ジェルで髪が「ガチャガチャ」に?ムラなく仕上げるプロのテクニック
ヘアジェルを使ってスタイリングした際に、髪が均一にまとまらず、部分的に固まったり、不自然な束になったりして、全体としてどこか「ガチャガチャ」な印象に仕上がってしまった、というご経験はございませんでしょうか。せっかくのヘアセットが、意図しない乱雑さや、清潔感のない見た目になってしまうのは、非常に残念なことです。
このようなスタイリングの失敗は、多くの場合、技術的な問題ではなく、ジェルの特性と正しい付け方に関する、ほんの少しの知識で未然に防ぐことが可能です。この記事では、ジェルで髪が「ガチャガチャ」になってしまう主な原因を解明し、誰でも簡単に、ムラのない美しいスタイルを実現するための、プロの基本的なテクニックについて詳しく解説いたします。
「ガチャガチャ」になる最大の原因
まず、なぜ髪が「ガチャガチャ」な状態になってしまうのか、その原因を理解することが改善への第一歩です。最も大きな原因として挙げられるのが、スタイリング剤の「付けムラ」です。そして、その付けムラを引き起こす主な要因は、以下の三つに集約されます。
乾いた髪への塗布
一つ目は、乾いた髪に直接ジェルを付けてしまうことです。髪が乾いていると、ジェルは水分を弾いてしまい、髪の表面を滑らかに移動することができません。結果として、最初につけた部分にだけジェルが固まって付着し、他の部分には行き渡らないという、典型的な付けムラの原因となります。
ジェルの量が多すぎること
二つ目は、使用するジェルの量が単純に多すぎることです。適量を超えたジェルは、髪に均一に馴染ませることが物理的に困難になり、重さで髪が潰れたり、ベタついた塊になったりします。これもまた、ガチャガチャな見た目を引き起こす大きな要因です。
手のひらでの伸ばし不足
三つ目は、ジェルを手のひらで十分に伸ばしていないことです。手に取ったジェルを、塊のまま髪に付けてしまうと、当然その部分だけが極端に固まってしまいます。この基本的な準備を怠ることが、多くの失敗を招いています。
均一で美しい仕上がりを実現する基本手順
これらの原因を解消し、プロのような均一で美しい仕上がりを実現するためには、以下の基本的な手順を丁寧に行うことが何よりも大切です。
髪を均一に湿らせる
スタイリングを始める前には、必ず髪を一度濡らし、タオルで優しく水分を拭き取った「半乾き」の状態にしてください。髪全体が均一に湿っていることで、ジェルの伸びが格段に良くなり、付けムラを防ぐための土台ができます。
適量を手に取り、完璧に伸ばす
手に取るジェルの量は、パール一粒大ほどの少量から始めましょう。そして、そのジェルを手のひらだけでなく、指の間まで含めて、両手全体に完全に透明になるまで、時間をかけて伸ばしてください。この「完璧に伸ばす」という工程が、ガチャガチャにならないための最も重要なテクニックです。
髪の内側から、素早く全体に
ジェルが手に均一に伸びたら、髪の表面から撫で付けるのではなく、髪の内側に手を入れるようにして、根元を避けながら中間から毛先に向かって、髪全体に空気を含ませるように素早く馴染ませます。この付け方をすることで、ジェルが髪一本一本に薄くコーティングされ、自然で均一な仕上がりになります。
仕上げの「コーミング」で差をつける
全体にジェルを馴染ませた後、最後に目の粗いコーム(櫛)、あるいはご自身の手ぐしで、髪全体を優しくとかしてみてください。このひと手間を加えることで、万が一できてしまったジェルの塊がほぐされ、毛流れがさらに整い、仕上がりの完成度を大きく高めることができます。
これらの基本的な手順を一つひとつ丁寧に行うだけで、あなたのジェルスタイリングは、「ガチャガチャ」とは無縁の、洗練されたものへと変わるはずです。スタイリング剤の品質も、仕上がりを左右する重要な要素です。もし、より滑らかで扱いやすい製品をお探しの場合は、ぜひお気軽にサロンのスタイリストにご相談ください。