【ヘアグリースとは】特徴から使い方まで網羅的に解説|wiki風まとめ
メンズスタイリングの世界で、独特の存在感を放つ「ヘアグリース」。その名前を聞いたことはあっても、ワックスやジェルと何が違うのか、どのような歴史を持つのかなど、詳しくご存じない方も多いのではないでしょうか。スタイリング剤は、その特性を深く理解することで、より効果的に使いこなすことができます。
この記事では、まるで百科事典のように、ヘアグリースの基本的な知識から種類、使い方、得意なスタイルまで、その全体像を網羅的に、そして分かりやすく解説していきます。
ヘアグリースとは何か
ヘアスタイリング剤におけるグリースとは、主に髪に強い艶とまとまりを与える目的で使用される製品を指します。その語源は、機械などに用いられる潤滑油の「Grease」であり、その名の通り、油分を多く含んだねっとりとした質感が特徴です。その歴史は古く、特に1950年代に流行したリーゼントヘアなど、髪を撫でつけてビシッと固めるようなクラシカルなスタイルのセットに重用されてきました。現代では、その特性が再評価され、多様なヘアスタイルに用いられるようになっています。
グリースの主成分と種類
ヘアグリースは、その主成分によって大きく二つの種類に分類されます。この違いを理解することが、グリース選びの第一歩となります。
油性グリース
昔ながらの伝統的なタイプが油性グリースです。鉱物油や植物油といった油分を主成分としており、非常に強い艶と高いセット力を持ちます。水を弾く性質があるため、汗や湿気に強く、作ったスタイルが崩れにくいというメリットがあります。その一方で、シャンプーでは簡単に洗い流すことが難しく、落とすのに手間がかかるという側面も持っています。
水性グリース
現代において主流となっているのが水性グリースです。その名の通り水を主成分としており、油性グリースのような艶感やセット力を持ちながら、お湯やシャンプーで簡単に洗い流せるという利便性を兼ね備えています。テクスチャーも様々で、初心者の方でも非常に扱いやすいのが特徴です。
他のスタイリング剤との比較
グリースの立ち位置をより明確にするために、他の代表的なスタイリング剤と比較してみましょう。
ワックスとの違い
グリースとワックスの最も大きな違いは、仕上がりの質感と固まり方にあります。グリースが濡れたような「艶」を出すことに特化しているのに対し、ワックスはマットなものから艶のあるものまで幅広く、髪に「動き」や「束感」を与えることを得意とします。また、グリースは固まらないため再整髪が容易ですが、ワックスは製品によっては固まるものもあります。
ジェルとの違い
ジェルもグリース同様に艶を出せるスタイリング剤ですが、決定的な違いはその固定力にあります。ジェルは水分が蒸発するとパリッと硬く固まり、一度作ったスタイルを強力に維持します。一方、グリースは基本的に固まることがなく、柔軟性を保ったままスタイルをまとめ上げるのが特徴です。
ヘアグリースの基本的な使い方
グリースを使用する際は、まず適量(はじめは少量から)を手に取ります。それを両方の手のひら、指の間までしっかりと広げ、透明になるまでよく馴染ませます。こうすることで、髪に均一に塗布しやすくなります。その後、髪の根元を避け、中間から毛先を中心に馴染ませていき、全体の形を整えます。一般的に、少し髪が湿った状態で使うと、より艶やかなウェット感を出しやすくなります。
グリースが得意なヘアスタイル
グリースの特性である艶とまとまりは、特定のヘアスタイルでその魅力を最大限に発揮します。具体的には、髪の流れを美しく見せる七三分けやオールバック、きっちりと撫でつけたバーバースタイルなどが代表的です。また、パーマヘアに使用すると、カールやウェーブが際立ち、色気のある質感を演出することができます。
まとめ
ヘアグリースは、その歴史的背景から現代的な進化まで、非常に奥深いスタイリング剤です。油性と水性の違いや、他のスタイリング剤との特性の違いを理解することで、ご自身が目指すスタイルに対して、グリースが有効な選択肢であるかが見えてくるはずです。もし、どのグリースを選べば良いか迷われた際は、ご自身の髪質を熟知しているプロのスタイリストにご相談ください。お客様一人ひとりに最適な製品選びから、効果的な使い方まで、丁寧にご提案させていただきます。