ヘアカラーは濡れた髪でも大丈夫?知っておきたい基本ルールと注意点
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「お風呂上がりのシャンプー後、濡れた髪にそのままカラー剤を塗った方が、薬剤が伸びやすくて楽なのでは?」ヘアカラーを自分で行う際に、ふとそんな風に考えたことはありませんか。しかし、その少しの手間を惜しんだ自己判断が、実はヘアカラーを失敗させてしまう大きな原因になる可能性があります。この記事では、ヘアカラーと髪の水分量の関係について、知っておくべき基本的なルールと、プロが実践する専門技術との違いを詳しく解説していきます。
Contents
基本ルール:ヘアカラーは「乾いた髪」が大前提
市販のヘアカラー剤の説明書に「必ず乾いた髪に使用してください」と書かれているのには、明確な理由があります。セルフカラーを成功させるためには、この基本ルールを守ることが何よりも重要です。
乾いた髪に塗るべき理由
- 薬剤が薄まり、染まりが悪くなる
髪に水分が残っていると、その水分でカラー剤が薄まってしまいます。薬剤が薄まると、髪の色素を脱色したり、新しい色を発色させたりする力が弱まり、結果として思った通りの明るさや色味にならない原因となります。 - 深刻な染めムラの原因になる
髪の水分量が、根元と毛先、表面と内側で均一であることはまずありません。この水分のムラが、そのまま染まり方のムラに直結します。特に、乾きやすい毛先と、水分が残りやすい根元とで、色がまだらになってしまう失敗が非常に多く見られます。 - 頭皮への刺激が強まるリスク
髪が濡れている時、頭皮も水分でふやけて、普段よりデリケートで無防備な状態になっています。その状態で薬剤が付着すると、刺激を強く感じたり、薬剤が浸透しやすくなることで、かぶれなどの頭皮トラブルを引き起こすリスクが高まります。
なぜ「濡れた髪の方が良い」という情報があるのか
インターネットなどで、「濡れた髪の方が塗りやすい」といった情報を見かけることがあるかもしれません。しかし、これには注意が必要です。
情報の背景
- 一部の特殊な製品
泡タイプのカラー剤や、髪の表面をコーティングするタイプのカラートリートメントなど、製品によっては濡れた髪に使用することを推奨している場合があります。しかし、これらは一般的なアルカリ性のヘアカラー剤とは仕組みが異なる特殊なケースです。ご自身が使う製品の説明書を必ず確認しましょう。 - 「塗りやすさ」と「仕上がり」は別問題
確かに、髪が濡れていると薬剤は伸びやすくなるかもしれません。しかし、それは薬剤が水分で薄まっている証拠であり、仕上がりの美しさや発色の良さを犠牲にしているということを理解しておく必要があります。
プロが実践する「ウェット塗布」との決定的な違い
実は、プロの理容師が、あえて髪が濡れた状態でカラー剤を塗布する「ウェット塗布」という特殊な技術を用いることがあります。しかし、これはセルフカラーとは目的も方法も全く異なります。
プロの専門技術
- 明確な目的を持った高度な技術
プロがウェット塗布を行うのは、すでに明るくなっている毛先へのダメージを最小限に抑えながら色味だけを補充したい場合や、カラーの色味を微調整したい場合など、明確な目的がある時に限られます。 - 計算された水分コントロール
プロは、ただ髪を濡らすのではなく、どの部分に、どのくらいの水分を意図的に残すかを緻密に計算しています。この水分量をコントロールすることで、薬剤の反応を穏やかにし、狙い通りの繊細な色表現を可能にしているのです。 - セルフでは絶対に真似できない
この技術は、髪質やダメージレベルを正確に診断し、薬剤の化学反応を熟知したプロだからこそ可能な領域です。知識のないまま真似をすると、ほぼ間違いなく失敗に繋がります。
カラー後、「濡れた髪」でいることのリスク
ヘアカラーをした「後」に、髪が濡れたままでいることも、髪色や髪の健康にとって大きなリスクとなります。
濡れ髪放置の危険性
- 色落ちの最大の原因
髪が濡れている間、キューティクルは開きっぱなしの状態です。この時間が長ければ長いほど、せっかく髪の内部に定着させた色素が外部へと流れ出てしまいます。お風呂上がりは、できるだけ早く髪を乾かすことが、色持ちを良くする基本です。 - ダメージの進行と雑菌の繁殖
濡れた髪は非常にデリケートで、少しの摩擦でもキューティクルが傷つきやすい状態です。また、頭皮が長時間湿ったままだと、雑菌が繁殖し、フケやかゆみ、嫌な臭いの原因にもなります。
まとめ
ヘアカラーを自分で行う際は、「必ず乾いた髪に塗る」という基本的なルールを守ることが、失敗を避け、安全に施術を行うための絶対条件です。ウェット塗布のような専門的な技術は、髪の状態を正確に診断し、薬剤の化学反応を完璧にコントロールできるプロの理容師だからこそ成せる技です。安全に、そして確実に理想の髪色を手に入れるためには、安易な自己判断はせず、ぜひ信頼できる専門家にお任せください。
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