グリースでボリュームアップは可能?髪を根元から立ち上げる選び方とセット術
ヘアスタイルに立体感と若々しい印象を与える「ボリュームアップ」。これは、髪質や年齢を問わず、多くの男性がスタイリングにおいて追求する、最も重要な要素の一つです。その際、ワックスやヘアスプレーを思い浮かべる方がほとんどで、「グリースは髪を抑えるためのものだから、ボリュームアップには向いていない」と考えている方も少なくないでしょう。
しかし、その考え方は、もはや過去の常識です。現代のヘアグリースは飛躍的な進化を遂げており、正しい製品を選び、使い方をマスターすれば、グリースを使いながら、髪を根元から力強く立ち上げ、一日中ふんわりとしたボリュームをキープすることが可能なのです。この記事では、その常識を覆すプロのテクニックを、詳しく解説していきます。
なぜ「グリース=ボリュームダウン」という誤解が生まれたのか
まず、なぜ多くの方が「グリースはボリュームが出ない」というイメージを持っているのでしょうか。その背景には、伝統的な油性グリース(ポマード)が、髪をタイトに撫でつけるスタイルに使われてきた歴史や、グリースをつけすぎたり、根元にべったりと付けてしまったりといった、間違った使い方がボリュームダウンを招いてきた、という事実があります。しかし、現代のグリースと正しい使い方を知れば、そのイメージは一変するはずです。
【重要】ボリュームアップのためのグリースの選び方
グリースでボリュームアップを成功させるか否かは、この「製品選び」で9割が決まると言っても過言ではありません。
選び方1:「軽いテクスチャー」が絶対条件
ボリュームアップの最大の敵は、スタイリング剤そのものが持つ「重さ」です。グリースを選ぶ際は、手に取った時にずっしりと重いものではなく、ホイップクリームのように軽やかであったり、ジェルに近い瑞々しい質感であったりするような、軽い使用感の製品を絶対条件として選びましょう。
選び方2:セット力は「ハードタイプ」を選ぶ
髪の根元の立ち上がりを一日中、重力に負けずに支え続けるためには、軽さだけでなく、しっかりとしたセット力も不可欠です。「軽くて、なおかつセット力が強い」。この、一見すると相反するような性能を、高いレベルで両立している製品こそが、ボリュームアップのための理想的なグリースです。
グリースでボリュームアップさせる、プロのセット方法
選び抜いたグリースの性能を最大限に引き出すためには、セット方法にも特別な工夫が必要です。
ステップ1:【生命線】ドライヤーで根元に空気の層を作る
ボリュームアップは、スタイリング剤を付ける前のドライヤーで、その9割が決定します。まず髪を濡らした後、ボリュームを出したい部分(主にトップ)の髪を指で持ち上げ、その根元に集中的に温風を当てて、力強く立ち上げます。髪の流れに逆らうように、様々な方向から風を送ることで、根元に空気の層が生まれ、ふんわりとした土台が出来上がります。最後に、冷風を当てて形を記憶させることを忘れないでください。
ステップ2:グリースは「ごく少量」を「毛先」にだけ付ける
ここが鉄則です。ドライヤーで命がけで立ち上げた根元のボリュームを、グリースの重さで潰してしまわないよう、スタイリング剤は必ず「中間から毛先」にだけ付けることを徹底してください。使用する量も「米粒大」ほどのごく少量を、手のひらで完全に伸ばしてから、指先で毛束をつまむようにして、動きとまとまりを与えます。
ステップ3:ヘアスプレーで根元を最終固定
グリースで毛先の動きを作った後、立ち上げた根元を中心に、キープ用のヘアスプレーを内側から軽く吹きかけます。これが、一日中へたりを防ぐための最強のテクニックです。
究極のボリューム感を叶えるサロン専売品
「軽さ」と「強いセット力」。ボリュームアップに求められる、この非常に難しい要求を、高い次元で両立させているのが、私たちプロが使用するサロン専売品です。市販品では見つけるのが難しい、軟毛や猫っ毛といった、ボリュームが出にくい髪質のスタイリングに特化して開発されたような、高機能なグリースも数多く存在します。
まとめ
「グリースでボリュームアップはできない」というこれまでの常識は、もはや過去のものです。「軽いグリースを選び、ドライヤーで根元を徹底的に立ち上げ、グリースは毛先に少量だけ使う」。この正しい方法を実践すれば、どなたでもグリースを使いながら、理想のボリューム感を手に入れることが可能です。髪質のせいでスタイリングを諦めていた方も、ぜひグリースという新しい選択肢で、自信の持てるヘアスタイルに挑戦してみてください。