メンズヘアセットは「オイル」で変わる。究極のナチュラルと艶を操る方法
メンズのヘアセットといえば、ワックスやジェルでしっかりと固めるスタイルが王道でした。
しかし、時代は移り変わり、今、おしゃれな男性たちがこぞって手に取っているのが、より自然で、髪をケアしながらスタイリングできる「ヘアオイル」です。
頑張りすぎていないのに、なぜか清潔感とほのかな色気がある。
そんな、誰もが憧れる理想のスタイルを叶える、ヘアオイルの正しい使い方と、その魅力を最大限に引き出す秘訣を、私たちプロの視点から詳しく解説します。
なぜ今、メンズヘアセットに「オイル」なのか?
ヘアオイルが、ワックスやジェルと並ぶ、メンズスタイリングの新定番となりつつあるのには、明確な理由があります。
- 究極のナチュラル感を演出
ヘアオイルの最大の魅力は、スタイリング剤特有の「つけている感」がほとんどないことです。
まるで素髪そのものが美しいかのような、ごく自然な仕上がりを実現します。
作り込みすぎない、「こなれ感」を演出したい方に最適です。 - 品のある、自然な艶とまとまり
パサついて広がりがちな髪も、ヘアオイルを使えば、潤いのある、上品な艶髪へと生まれ変わります。
髪一本一本がまとまることで、スタイル全体に、清潔感と品格が生まれるのです。 - ヘアケアとスタイリングの両立
ヘアオイルの多くは、植物由来の保湿成分などを含んでおり、髪に潤いを与えるヘアケア効果を兼ね備えています。
スタイリングをしながら、同時に、乾燥やドライヤーの熱といった日々のダメージから髪を守ることができるのです。 - パーマやクセを、美しく活かす
ワックスやジェルのように固めることなく、パーマによる柔らかなウェーブや、生まれつきのクセ毛の動きを、美しい束感として活かすことができます。
髪本来の質感を、最大限に魅力的に見せてくれるスタイリング剤です。
なりたい質感で選ぶ。メンズ向けヘアオイルの種類
ヘアオイルと一口に言っても、そのテクスチャー(質感)は様々です。
自分の髪質や、なりたいスタイルに合わせて選びましょう。
- 軽めのテクスチャー(サラッと系)
オイル特有のベタつきが少なく、サラッとした軽い付け心地が特徴です。
髪が細い方、柔らかい髪質(軟毛)の方や、ボリュームを潰したくない方、ごく自然な艶だけをプラスしたい方におすすめです。 - 重めのテクスチャー(しっとり系)
とろみがあり、しっとりとした重めの質感が特徴です。
髪が太い方、硬い髪質の方、そして乾燥やダメージで広がりやすい髪を、まとまりやすくしてくれます。
また、流行りのウェットヘアのような、濡れた質感を表現したい場合にも最適です。
プロが教える。ヘアオイルセットの基本と応用
ヘアオイルの効果を最大限に引き出す、正しい使い方をマスターしましょう。
基本の使い方(ドライ後の仕上げ)
最もオーソドックスで、誰でも簡単にできる使い方です。
- ドライヤーで、まず髪を完全に乾かします。
この時、すでにある程度、理想のヘアスタイルの形(毛流れなど)を作っておくのがポイントです。 - オイルを、1円玉大ほど手に取ります。
足りなければ後から足せるので、まずは少量から試しましょう。
それを、手のひら、そして指の間まで、均一にしっかりと伸ばします。 - 髪の内側から、毛先中心に馴染ませます。
根元や頭皮に近い部分から付けると、ベタつきや、髪が潰れる原因になります。
手ぐしを通すように、髪の内側から、そしてダメージが気になる毛先を中心に、優しく馴染ませていきましょう。 - 手に残ったオイルで、表面と前髪を整えます。
最後に、手のひらに残った、ごく少量のオイルを使い、髪の表面を撫でるようにして艶を出し、前髪や顔周りの毛束を整えて、完成です。
応用編:ワックスとの混ぜ使い
いつものワックスのセット力は欲しいけれど、パサつきが気になる。
そんな時は、ワックスとオイルを混ぜて使う裏技がおすすめです。
手のひらの上で、ワックスとオイルを数滴混ぜ合わせてから使うことで、ワックスのセット力はそのままに、オイルの持つ艶と、髪への馴染みやすさをプラスすることができます。
なぜ、オイルが映える髪は「カット」で創られるのか
同じヘアオイルを使っても、仕上がりに差が出るのはなぜでしょうか。
その答えは、全ての土台となる「カット」のクオリティにあります。
- ごまかしの効かないスタイルだからこそ、カットが命
ヘアオイルで仕上げるスタイルは、ワックスのように無理やり形を作るのではなく、髪本来の動きや流れを活かすのが基本です。
つまり、ヘアスタイルそのものの美しさ、カットラインの正確さが、ダイレクトに現れます。
ごまかしが効かないからこそ、ベースとなるカットの技術力が何よりも重要になるのです。 - 質感調整という、見えないプロの技
私たちプロの理容師は、お客様がオイルをつけた時に、髪が重くなりすぎずに、軽やかで美しい束感が生まれるように、レザー(カミソリ)やセニングシザー(すきバサミ)を使い、毛先の厚みや、髪の内側の量を、見えない部分で緻密に調整しています。
この「質感カット」こそが、プロの仕上がりとセルフセットの決定的な違いを生み出すのです。 - あなたの髪質を活かす、最適な提案
お客様一人ひとりの髪質を正確に見極め、「あなたの髪質なら、オイルだけで十分にまとまりますよ」「ここに、ごく緩いパーマをかけると、オイルをつけた時の動きが格段に良くなります」といった、あなたの魅力を最大限に引き出すための、最適なスタイルを提案します。
まとめ
ヘアオイルは、メンズのヘアセットに、自然な艶と、頑張りすぎていない「こなれ感」を与えてくれる、非常に優れたスタイリングアイテムです。
しかし、そのオイルの魅力を120%引き出すのは、オイルが最も美しく見えるように、ミリ単位で計算され尽くした、プロの「ベースカット」に他なりません。
最高の素材(あなたの髪)を、最高のカットで整え、最高のオイルで仕上げる。
その、シンプルでありながら、この上なく贅沢な体験をしてみませんか。
あなたの髪質を活かす、最高のナチュラルスタイルを、私たちが責任を持って提案します。