ヘルメットを脱いでも大丈夫。ジェルで作る崩れにくいヘアセットと直し方
お仕事での移動や、バイク・自転車での通勤など、私たちの生活においてヘルメットを着用する機会は意外と多いものです。しかし、日常的にヘルメットをかぶる方にとって、ヘアスタイルの維持は非常に悩ましい問題ではないでしょうか。「どうせ潰れてしまうから、朝のヘアセットは諦めている」「ヘルメットを脱いだ後の、ぺたんこになった髪がどうしても気になる」といったお悩みを、多くの方がお持ちのことと存じます。
しかし、ヘアジェルの使い方と、ヘルメットを脱いだ後のほんの少しの手間を知るだけで、その悩みは大幅に軽減することが可能です。この記事では、ヘルメットをかぶる日でもスタイリッシュな印象を保つための、崩れにくいジェルセットのコツと、スマートなヘアスタイルの直し方について詳しく解説いたします。
ヘルメットをかぶる日のジェルセット基本の考え方
まず、ヘルメットをかぶる日のヘアセットにおける基本的な考え方として、目指すべきは「完全に崩れない完璧なキープ」ではなく、「脱いだ後に簡単に元の形に戻せる再現性の高さ」であることを意識することが重要です。ヘルメットによる物理的な圧力を完全に防ぐことは困難です。そこで、ガチガチに固めてしまうのではなく、ジェルを「スタイルの土台を作る形状記憶剤」として捉え、いつでも復活できるようなセットを心がけるのが、現実的で賢い方法と言えるでしょう。
崩れにくさを生む、セット時の重要ポイント
ヘルメットを着用することを前提としたスタイリングでは、ジェルを付ける前の準備が特に重要になります。最も効果的なのは、ドライヤーを使って髪の根元をしっかりと立ち上げておくことです。髪を乾かす際に、指の腹で根元を優しく擦りながら、下から温風を当てることで、髪の根元が力強く立ち上がります。この「根元の立ち上がり」が、ヘルメットの圧力に対するクッションの役割を果たし、髪が完全に寝てしまうのを防いでくれます。
次にジェルを付ける際は、いつもより少なめの量を手に取り、根元部分を避けて、髪の中間から毛先にだけ薄く馴染ませるようにしてください。根元にジェルが付いていると、髪が潰れた際にそのまま固まってしまい、後からの修正が非常に困難になります。トップのボリュームはドライヤーで作り、ジェルはあくまで質感の調整と毛先の動きを出すために使う、という意識を持つと良いでしょう。
ヘルメットを脱いだ後のスマートな直し方
そして、最も重要なのが、ヘルメットを脱いだ後の簡単なリペア術です。まず、ヘルメットを脱いだら、指の腹を使って、潰れてしまった髪の根元を優しくゆするようにほぐし、髪全体に空気を含ませてあげましょう。これだけでも、根元の立ち上がりはある程度復活します。
次に、手のひらに数滴の水を取り、両手に広げてから、髪全体、特に潰れてしまった部分に軽く馴染ませます。多くのジェルは、少しの水分が加わることで再整髪能力が戻る性質を持っています。これが、いわば「スタイルの復活スイッチ」の役割を果たします。髪が少し湿り気を帯びた状態で、朝セットしたスタイルをイメージしながら、手ぐしで全体のシルエットや毛流れを整えてください。事前のドライヤーでの仕込みが効いて、驚くほど簡単にボリューム感が戻るはずです。
ヘルメット着用時のスタイリング剤選び
ヘルメットをかぶる日に使用するジェルは、カチカチに固まりすぎず、ある程度の柔軟性を保ちながらスタイルをキープしてくれるタイプが、再整髪しやすいためお勧めです。また、ヘルメット内部は汗や湿気で蒸れやすいため、一日の終わりにお湯やシャンプーで簡単に洗い流せる製品を選ぶことが、頭皮を清潔に保つ上でも大切になります。
ヘルメットを日常的に使用するからといって、ヘアスタイルを諦める必要は全くありません。「事前の仕込み」と「脱いだ後の簡単なリペア」という二つのステップを実践するだけで、一日を通してスタイリッシュな印象を保つことは十分に可能です。ご自身の髪質やライフスタイルに合わせた、より具体的なスタイリング方法についてお悩みの際は、どうぞお気軽にサロンのスタイリストにご相談ください。