ジェルでセットした髪と帽子。スタイルを諦めないための工夫と直し方
帽子は、日差しを防ぐ実用的な役割だけでなく、ファッションのアクセントとして、男性のおしゃれに欠かせないアイテムの一つです。しかし、日常的に帽子を愛用する方にとって、常に悩みの種となるのが、ヘアスタイルとの共存ではないでしょうか。ヘアジェルで完璧にセットした髪が、帽子をかぶることで、無残にもぺたんこになってしまう。そんな経験から、帽子をかぶる日は、朝のスタイリングを諦めてしまっている方も少なくないかもしれません。
しかし、ご安心ください。いくつかの工夫と、帽子を脱いだ後の簡単な「お直し術」を知るだけで、帽子とヘアスタイル、その両方を諦めることなく、一日を通しておしゃれを楽しむことが十分に可能です。この記事では、ジェルでセットした髪と帽子が、上手に共存するためのプロのテクニックを詳しく解説いたします。
帽子をかぶる前の「仕込み」が重要
まず、帽子によるスタイルの崩れを最小限に抑えるためには、帽子をかぶる前のスタイリング、すなわち「仕込み」の段階で、いくつか意識すべき重要なポイントがあります。
ジェルは完全に乾かす
最も大切なルールは、ジェルを髪に付けた後、それが完全に乾ききるまで、決して帽子をかぶらないということです。ジェルがまだ湿っている、あるいは少しでも粘り気がある状態で帽子をかぶってしまうと、髪が帽子の内側の形で押し固められてしまい、後から修正するのが非常に困難になります。また、帽子自体も汚れてしまいます。ジェルが完全に乾燥し、髪がサラリとした状態になってから、帽子を着用するようにしてください。
付けすぎに注意し、根元は避ける
ジェルの量が多すぎると、髪が重くなり、帽子の圧力でより潰れやすくなってしまいます。いつもより少しだけ量を控えめにすることを意識し、特に髪の根元への付けすぎは避けましょう。根元にべったりとジェルが付いていなければ、たとえトップの髪が少し寝てしまっても、後から根元をほぐすことで、ボリューム感を復活させやすくなります。
帽子の形を考慮したスタイルに
その日にかぶる帽子の形状を考慮して、あらかじめヘアスタイルを創っておくのも、上級者のテクニックです。例えば、キャップのように頭頂部全体を覆う帽子であれば、トップに極端な高さを出すスタイルは避け、サイドをタイトに抑えつつ、前髪や全体の毛流れで個性を出す、といった工夫が有効です。
帽子を脱いだ後の、スマートな「お直し術」
次に、帽子を脱いだ後、短時間でスタイルを復活させるための、スマートな「お直し術」です。
まずは手ぐしで根元をほぐす
帽子を脱いだら、まず最初に、指の腹を使い、潰れてしまった髪の根元部分を、優しくゆするように、あるいは軽くシャンプーするようにほぐしてあげてください。ぺたんこになった髪の根元に空気を含ませ、立ち上がりのきっかけを作ってあげることが、リペアの第一歩です。
少量の水分を手に取る
次に、手のひらを水でごく少量だけ湿らせます。びしょ濡れにする必要はありません。その湿った手のひらで、崩れてしまった部分を中心に、髪の表面を優しく撫でるようにして、水分を馴染ませてください。多くのジェルは、水分が加わることで一時的に柔軟性を取り戻す性質を持っています。
スタイルを「再現」するように整える
髪が少しだけ言うことを聞く状態に戻ったら、朝セットしたスタイルをイメージしながら、手ぐしで全体のシルエットや毛流れを整え直します。ドライヤーで根元を立ち上げておくといった、事前の「仕込み」が効いていれば、この段階で驚くほど簡単に、元のスタイルに近い状態へと復活させることが可能です。
帽子をかぶるからといって、スタイリングを諦める必要はありません。少しの工夫と知識があれば、どんな場面でも、自信を持って帽子を脱ぐことができるはずです。あなたのライフスタイルに合わせた、より具体的なスタイリングのご相談も、ぜひお気軽にサロンのスタイリストにお申し付けください。