メンズヘアセットで「ピン」を使いこなす方法|隠し方からプロの技まで
ヘアセットで前髪やサイドの髪がうまくまとまらない時、「ここにピンがあれば…」と思ったことはありませんか?ヘアピンは女性だけのアイテムではありません。正しく使えば、メンズヘアセットのクオリティを格段に引き上げ、スタイルの幅を広げてくれる強力な武器になるのです。
この記事では、初心者でも分かるピンの基本的な使い方から、見えないように隠すテクニック、そして根本的な悩みの解決策までを詳しく解説します。
なぜメンズヘアセットにピンが有効なのか?
なんとなく抵抗がある方もいるかもしれませんが、プロの現場でもピンは多用されています。そのメリットを知れば、あなたもきっと使いたくなるはずです。
スタイルの幅とキープ力を向上させる
- 崩れ防止
結婚式などの長時間スタイルをキープしたい場面で、ワックスやスプレーだけでは不安な部分を物理的にしっかりと固定できます。風が強い日などにも絶大な効果を発揮します。 - デザインの補助
センターパートの根元の立ち上げをキープしたり、マッシュの毛束を理想の位置で固定したりと、スタイリング剤だけでは難しい繊細なニュアンス作りをサポートします。 - 伸ばしかけの髪の処理
目標の長さに達するまでの中途半端な長さで、目にかかって邪魔になる前髪や、まとまりの悪いサイドの髪を、スタイルの邪魔にならないように一時的に留めておくことができます。
メンズが使うべきピンの種類と基本的な使い方
メンズヘアセットでは、主に以下の2種類のピンを使いこなせると便利です。
覚えておきたい2種類のピン
- アメリカピン(アメピン)
最も一般的で、どんな髪質や長さでもしっかりと留めることができる万能なピンです。選ぶ際は、髪色に近い黒や茶色のもの、そして表面にツヤがないマットなタイプを選ぶと、より目立ちにくくなります。短い方を上に、波打っている方を頭皮側にして挿すと、抜けにくいという基本テクニックも覚えておきましょう。 - Uピン(オニピン)
U字の形をしており、アメピンほど固定力は強くありませんが、まとめた毛束をふんわりと固定するのに適しています。パーマヘアのボリュームを部分的に抑えたり、お団子ヘアのアレンジに使ったりします。
「見せない」が鉄則!ピンの隠し方
メンズヘアセットでピンを使う場合、いかに見えないように隠すかが最も重要です。
- 髪の内側に挿す
これが基本中の基本です。留めたい部分の表面の髪を指でそっと持ち上げ、その一層下にある内側の髪をすくってピンを挿します。そして、持ち上げた表面の髪を上から被せれば、ピンは完全に見えなくなります。 - 根元を狙う
毛束の根元、つまり頭皮に近い部分に、毛流れに沿うように、あるいはあえて逆らうように挿し込むことで、表から見えにくく、かつ強力な固定力を得ることができます。
「ピンに頼らない」ための根本的な解決策
ピンは非常に便利な道具ですが、「できればピンなんて使わずにスタイルが決まるのが理想だ」と思いませんか?実は、プロの技術はその理想を叶えるためにあります。
なぜ、ピンを使いたくなるのか?
そもそも「前髪が落ちてきて邪魔になる」「サイドが膨らんでしまう」といった、ピンを使いたくなる悩みの根本原因は、髪の長さや重さのバランス、そして生え癖にあります。ピンはあくまで対症療法であり、悩みの原因そのものを解決するものではありません。
プロのカットは「ピンが不要」な状態を作る
- 毛流れの計算
プロの理容師は、お客様一人ひとりの髪が、何もしなくても自然に流れたい方向を見極め、それに沿ってカットします。これにより、ピンで無理に留めなくても、前髪やサイドの髪が理想の位置に自然と収まりやすくなります。 - 質感と毛量の調整
髪が重くて前に落ちてきてしまうなら、内側の毛量を調整して軽さを出し、動きやすいようにします。サイドが膨らむなら、骨格に合わせて収まりが良くなるように量を減らします。この精密な調整が、日々のスタイリングのしやすさを決定づけるのです。
パーマという、より積極的な選択肢
- ダウンパーマ
サイドの髪が浮いてしまってピンで抑えている、という悩みには、根元から髪を抑えつけるダウンパーマが劇的な効果を発揮します。毎朝ピンで留める手間から、完全に解放されます。 - 毛流れを作るパーマ
頑固な直毛で前髪がどうしても流れない、という場合には、ごく緩いパーアをかけるだけで、まるで元々クセであったかのような自然な毛流れを作ることができます。
まとめ
ヘアピンは、メンズヘアセットの可能性を広げ、スタイリングの悩みを解決してくれる便利な道具です。正しい使い方をマスターすれば、あなたのスタイリングはもっと自由で、もっと楽しくなるでしょう。
しかし、もしあなたが「そもそもピンを使わなくても決まる、扱いやすい髪」を理想とするなら、その答えはカットやパーマといったプロの技術にあります。ぜひ一度、メンズヘアの専門家である理容師にご相談ください。あなたの髪の悩みを根本から解決し、日々のスタイリングを楽にする最高のヘアスタイルを提案します。