ヘアカラーで抜けやすい色とは?色持ちのメカニズムと対策を解説
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お気に入りのヘアカラーに染めても、「この色はすぐに抜けてしまう」「前の色より長持ちしている気がする」と感じた経験はありませんか。実は、ヘアカラーの色味によって、色の定着しやすさ、つまり「抜けやすさ」には違いがあります。なぜそのような差が生まれるのか、その疑問にこの記事ではお答えします。一般的に抜けやすいとされる色の種類とその理由、そして、儚い色でも長く楽しむためのプロの技術とホームケアについて詳しく解説していきます。
Contents
なぜ色によって「抜けやすさ」が違うのか
ヘアカラーの色持ちは、いくつかの要因によって左右されます。特に、日本人の髪質と、染料そのものが持つ特性が大きく関係しています。
色持ちを左右する要因
- 髪のメラニン色素との関係
多くの日本人の地毛には、赤みや黄みを帯びた「メラニン色素」が多く含まれています。そのため、アッシュなどの寒色系カラーで染める際は、この赤みを打ち消すために反対色である青や緑の色素を使います。しかし、これらの色素は髪が本来持っていない色のため、元々ある色素に近いブラウン系の染料に比べて、髪との結びつきが弱く、流れ出やすい傾向にあります。 - 染料の特性
ヘアカラーに使われる染料は、色によって粒子の大きさや髪への浸透力が異なります。例えば、青系の染料は粒子が大きく、髪の芯まで浸透しにくい場合があり、逆に赤系の染料は粒子が比較的小さく、キューティクルの隙間から流出しやすい、といった特性があります。 - 髪のダメージレベル
そして最も大きな要因が、髪のダメージです。傷んでキューティクルが剥がれ、内部がスカスカになった髪は、どんな色で染めたとしても、色素を内部に留めておく力が弱いため、色が抜けやすくなってしまいます。
一般的に「抜けやすい」とされるヘアカラーの色
上記の要因から、一般的に色落ちが早い、つまり「抜けやすい」とされる色の系統は以下の通りです。
抜けやすい色の種類
- アッシュ・マットなどの寒色系
日本人の髪特有の赤みを抑えるために使われる青や緑の色素は、シャンプーなどで髪の外に流出しやすく、色が抜けると元の赤みや黄色みが出てきやすくなります。透明感があり人気が高い反面、最も抜けやすい色の代表格と言えます。 - レッド・ピンクなどの暖色系
特に彩度の高い鮮やかな赤やピンクは、退色が分かりやすく、染めたての状態を維持するのが難しい色です。色が抜けてくると、徐々にオレンジがかったブラウンへと変化していきます。 - ハイトーン・ペール系の淡い色
ブリーチを重ねて作るシルバーやホワイトブロンド、ペールピンクといった淡い色は、そもそも髪に入っている色素の総量が少ないため、少し色素が抜けるだけでも、色の変化が大きく感じられます。
比較的「抜けにくい」とされるヘアカラーの色
一方で、比較的色持ちが良いとされるのは、以下のような色の系統です。
抜けにくい色の種類
- ブラウン系
日本人の髪が元々持っているメラニン色素に構造が近いため、髪によく馴染み、内部で安定して定着しやすい性質があります。色落ちの過程も自然で、メンテナンスがしやすい定番のカラーです。 - ダークトーン(暗めの色)
濃い色素が髪の内部にたっぷりと入っているため、表面の色が少しずつ抜けていっても、完全に色が抜けきるまでに時間がかかります。
抜けやすい色でも長く楽しむためのプロの技術
「やりたい色が、抜けやすい色だった」と、諦める必要は全くありません。プロの理容師は、色が抜けやすいという特性を熟知した上で、それをカバーするための専門的な技術を持っています。
プロならではのアプローチ
- 色落ちを計算したカラー調合
これがプロの最大の技術です。例えば、アッシュ系で染める際に、色が抜けていく過程で出てくるであろう黄みを予測し、それを打ち消すための紫の色素を、あらかじめカラー剤にごく少量混ぜ込んでおきます。また、抜けやすいアッシュの色素を支えるために、抜けにくいブラウンの色素を影の色として加えるなど、緻密な計算で色持ちを良くし、退色しても汚く見えないように調合しているのです。 - ダメージを最小限に抑える施術
そもそも色を定着させる土台である髪を、施術によって傷ませないことが最も重要です。プロは、髪の状態に合わせた最適な薬剤を選び、ダメージを最小限に抑える技術で、色持ちの良い健康な髪のコンディションを守ります。 - 最適なホームケアの提案
お客様が選んだ抜けやすい色に合わせて、自宅で色素を補充するための最適なカラーシャンプーや、日々のケア方法をプロの視点で的確にアドバイスします。
まとめ
ヘアカラーには、その特性上「抜けやすい色」と「抜けにくい色」が確かに存在します。しかし、抜けやすい色だからといって、そのスタイルを諦める必要は全くありません。プロの理容師は、色の特性を深く理解し、緻密な調合技術とダメージを抑える丁寧な施術によって、儚く美しい色でさえも、より長く、より美しく楽しむためのお手伝いをします。あなたが本当にやりたい色を最高の状態で実現するために、ぜひ一度、専門家にご相談ください。
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