ジェルとコームで作るヘアスタイル。綺麗な毛流れを出す使い方
ヘアジェルのスタイリングというと、手ぐしでラフに仕上げるスタイルを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、そこに「コーム(櫛)」を一本加えるだけで、仕上がりの精度は格段に向上し、より洗練されたヘアスタイルを作り出すことが可能になります。特に、清潔感が求められるビジネスシーンや、きちんと感を演出したいフォーマルな場面において、コームを使ったスタイリングは大変有効です。今回は、ジェルとコームを組み合わせたスタイリングの基本と、その効果について詳しく解説いたします。
なぜスタイリングにコームを使うのか
ジェルでのスタイリングにコームを用いることには、手ぐしだけでは得られない、いくつかの明確なメリットがございます。最大のメリットは、均一で美しい毛流れを作り出せる点です。手ぐしでは表現しきれない、一本一本が整然と流れるような髪の動きは、ヘアスタイル全体に統一感と上品な印象を与えます。また、コームで髪の表面を丁寧になでつけることで、光が均一に反射し、ジェル特有のツヤ感を最大限に引き出す効果も期待できます。七三分けやオールバック、近年人気のバーバースタイルといった、クラシカルでフォーマルな髪型を端正に仕上げるためには、コームは欠かせないアイテムと言えるでしょう。
ジェルスタイリングに適したコームの選び方
一口にコームと言っても、その種類は様々です。作りたいヘアスタイルに合わせて、適切なコームを選ぶことが大切になります。例えば、大きな毛束感や、ざっくりとしたラフな毛流れを残したい場合は、櫛の目が粗い「粗目のコーム(メッシュコームなど)」が適しています。一方で、細かい毛までビシッと整え、タイトでクラシカルなスタイルを作りたい場合には、「細か目のコーム」が最適です。まずは粗目のコームで全体の大きな流れを作り、最後に細か目のコームで表面の短い毛を整える、といったように、用途に応じて使い分けるのも、プロが行うテクニックの一つです。
ジェルとコームを使った基本的なスタイリング手順
それでは、実際のスタイリング手順を見ていきましょう。まず、スタイリングの基本として、髪を一度濡らしてからタオルドライした「ハーフウェット」の状態から始めます。次に、適量のジェルを手のひらでよく伸ばし、髪の根元から毛先まで、まずは手を使って全体に均一になじませます。この段階では、大まかな方向付けをする程度で問題ありません。そして、ジェルが固まり始める前に、コームを使ってお好みの方向に髪全体をとかし、毛流れを整えていきます。七三分けなど、分け目をはっきりとさせたい場合は、コームの端を使って綺麗なラインを作りましょう。ここで重要な注意点は、ジェルが完全に固まった後には、決してコームを通さないことです。白い粉が出る原因になったり、髪に物理的な負担をかけてしまったりする可能性があるため、スタイリングは必ずジェルが乾く前に行ってください。
理想のスタイルを叶えるための重要な要素
コームを使った美しいヘアスタイルを完成させるためには、テクニックやツールだけでなく、その土台となる「ベースのヘアカット」が何よりも重要になります。お客様の骨格や髪質、毛流れを計算してカットされていなければ、いくらコームで丁寧にとかしても、理想のシルエットを作ることは難しくなります。また、滑らかに伸びてコームの通りが良い、高品質なジェルを選ぶことも、スタイリングのしやすさや仕上がりの質を大きく左右します。私たちヘアサロンのスタイリストは、お客様が目指すスタイルに合わせて最適なカットを施し、それに適したスタイリング剤やツールの選び方、ご自宅での使い方までをトータルでアドバイスさせていただきます。
まとめ
今回は、ジェルとコームを使ったスタイリング方法についてご紹介いたしました。いつものジェルスタイリングにコームを一本加えるだけで、手ぐしだけでは作ることのできない、整然とした美しい毛流れと上品なツヤ感を手に入れることができます。これにより、作れるヘアスタイルの幅も大きく広がるはずです。よりクラシカルで洗練されたスタイルに挑戦してみたい方や、普段のスタイリングの質をさらに高めたいとお考えの方は、ぜひ一度、ヘアサロンにてお気軽にご相談ください。