ヘアカラーの色素をしっかり「定着」させる、色持ちを良くする鍵とは
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お気に入りのヘアカラーに染めた後、「この美しい色がいつまで続くのだろう」と考えたことはありませんか。ヘアカラーの色持ちの良し悪しは、染料が髪の内部にどれだけしっかりと「定着」するかにかかっています。せっかくの髪色をすぐに失ってしまわないためにも、色素が定着する仕組みを理解し、その定着力を高めるためのポイントを知っておくことが大切です。この記事では、美しい髪色を長く楽しむために欠かせない、ヘアカラーの定着の仕組みと秘訣について、専門家の視点から詳しく解説します。
Contents
ヘアカラーの色素が「定着」する仕組み
まず、ヘアカラーの染料がどのようにして髪の内部に留まるのか、その基本的なプロセスを見ていきましょう。
髪の内部で起こる化学反応
- ステップ1
キューティクルを開く
ヘアカラーの1剤に含まれるアルカリ剤が、髪の表面を覆ううろこ状の組織「キューティクル」を開き、染料が髪の内部に浸透するための道を作ります。 - ステップ2
内部での発色と巨大化
髪の内部に侵入した染料の元(非常に小さな粒子)が、2剤に含まれる酸化剤と化学反応を起こします。これにより、粒子が発色すると同時に、元の何倍もの大きさに膨らみます。 - ステップ3
色素の定着
大きく膨らんだ色素の粒子は、キューティクルの隙間から出ることができなくなり、髪の内部に閉じ込められます。これが、色が髪に「定着」した状態です。 - ステップ4
キューティクルを閉じる
最後に、酸性のトリートメントなどを使って髪を本来の弱酸性の状態に戻し、開いていたキューティクルをしっかりと閉じることで、定着した色素を完全に髪の内部に閉じ込めます。
色素が完全に定着するまでの「ゴールデンタイム」
サロンでカラーをした直後から、色素が完全に安定するまでの期間は、色持ちを左右する非常に重要な「ゴールデンタイム」です。
施術後24時間から48時間が重要
- 髪がデリケートな期間
染めた直後の髪は、まだキューティクルが完全に閉じきっておらず、髪の内部の状態も不安定です。この期間は、色素が最も流出しやすい、非常にデリケートな時間帯と言えます。 - 当日のシャンプーは避けるべき
このゴールデンタイムに洗浄力の強いシャンプーで髪を洗ってしまうと、まだ定着しきっていない色素が、開いたキューティクルの隙間から大量に流れ出てしまいます。これが、色落ちを早める最大の原因の一つです。施術当日は、シャンプーを控えるのが理想です。 - 空気酸化による色の安定
この期間は、髪が空気中の酸素に触れることで、内部の色素の酸化がさらに進み、色がより深く、安定していくための大切な時間でもあります。
色の定着を妨げる、やってはいけないNG習慣
日常生活の中に潜む、何気ない習慣が、せっかく定着させた色素を髪から追い出してしまっているかもしれません。
定着力を弱める行動
- 洗浄力の強いシャンプーでの洗髪
市販のシャンプーに多く見られる、洗浄力が強いタイプ(高級アルコール系)のものは、キューティクルを無理にこじ開け、色素を洗い流してしまいがちです。 - 熱いお湯での洗髪
40度を超えるような熱いお湯は、キューティクルを開かせる大きな原因となります。シャワーの温度は、少しぬるいと感じる38度程度が理想です。 - 髪が濡れたままの自然乾燥
髪が濡れている間、キューティクルは開きっぱなしの状態です。この時間が長ければ長いほど、色素が流出しやすくなります。お風呂上がりは、できるだけ早く髪を乾かすことが重要です。 - 深刻な髪のダメージ
そもそも髪がひどく傷んでいると、色素を内部に留めておくための体力自体がありません。キューティクルが剥がれ、内部がスカスカの状態では、いくら色を入れてもすぐに抜け落ちてしまいます。
「定着力」を高める、プロフェッショナルの技術
色の定着力を左右する最も重要な要素は、日々のケアもさることながら、実はカラーリングの施術そのもののクオリティにあります。
プロの施術が違う理由
- ダメージを最小限に抑える施術
プロの理容師は、色素が定着しやすい健康な髪の状態をできるだけ維持するため、お客様の髪質に合わせてダメージを最小限に抑える薬剤選定と、的確な塗布技術で施術を行います。 - 完璧な化学反応のコントロール
髪質やその日の気温、湿度までを考慮し、薬剤の反応時間を的確に見極めます。これにより、色素が髪の内部で最大限に発色し、しっかりと定着するよう化学反応をコントロールします。 - 徹底した「後処理」
カラーを洗い流した後に、髪の内部に残留した不要なアルカリ成分を除去し、専用のトリートメントでキューティクルを確実に引き締める「後処理」を行います。この一手間が、色の定着力を格段に高め、美しい色持ちに繋がります。
まとめ
ヘアカラーの「定着」は、施術直後の数日間の過ごし方だけでなく、染める瞬間のプロの技術によって、その大部分が決定づけられます。美しい色を髪にしっかりと定着させ、一日でも長く楽しむためには、髪の仕組みを熟知したプロの理容師に施術を任せることが、最も確実で賢明な選択と言えるでしょう。色持ちにお悩みの方は、ぜひ一度、信頼できる専門家にご相談ください。
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