湿気の多い日こそヘアジェルを。髪型が崩れない理由と使い方
雨の日や梅雨の季節など、湿気が多い日は、朝に時間をかけてセットした髪型がすぐに崩れてしまい、一日中気分が晴れないという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。髪が意図せず広がってしまったり、逆にぺたんこになってしまったりと、湿気はヘアスタイルの大敵です。しかし、そんな憂鬱な湿気対策の切り札として、実は「ヘアジェル」が非常に効果的であることはご存知でしょうか。今回は、ジェルが湿気に強い理由と、その効果を最大限に引き出す活用法について詳しく解説いたします。
なぜジェルは湿気に強いのか
ヘアジェルが湿気の多い日のスタイリングに最適な理由は、そのセットの仕組みにございます。ジェルは、髪に塗布された後、水分が蒸発する過程で髪一本一本の表面に固い皮膜を形成します。この強力な皮膜が、髪の毛を外部の湿気から守るバリアのような役割を果たしてくれるのです。空気中の余分な水分が髪の内部に侵入するのを防ぎ、髪が湿気によってうねったり、広がったりするのを根本から抑制します。油分で髪をスタイリングするワックスなども湿気対策にはなりますが、髪の形状そのものを固定するジェルの防御力は、特に湿度の高い環境下でその真価を発揮します。
湿気に負けないジェルのスタイリング手順
湿気が多い日にジェルの効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントを押さえたスタイリングが重要になります。まず、スタイリングを始める前のドライヤーの工程が非常に大切です。髪を一度しっかりと濡らした後、根元から毛先まで完全に乾かしきってください。髪内部の水分量を均一に整え、キューティクルを閉じることで、外からの湿気が入り込む隙をなくすことができます。その後、ジェルを髪の表面だけでなく、広がりやすい内側にも忘れずに、髪全体をコーティングするようなイメージで均一になじませていきます。仕上げに、湿気防止効果のあるハードスプレーを全体に軽く吹きかけると、さらに防御力が高まり、一日中スタイルをキープすることが可能になります。
髪質別・湿気対策のポイント
お悩みの髪質によって、ジェルの使い方を少し変えることで、より効果的な湿気対策ができます。例えば、湿気で髪が広がりやすいくせ毛の方は、セット力の強いハードタイプのジェルを選び、髪の根元近くからしっかりと抑え込むようになじませるのがおすすめです。一方で、髪が細く、湿気でぺたんこになりやすい猫っ毛の方は、根元を立ち上げるように乾かした後、重くなりすぎないソフトタイプのジェルなどを毛先中心に付けて動きを出すと、ボリューム感を損なわずにスタイリングできます。
湿気の日に最適なジェルの選び方
湿気対策を特に重視してジェルを選ぶ場合は、やはりセット力とキープ力が高いハードタイプやスーパーハードタイプの製品が基本となります。製品によっては、湿気から髪を守るための特別なプロテクト成分が配合されているものもございます。サロンで取り扱うプロ仕様のジェルは、こうした雨や汗といった過酷な条件下でもスタイルを維持できるよう、高い性能を追求して開発されているものが多く、市販の製品との違いを実感いただきやすい場面の一つと言えるでしょう。
憂鬱な湿気の季節を快適に過ごすために
ここまでスタイリングの技術や製品選びについて解説してきましたが、最も効果的な湿気対策は、ご自身の髪質に合った「湿気に強いヘアスタイル」を、ベースとして作っておくことです。髪の量を適切に調整したり、くせの出方を計算してカットしたりするだけで、日々のスタイリングのしやすさやスタイルの持ちは格段に向上します。私たちヘアサロンのスタイリストは、お客様の髪質やライフスタイルを考慮し、湿気の多い季節でも快適にお過ごしいただけるようなヘアスタイルのご提案から、最適なスタイリング剤選び、そしてご自宅で実践できるセット方法まで、トータルでサポートさせていただきます。
まとめ
今回は、湿気とヘアジェルの関係性についてご紹介いたしました。ジェルは、その強力なコーティング力で髪を湿気から守り、ヘアスタイルを維持するための非常に頼もしい味方です。正しい使い方とご自身の髪質に合ったジェルを選ぶことで、これまで憂鬱だった雨の日でも、自信を持って一日をお過ごしいただけます。湿気によるスタイリングのお悩みは、どうぞ一人で抱え込まず、私たちプロのスタイリストにお気軽にご相談ください。