ヘアカラーの「塗り方」の基本、ムラなく仕上げるコツとプロの技術
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ヘアカラーの仕上がりを美しく見せるか、あるいは残念な結果に終わらせるか、その運命を大きく左右するのが、カラー剤を髪に塗る「塗布」という工程です。この「塗り方」一つで、染めムラができてしまったり、髪に不必要なダメージを与えてしまったりすることがあります。この記事では、セルフカラーで失敗しないための基本的な塗り方の手順と、プロが実践する専門的な技術との違いについて、詳しく解説していきます。
Contents
塗り始める前に、仕上がりを左右する下準備
美しい仕上がりは、薬剤を塗り始める前の下準備の段階から始まっています。この工程を丁寧に行うことが、均一な染まり具合への第一歩です。
塗布前の準備
- 正確なブロッキング
染めムラを防ぐ上で最も重要なのが、髪をいくつかのブロックに正確に分ける「ブロッキング」です。髪を上下左右の4ブロックから6ブロック程度に分け、ダッカール(クリップ)でしっかりと留めておきましょう。これにより、塗り残しを防ぎ、作業効率も格段に上がります。 - 道具の準備
市販のカラー剤には手袋などが付属していますが、薬剤を均一に伸ばすためのコーム(櫛)や、プロが使うようなハケを用意すると、より細かく、きれいに塗布することができます。 - 皮膚の保護
薬剤が皮膚に付着して、色が染み付いてしまうのを防ぐために、髪の生え際や耳の周り、襟足などに、ワセリンや油性のクリームをあらかじめ塗っておきましょう。
失敗しないための、基本的な「塗り方」の順番
髪は、場所によって太さや温度が異なるため、染まりやすさが違います。その特性を理解し、正しい順番で塗ることが、均一な仕上がりへの鍵となります。
基本的な塗布の順番
- 染まりにくい場所から塗る
一般的に、頭皮の温度が低く、染まりにくいとされる「襟足」や「後頭部」から塗り始めるのが基本です。 - 根元を避けて中間から毛先へ
新しく生えてきた根元の部分は、頭皮からの熱で非常に染まりやすい性質があります。そのため、まずは根元を1cmから2cmほど避け、髪の中間部分から毛先へと薬剤を塗布していきます。 - 最後に根元を塗る
全体の中間から毛先に塗り終えたら、最後に時間差をつけて、残しておいた根元の部分に薬剤を塗ります。このひと手間が、根元だけが明るく浮いてしまう「根元問題」を防ぎます。
プロはここが違う、ワンランク上の「塗り方」の技術
サロンでプロが行う塗布作業は、セルフカラーとは次元の異なる、緻密な計算と熟練の技術に支えられています。
プロの専門技術
- 薬剤の「塗布量」の完璧なコントロール
プロは、お客様の髪の量や太さ、吸水性を見極め、薬剤が多すぎてダメージに繋がったり、少なすぎてムラの原因になったりしないよう、最適な量をミリ単位で調整しながら塗布します。 - ハケやコームの巧みな使い方
髪に対して負担をかけないよう、ハケを寝かせるようにして優しく薬剤を置くように塗ったり、コームの背を使って均一に伸ばしたりと、道具を巧みに使いこなし、髪への物理的なダメージを最小限に抑えます。 - 頭皮を守る「ゼロテクニック」
頭皮への刺激を極力避けるため、薬剤を頭皮につけずに、根元から数ミリだけ離して塗布していく高度な技術です。これにより、カラー剤が頭皮にしみやすい方でも、安心して施術を受けることができます。 - 新生毛と既染毛での「塗り分け」
プロの塗り方がセルフと最も違う点です。根元の新しく生えてきた健康な髪(新生毛)と、すでにカラーがされていてダメージがある毛先(既染毛)とで、薬剤の種類や強さを変え、塗り方や放置時間も調整します。これが、ダメージを抑えながら、根元から毛先まで均一で美しい色を実現する最大の秘訣です。
完璧な「塗り方」を求めるなら、専門家へ
ここまで解説してきた通り、美しいヘアカラーの仕上がりは、非常に繊細で専門的な「塗り方」の技術に支えられています。
セルフカラーの限界
- 見えない部分の壁
どれだけ器用な方でも、ご自身の後頭部や襟足を鏡だけで見て、ムラなく均一に、そして根元を避けて塗ることは、物理的に不可能に近いです。 - ダメージレベルに合わせた判断力
ご自身の髪のどこが傷んでいて、どこが健康かなどを正確に判断し、塗り方を変えることは、専門知識がなければできません。
まとめ
ヘアカラーの「塗り方」は、ただ薬剤を髪につけるだけの単純な作業ではなく、美しい仕上がりと髪の健康を両立させるための、非常に繊細で専門的な技術の集合体です。セルフカラーで基本的な手順を学ぶのも一つの経験ですが、ダメージレスでハイクオリティな、本当に満足のいく髪色を手に入れたいと考えるなら、塗り方の全てを熟知したプロの理容師にお任せください。そこには、あなた自身では決して到達できない、感動の仕上がりが待っているはずです。
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