「ノンアルカリカラー」とは?髪をいたわる新しいヘアカラーの選択肢
sho0202
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
ヘアカラーを継続して楽しみたいけれど、繰り返すことによる髪へのダメージは極力避けたい。そう考えるのは、髪の健康を大切にするすべての人に共通する願いです。そんな悩みに応える新しい選択肢として、近年、理容室やサロンで注目されているのが「ノンアルカリカラー」です。この記事では、従来のヘアカラーとの違いや、ノンアルカリカラーが持つメリット・デメリット、そしてどのような方におすすめなのかを、専門家の視点から詳しく解説していきます。
Contents
そもそも、ヘアカラーの「アルカリ」の役割とは?
ノンアルカリカラーを理解するために、まずは一般的なヘアカラー剤に含まれている「アルカリ」が、どのような役割を果たしているのかを知ることから始めましょう。
アルカリの働き
- キューティクルを開く役割
髪の表面は、うろこ状のキューティクルという組織で覆われています。アルカリ剤には、このキューティクルをこじ開け、カラーの染料を髪の内部に浸透させるための道を作るという、非常に重要な役割があります。 - 髪を明るくする役割
アルカリは、カラー剤が髪の内部にあるメラニン色素を脱色(ブリーチ)する働きを助ける役割も担っています。髪を明るくするためには、このアルカリの力が必要不可欠なのです。 - ダメージの主な原因にも
しかし、このキューティクルを「こじ開ける」という作用は、髪にとっては大きな負担となり、タンパク質や水分の流出を引き起こします。これが、ヘアカラーによるダメージの主な原因となっています。
「ノンアルカリカラー」のメリットと特徴
「ノンアルカリカラー」とは、その名の通り、ダメージの主な原因となるアルカリを配合せずに作られた、非常にマイルドなカラー剤です。
ノンアルカリカラーのメリット
- 髪へのダメージが非常に少ない
これが最大のメリットです。キューティクルをほとんど開かずに、髪の表面に近い部分に色素を定着させるため、髪の内部成分の流出を最小限に抑え、ダメージを大幅に軽減することができます。 - 優れた手触りとツヤ感の向上
髪への負担が少ないため、カラー後のごわつきやパサつきが起こりにくく、仕上がりの手触りは非常に滑らかです。髪本来が持つ美しいツヤを損なうことなく、カラーリングを楽しむことができます。 - 繰り返しのカラー施術に適している
ダメージの蓄積が少ないため、すでに染まっている毛先部分の色味が抜けてきた際の、色味の補充(トナー)などに最適です。頻繁に色味を変えたい方でも、髪のコンディションを良好に保ちやすくなります。
ノンアルカリカラーのデメリットと限界
髪に優しいノンアルカリカラーですが、万能というわけではありません。アルカリを含まないことによる、いくつかの限界点も理解しておく必要があります。
ノンアルカリカラーのデメリット
- 髪を明るくすることはできない
アルカリが持つ、髪のメラニン色素を脱色する力がないため、ノンアルカリカラーで現在の髪の明るさより、さらに明るくすることはできません。基本的には、現在の髪の明るさを維持したまま色味を変えるか、あるいは暗くする(トーンダウン)ための薬剤です。 - 白髪への染まりが弱い
キューティクルを開く力が弱いため、色素が染まりにくい白髪を、アルカリカラーのようにしっかりと染め上げる力は弱い傾向にあります。
プロによる薬剤の使い分けが、美髪の鍵
アルカリカラーとノンアルカリカラー、それぞれに優れた点と不得意な点があります。プロの理容師は、これらの薬剤の特性を深く理解し、お客様の髪の状態と、なりたいイメージに合わせて的確に使い分けています。
プロフェッショナルな薬剤選定
- アルカリとノンアルカリの適材適所
例えば、新しく伸びてきた健康な根元の部分は、髪を明るくする必要があるため「アルカリカラー」でしっかりと染めます。一方で、すでに一度染まっていてダメージが気になる毛先の部分には、ダメージレスな「ノンアルカリカラー」を使って、抜けてしまった色味だけを優しく補充する。このようなプロならではの「塗り分け」技術が、髪全体のダメージを最小限に抑える鍵となります。 - ダメージを最小限に抑える最適な判断力
お客様の髪質やダメージレベル、そして目指すスタイルを総合的に判断し、どの部分に、どの薬剤を使うのが最も適切かを判断できるのが、プロの知識と経験です。セルフカラーでは、このような繊細な薬剤の使い分けは、まず不可能です。
まとめ
「ノンアルカリカラー」は、髪へのダメージを最小限に抑えながら、ヘアカラーを楽しみたい場合に非常に有効な選択肢です。しかし、それは万能薬ではなく、髪を明るくしたい場合にはアルカリカラーが持つ力が必要です。それぞれのメリット・デメリットを深く理解し、あなたの髪の状態や、なりたいスタイルに合わせて最適な薬剤を的確に使い分けることができる、信頼できるプロの理容師に相談すること。それが、あなたの未来の美しい髪を守るための、最も賢明な方法と言えるでしょう。
ABOUT ME