スタイリングの質を上げる「ベース」とは?おすすめの考え方とジェルの活用法
メンズのヘアスタイリングについて調べていると、「ベース剤」や「スタイリングベース」といった言葉を目にすることがあるかと存じます。そして、「ジェルを使う前に、何かおすすめのベースを使った方が良いのだろうか?」と、疑問に思われている方もいらっしゃるかもしれません。
結論から申し上げますと、この「ベース」という考え方を取り入れることは、あなたのヘアセットの質を、プロのレベルへと格段に引き上げるための、非常に重要な秘訣となります。
この記事では、単におすすめの製品を紹介するのではなく、そもそもスタイリングにおける「ベース」とは何なのか、その本質的な意味と、ジェルを活かすための正しい考え方や活用法について詳しく解説いたします。
スタイリングにおける「ベース」の本当の意味
まず、プロが考えるスタイリングの「ベース」とは、単に「仕上げのスタイリング剤の前に使う、特定の製品」のことだけを指すのではありません。本当の意味での「ベース」とは、仕上げ剤であるジェルなどを付ける直前の、「ヘアスタイルが最も美しく決まるための、完璧な土台が整った状態の髪」そのものを指します。
そして、その完璧な土台は、主に二つの要素から成り立っています。一つは、寝癖などをリセットし、清潔で、適度に水分を含んだ髪自体のコンディション。そして、もう一つが、この後ご紹介するスタイリングの質を決定づける、最も重要な工程によって創られます。
最も重要な「ベース」はドライヤーで創られる
スタイリングにおける最も重要で、最もおすすめしたい「ベース」とは、ドライヤーを使って創り上げる、髪の「骨格」のことです。髪の根元の立ち上がりによるボリューム感や、全体の毛流れ、そしておおよそのシルエット。これらの、ヘアスタイルの良し悪しを根本から決定づける要素は、ジェルを付ける前の、ドライヤーをかけている段階で、その約8割が決定されます。このドライヤーによって創られた土台こそが、最強の「スタイリングベース」なのです。
「ベース剤」をおすすめする目的とその役割
では、「ベース剤」と呼ばれる製品は、どのような役割を果たすのでしょうか。それは、ドライヤーで土台を創る際の、作業効率と完成度をさらに高めるための、いわば「補助剤」です。
例えば、髪にハリを与えてボリュームを出しやすくするタイプ、熱から髪を守るヒートプロテクト効果を持つタイプ、あるいは、髪の滑りを良くして、手ぐしやブラシの操作性を向上させるタイプなどがあります。これらをジェルを付ける前の、髪が濡れている段階で髪に馴染ませてからドライヤーをかけることで、より質の高い「ベース」を、より簡単に創り上げることができるのです。
ジェルを活かすためのベース作りとスタイリングの順番
プロが実践する、ベース作りを含めた正しいスタイリングの順番は、以下のようになります。まず、髪を濡らしてリセットし、タオルドライで水分を整えます。次に、必要であれば、目的に合わせたベース剤を髪に馴染ませます。そして、ドライヤーを使い、スタイルの土台となる骨格を完璧に創り上げます。
この完璧な「ベース」が完成して初めて、最後の仕上げ剤である「ジェル」の出番です。創り上げたシルエットを維持し、ツヤと束感を加えるために、ジェルを塗布してスタイルを完成させます。この順番を守ることが、ジェル本来の性能を最大限に引き出すことに繋がります。
ジェルそのものを「ベース」として使う考え方
応用編として、柔らかめのジェルそのものを「ベース剤」として使う、という上級テクニックも存在します。髪が濡れている段階でソフトジェルを薄く馴染ませてからドライヤーで乾かすと、髪に自然なまとまりとツヤが生まれ、その後のスタイリングがしやすくなります。
「ベース」という考え方を取り入れるだけで、日々のスタイリングは、ただ形を創るだけの作業から、より緻密で、より創造的なものへと変わります。ご自身の髪質やスタイルに最適なベース創りの方法や、製品選びについてお知りになりたい場合は、ぜひお気軽にサロンのスタイリストにご相談ください。