ヘアカラーの「ムラ」はなぜ起こる?原因と均一に染めるための知識
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意を決して挑戦したヘアカラーが、仕上がってみると部分的に色が違っていたり、染まっていない箇所があったりと、「ムラ」になっていてがっかりした経験はありませんか。特にご自身で染めるセルフカラーでは、この染めムラは最も起こりやすい失敗の一つです。しかし、その失敗には、薬剤の塗り方だけでなく、髪の状態や色の特性など、様々な原因が隠されています。この記事では、ヘアカラーのムラが起こる原因を徹底的に解明し、美しい髪色を手に入れるための正しい知識と対処法を詳しく解説します。
Contents
ヘアカラーがムラになる、4つの主な原因
均一で美しい髪色に仕上げるためには、多くの要素を考慮する必要があります。染めムラは、これらのうち、どれか一つでも欠けてしまうことで発生します。
ムラになってしまう原因
- 原因1
塗布技術の問題
最も分かりやすい原因が、薬剤の塗り方です。自分では見えにくい後頭部や襟足、髪が密集している部分などは、無意識のうちに薬剤の塗布量が不足しがちです。また、塗るのに時間がかかりすぎると、最初に塗った部分と最後に塗った部分とで薬剤の反応時間に大きな差が生まれ、それがそのまま色の差となって現れます。 - 原因2
髪の状態の不均一さ
髪の健康状態は、根元から毛先まで決して均一ではありません。新しく生えてきた根元は健康ですが、毛先に向かうほど、過去のカラーやドライヤーの熱、紫外線などによるダメージが蓄積しています。傷んだ髪は薬剤を吸い込みやすく、健康な髪は染まりにくいため、同じ薬剤を同じように塗っても、色の入り方がバラバラになってしまうのです。 - 原因3
髪の温度の不均一さ
ヘアカラー剤の化学反応は、温度に大きく影響されます。頭皮に近い根元の部分は、体温で温められて薬剤の反応が促進され、明るくなりやすい傾向にあります。一方で、体温が伝わりにくい襟足や毛先は、反応が遅くなりがちです。この温度差が、意図しない色のムラを生み出す原因となります。 - 原因4
薬剤選定や過去の履歴の問題
ご自身の髪質に対して薬剤の力が弱すぎたり、あるいは強すぎたりする場合も、均一な発色を妨げます。また、過去の黒染めなどが髪に残留している(残留ティント)と、その部分だけが染まらず、ムラの原因となることもあります。
ムラになってしまった時の、最善の対処法とNG行動
もし、ヘアカラーがムラになってしまった時、焦って間違った対処をしてしまうと、状況はさらに悪化してしまいます。
やってはいけない対処法
- NG行動
自分で上から染め直す
これが最も危険な行為です。すでに複雑なムラがある髪を、さらに自己流で染め直そうとしても、ムラが解消されることはありません。むしろ、ダメージを深刻化させ、プロでも修正が非常に困難な、取り返しのつかない状態にしてしまう可能性があります。 - NG行動
安易に黒染めで隠す
一見、ムラが隠れてリセットされたように見えますが、髪の内部には色のムラが残ったままです。次に髪を明るくしたいと思った時に、その隠れていたムラが再び悪目立ちし、さらに修正が難しい状況を招きます。 - 最善の策
プロに正直に相談する
複雑な状態になってしまった髪を、きれいに、そして安全に直せるのは、髪と薬剤の化学を熟知したプロだけです。「こんな状態でも直せますか?」と、まずは正直に現状を見せて、専門家に相談することが、美しい髪を取り戻すための最も確実な第一歩です。
なぜプロはムラなく染められるのか?その技術の秘密
プロの理容師は、これらのムラの原因となる全ての要素を、常に計算に入れながら施術を行っています。
プロフェッショナルな技術
- 緻密なブロッキングとスピーディーな塗布
髪を正確に分割し、どの部分にも均一な量の薬剤を、時間差が生まれないように、素早く正確に塗布する。これは、全ての基本となる熟練の技術です。 - 薬剤の「塗り分け」という高度な技術
プロの仕事の真髄は、ここにあります。根元の健康な部分、中間の既染部、そして毛先のダメージ部分と、髪の状態に合わせて、薬剤の強さや種類を巧みに使い分けることで、根元から毛先まで完璧に均一な色に仕上げます。 - 温度差のコントロール
染まりにくい襟足から塗り始め、最後に染まりやすい根元を塗るといったように、温度差までを計算に入れた、考え抜かれた手順で塗布を進めます。 - 完璧な「乳化」作業
薬剤を洗い流す直前に、少量のぬるま湯を加えて髪全体に薬剤を優しく馴染ませる「乳化」という作業を丁寧に行います。これにより、ごくわずかな塗りムラを補正し、仕上がりの均一性を極限まで高めます。
まとめ
ヘアカラーの「ムラ」は、塗布技術、髪の状態、温度、薬剤選定といった、様々な原因が複雑に重なり合って起こる現象です。そして、これらの全ての原因をクリアし、根元から毛先まで完璧に均一な、美しい髪色を実現するためには、髪の科学を熟知したプロの理容師の正確な診断と、高度な技術が不可欠です。もし、染めムラで悩んでいるなら、あるいは、今後のカラーで絶対に失敗したくないと考えるなら、ぜひ一度、信頼できる専門家にご相談ください。
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