ジェルを使う前に髪を濡らすのはなぜ?理由と正しい手順を解説
ヘアジェルを使ったスタイリングが、日によって上手くいく時とそうでない時がある、と感じたことはございませんか。その仕上がりの差は、ジェルを付ける前の「髪の状態」に大きく関係しているかもしれません。特に、スタイリングの前に髪を濡らすという工程は、ジェルの性能を最大限に引き出し、理想のヘアスタイルを作る上で非常に重要なポイントとなります。今回は、なぜジェルを使う前に髪を濡らす必要があるのか、その理由と正しい手順について詳しく解説いたします。
ジェルスタイリングで髪を濡らすことが不可欠な理由
ジェルでのスタイリング前に髪を濡らすという一手間には、美しい仕上がりへと導くための、いくつかの明確な理由がございます。
理由1:寝ぐせをリセットするため
朝起きた直後の髪は、ご自身が思っている以上に、枕との摩擦などによって様々な方向に向きがついてしまっています。この寝ぐせがついたままの状態でスタイリングを始めても、髪が素直に言うことを聞かず、思い通りの毛流れを作るのは困難です。一度、髪の根元からしっかりと濡らすことで、この頑固な寝ぐせがリセットされ、髪が扱いやすいゼロの状態からスタイリングを始めることができます。
理由2:ジェルを均一になじませるため
完全に乾いている髪の毛は、水分やスタイリング剤を弾きやすく、ジェルの伸びも悪くなります。そのため、乾いた髪に直接ジェルを付けてしまうと、一部分にだけ固まって付着してしまい、スタイリングにムラができてしまいます。髪を適度に濡らしておくことで、その水分が潤滑剤のような役割を果たし、ジェルが髪全体へスムーズに行き渡るのを助け、均一で美しい仕上がりを実現します。
理由3:ジェルの性能を最大限に引き出すため
多くのヘアジェルは、主成分である水分が蒸発する過程でセット成分が固まり、スタイルを固定するという性質を持っています。スタイリングを始める段階で髪に適度な水分が含まれていることで、ジェルが髪の内部まで浸透しやすくなり、髪にしっかりと定着します。結果として、ジェル本来が持つセット力やキープ力、そして美しいツヤ感が最大限に引き出されるのです。
乾いた髪に直接ジェルを付けるとどうなるか
もし、髪を濡らさずに乾いた状態のままジェルを使用すると、いくつかの失敗に繋がりやすくなります。前述の通り、ジェルが髪全体に均一に伸びないため、不自然な束ができたり、スタイリングにムラが生じたりします。また、髪の表面でジェルがダマになり、乾いた後に白い粉のようにポロポロと落ちてくる「フレーキング」という現象の原因にもなります。さらに、髪にうまく定着しないため、本来のキープ力が発揮されず、時間が経つとスタイルが崩れやすくなる可能性も高まります。
正しい髪の濡らし方とスタイリング手順
それでは、具体的な手順を見ていきましょう。まず、朝のスタイリング時には、霧吹きなどで表面を濡らすだけでなく、シャワーなどを使い、髪の根元、つまり地肌からしっかりと濡らすことが重要です。次に、びしょ濡れのままではジェルが薄まってしまうため、タオルで髪を優しく挟み込むようにして、根本の水分を中心にしっかりと拭き取ります。水滴がポタポタと落ちてこない、「ハーフウェット」と呼ばれる状態が理想的です。この最適な水分量の髪に、適量のジェルを手のひらでよく伸ばしてから、髪全体に均一になじませてお好みのスタイルに整えてください。
スタイリングをさらに向上させるために
このように、スタイリング前に髪を濡らし、適切な水分量に整えるという基本を守るだけで、ジェルでのヘアセットの質は格段に向上します。そして、その仕上がりは、ベースとなるヘアカットや、お使いになるジェルの品質によって、さらに洗練されたものになります。ご自宅でのスタイリングが簡単になるように計算されたヘアカットや、お客様の髪質に合った高品質なスタイリング剤は、毎日のヘアセットをより快適で楽しいものにしてくれます。ヘアサロンでは、そうしたヘアカットのご提案はもちろん、お客様一人ひとりに最適なスタイ-リング剤選びのアドバイスも行っております。
まとめ
今回は、ジェルを使う前に髪を濡らすことの重要性について解説いたしました。「寝ぐせのリセット」「ジェルの均一な塗布」「性能の最大化」という、この一手間がもたらす効果は絶大です。この基本のステップを毎日の習慣に取り入れていただくことで、ご自宅でのヘアセットが見違えるように上達するのを実感いただけるはずです。スタイリングに関するご不明な点や、より良い仕上がりを目指したいというご要望がございましたら、いつでもお気軽に私たちプロにご相談ください。