているのかもしれません。今回は、ヘアジェルの主な種類とその特徴を分かりやすく整理し、ご自身に合った一品を見つけるためのヒントをご紹介いたします。
最も基本的な分類「セット力の強さ」
ヘアジェルの種類を分ける上で、最も基本的で分かりやすい基準が「セット力」の強さです。作りたいヘアスタイルに合わせて、適切なセット力のジェルを選ぶことがスタイリングの基本となります。
ハードタイプ/スーパーハードタイプ
一般的にジェルと聞いて多くの方が想像されるのが、このタイプでしょう。髪を強力に固定し、朝作ったスタイルを一日中崩さずにキープする力が非常に強いのが特徴です。ベリーショートの髪を根元からしっかりと立ち上げたり、ツーブロックスタイルでサイドの髪をタイトに抑えたりと、はっきりとしたシルエットを作りたい場合に適しています。
ソフトタイプ
ハードタイプほどの強力な固定力はなく、より自然で柔らかな仕上がりになるのがソフトタイプの特徴です。ガチガチに固めることなく、髪にツヤとまとまりを与えながら、自然な毛流れや束感を表現するのに適しています。決めすぎないナチュラルなスタイルや、パーマの柔らかなウェーブ感を活かしたい場合におすすめです。
印象を左右する「仕上がりの質感」
スタイルの印象を大きく決めるのが、仕上がりの「質感」です。ジェルによって表現できる質感にもいくつかの種類がございます。
ツヤ(ウェット)タイプ
ジェルの最大の魅力とも言える、濡れたような美しいツヤ感を出すタイプです。このウェットな質感は、ヘアスタイルに清潔感や上品さ、あるいは洗練された色気を加えてくれます。ビジネスシーンからフォーマルな場面、休日のきれいめなスタイルまで、幅広く対応できるのが特徴です。
マット(ツヤなし)タイプ
ジェルの中では比較的珍しい存在ですが、ツヤを極力抑えたドライな質感に仕上がるマットタイプもございます。ジェルの持つ高いセット力はそのままに、より自然でラフな、作り込みすぎていない印象のスタイルを作りたい場合に適しています。
近年増加している「ハイブリッドタイプ」
最近では、ジェルの特性と他のスタイリング剤の特性を併せ持った、いわゆるハイブリッドタイプの製品も増えています。
ジェルワックス
ジェルの持つキープ力やツヤ感と、ワックスの特長である動かしやすさや再整髪のしやすさを両立させたタイプです。ジェルほど速く固まらないため、スタイリングに時間をかけたい方や、動きのあるスタイルをある程度のキープ力で楽しみたいという場合に便利です。
ジェルグリース(ジェリー)
ジェルのように固まる性質と、グリースのような非常に強いツヤ感、そして髪へのなじませやすさを併せ持ったタイプです。特にウェットな質感を長時間強く表現したいスタイルと相性が良いのが特徴です。
どの種類のジェルを選べば良いのか
ここまで様々な種類をご紹介してきましたが、ご自身に合ったジェルを選ぶための基本的な考え方は、「ご自身の髪質」と「作りたいヘアスタイル」という二つの軸で絞り込んでいくことです。例えば、「硬い髪質で、ツヤのある七三分けにしたい」のであれば「スーパーハードタイプのツヤ系ジェル」が、「柔らかい髪質で、パーマを活かした自然な動きが欲しい」のであれば「ソフトタイプのジェルワックス」が候補に挙がります。しかし、これらの判断をご自身一人で行い、無数にある製品の中から最適な一品を見つけ出すのは、決して簡単なことではございません。
最適な一品はプロの目で選ぶ
ヘアサロンで取り扱うサロン専売品は、ここでご紹介した種類がさらに細分化されており、より専門性の高い製品が豊富に揃っています。私たちプロのスタイリストは、これら多種多様なジェルの特性を熟知しており、お客様の髪質や骨格、そして理想のスタイルを直接見極めた上で、数ある選択肢の中から「お客様にとって最高の一本」を的確に選び出すことができます。ご自身で選んで失敗を繰り返すよりも、プロに相談することが、理想のスタイリングへの最も確実な近道です。
まとめ
今回は、ヘアジェルの様々な種類とその特徴について解説いたしました。ジェルには、セット力、質感、特性によって多種多様な選択肢があり、それぞれに適したスタイルがございます。これらの違いを理解することは、ご自身のスタイリングの幅を大きく広げる第一歩となります。どの種類が自分に合うのか迷われた時や、新しいヘアスタイルに挑戦してみたい時は、ぜひヘアサロンにて、専門家である私たちにそのお悩みをお聞かせください。