【メンズヘアセット】オイルとバームの違いとは?究極のナチュラルを創る正しい選び方と使い方
メンズのヘアセットにおいて、「頑張りすぎていないのに、なぜかおしゃれで、清潔感がある」。
そんな、誰もが憧れる理想のスタイルを叶えるための鍵として、今、注目を集めているのが「ヘアオイル」と「ヘアバーム」です。
ワックスやジェルのように固めるのではなく、髪本来の質感を活かしながら、自然な艶とまとまりを与えるこれらのナチュラル系スタイリング剤。
似ているようで全く違う、この二つのアイテムの特性を正しく理解し、使いこなすことで、あなたのヘアセットは、間違いなく新たなステージへと進化します。
今回は、その違いから、プロが実践する使い分けまでを徹底的に解説します。
似ているようで全く違う。「オイル」と「バーム」の徹底比較
まずは、この二つのスタイリング剤の、基本的な違いを明確に理解しておきましょう。
テクスチャー(製品の質感)
- ヘアオイル
その名の通り、液体状の「油」です。
サラサラとした軽い付け心地のものから、とろみのある重いものまで、その種類は様々です。 - ヘアバーム
常温では固形(あるいは半固形)のものです。
手のひらに取って、体温で温めることで、じんわりと溶けてオイル状に変化します。
主な効果と仕上がりの違い
- ヘアオイル
主な効果は「艶出し」と「保湿」、そして髪の指通りを良くすることです。
仕上がりは「サラッ」として、自然で上品な艶が出ます。
スタイリング剤としてのセット力は、ほとんどありません。 - ヘアバーム
オイルと同様の「艶出し」「保湿」効果に加え、適度な「セット力」と「まとまり」を与える効果があります。
仕上がりは「しっとり」として、髪の広がりを抑え、自然な束感を創り出します。
主な成分の違い
どちらも、ホホバオイルやアルガンオイルといった、植物性の天然オイルを主成分としている点では共通しています。
しかし、ヘアバームには、それに加えて、ミツロウやシアバターといった、常温で固まる性質を持つ成分(油性成分)が含まれているのが大きな違いです。
この固形成分が、バーム特有のセット力とまとまりを生み出しているのです。
あなたはどっち?髪質とスタイルで選ぶ、オイルとバームの選び方
どちらのアイテムが自分に適しているかは、あなたの髪質と、なりたいヘアスタイルによって決まります。
- 「ヘアオイル」がおすすめな人
- 髪質
髪が細い、柔らかい(猫っ毛・軟毛)方で、スタイリング剤の重さでトップが潰れてしまうのが嫌な人。 - スタイル
サラサラの質感を活かしたセンターパートやマッシュスタイルなど、自然な毛流れと艶だけをシンプルに求める人。 - 目的
とにかくナチュラルに見せたい、髪のパサつきを抑えて、手入れの行き届いた印象を与えたい。
- 髪質
- 「ヘアバーム」がおすすめな人
- 髪質
髪が太い、硬い、あるいは乾燥やダメージで広がりやすい髪を、しっとりとまとめたい人。 - スタイル
パーマのウェーブ感を、固めずに程よくキープしたい人や、ごく自然な束感とまとまりのあるスタイルを創りたい人。 - 目的
スタイリングと、高いレベルでのヘアケア(保湿)を両立させたい、ワックスほどではない、ごく適度なセット力が欲しい。
- 髪質
プロが教える。オイルとバームの正しい使い方
どちらのアイテムを使うにしても、守るべき共通のルールと、それぞれの特性を活かすためのコツがあります。
- 共通のゴールデンルール
- 付けすぎは絶対に禁物。
まずは少量(米粒〜小豆一粒大)から試し、足りなければ足す、という意識が重要です。 - 根元を避け、中間から毛先を中心に。
根元や頭皮に近い部分から付けると、ベタつきや、不潔な印象の原因になります。 - 手のひらで、完璧に伸ばしてから付ける。
オイルは指の間まで、バームは完全に溶けて透明になるまで、手のひらでしっかりと伸ばしてから付けましょう。
- 付けすぎは絶対に禁物。
- 応用編
ワックスや他の製品との「混ぜ使い」
「もう少しだけセット力が欲しい」と感じた時は、いつものワックスに、オイルやバームを少量混ぜて使うのも、プロが実践する上級テクニックです。
ワックスのセット力に、オイルの艶や、バームのまとまり感をプラスすることができます。
なぜ、ナチュラルスタイルこそ「プロのカット」が重要なのか
「オイルやバームで仕上げるなら、カットは誰がやっても同じでは?」
そう思うかもしれませんが、実はその逆です。
- 「素髪」が問われるからこそ、一切のごまかしが効かない
オイルやバームで仕上げるナチュラルなスタイルは、ワックスのように、スタイリング剤の力で無理やり形を作るのではありません。
髪そのものの動きや、ヘアスタイルが持つシルエットを、最大限に活かすのが基本です。
だからこそ、ベースとなるカットのラインの美しさ、毛量調整の的確さといった、カット技術の根本的な良し悪しが、何よりも重要になるのです。 - 質感を最大限に活かす、見えないカット技術
私たちプロの理容師は、お客様がオイルやバームで仕上げることを想定し、艶が出やすいように、そして、重くならずに美しい束感が自然に生まれるように、レザー(カミソリ)やセニングシザー(すきバサミ)を駆使して、「質感」そのものを、カットの段階で創り上げています。 - あなたに最適な「ナチュラル」を、責任を持って提案
お客様一人ひとりの髪質、骨格、そしてライフスタイルを総合的に判断し、「あなたの髪質なら、オイルだけで十分にまとまりますよ」「ここに、ごく緩いパーマを組み合わせると、バームをつけた時の動きが格段に良くなります」といった、あなただけの、最高のナチュラルスタイルを提案します。
まとめ
ヘアオイルとヘアバームは、現代のメンズヘアセットにおいて、自然体で、頑張りすぎていない「こなれ感」を演出するための、非常に優れた選択肢です。
どちらを選ぶべきか、そして、どう使うべきかを正しく理解することで、あなたのスタイリングは、もっと自由に、そしてもっと楽しくなるでしょう。
しかし、そのオイルやバームの魅力を120%引き出すのは、それらが最も美しく見えるように、ミリ単位で計算され尽くした、プロの「ベースカット」に他なりません。
最高の素材(あなたの髪)を、最高のカットで整え、最高のスタイリング剤で仕上げる。
その、シンプルでありながら、この上なく贅沢な体験をしてみませんか。
あなたの髪質を活かす、最高のナチュラルスタイルを、私たちが責任を持って提案します。