ヘアグリースの正しい取り方|適量と手に取る際の基本を解説
ヘアスタイリングを成功させるための秘訣は、実はスタイリング剤を髪に付けるずっと前、容器から手に「取る」という、その最初の瞬間に隠されています。多くの方が「なんとなく指で取っている」かもしれませんが、この「取り方」を正しくマスターするだけで、つけすぎといった失敗を防ぎ、その後のスタイリングのしやすさや仕上がりの質が劇的に向上するのです。
この記事では、見過ごされがちながら非常に重要な、ヘアグリースの正しい取り方の基本と、その際に知っておきたい適量について、プロの視点から詳しく解説していきます。
なぜグリースの「取り方」が重要なのか
スタイリングの成否を左右する、最初のステップである「取り方」。なぜこれがそれほどまでに重要なのでしょうか。
つけすぎによる失敗を未然に防ぐ
正しい取り方を意識することで、無計画に多くの量を取ってしまうことを防ぎます。これにより、髪がベタついたり、重さでスタイルが潰れたりといった、スタイリングで最も多い失敗を根本から回避することができます。
スタイリングの効率が向上する
適量をスムーズに、そしてスマートに手に取ることができれば、その後の手のひらで伸ばす作業や、髪に均一に馴染ませる作業が格段に効率的になります。朝の忙しい時間でも、ストレスなくスタイリングを進めることができます。
グリースの基本的な取り方と「適量」の目安
それでは、具体的な取り方の手順を見ていきましょう。難しいことは一つもなく、少し意識を変えるだけです。
基本の取り方:「指の腹」を使う
グリースを容器から取る際は、爪を立てるのではなく、「指の腹」を使いましょう。人差し指の第一関節あたりまでを使い、グリースの表面を軽く撫でるように、あるいは円を描くようにしてすくい取るのが基本です。これにより、爪の間にグリースが入ってしまう不快感を防ぎ、指の体温でグリースをわずかに温めながら取ることができます。
量の目安:「小豆一粒大」から始める
最初に手に取る量の基準として、まずは「小豆一粒大」を目安にしてください。髪の長さや量、毛質によって最終的な使用量は変わりますが、どのような場合でも、まずこの少量からスタイリングを始めることが、つけすぎを防ぐための最大のコツです。「足りなければ、後から足す」という考え方を常に忘れないようにしましょう。
硬くて取りにくいグリースの対処法
セット力が強いハードタイプのグリースは、テクスチャー自体が硬く、スムーズに取れないことがあります。その場合は、指の腹で少しだけ力を加えながら、グリースの表面を円を描くように数回こすってみてください。指との摩擦熱で表面がわずかに柔らかくなり、スムーズに取れるようになります。あるいは、指の爪の背中側(甲側)を使い、表面を薄く削り取るようにするのも有効な方法です。
取った後の重要なプロセス:手のひらで伸ばす
指で適量のグリースを取ったら、それで準備完了ではありません。取ったグリースを、そのまま髪に付けてしまうのは、ムラやつけすぎの原因となります。必ず、取ったグリースを反対の手のひらに移し、両方の手のひら、そして指の間までしっかりと使い、透明になるまで擦り合わせるように伸ばしてください。このプロセスを経て初めて、適量のグリースが髪全体に均一に広がる準備が整います。
正しい取り方をサポートする高品質なグリース
スタイリングのしやすさは、製品自体のテクスチャーに大きく左右されます。サロンで私たちが使用するプロ仕様の製品は、スタイリストが日々無意識に行う「取る」「伸ばす」「付ける」という一連の動作が、最もスムーズに行えるように、テクスチャーの硬さや伸びの良さが緻密に計算されています。ご自身の髪質に合った適量や、最も扱いやすい製品を知りたい方は、ぜひ一度、私たちプロにご相談ください。
まとめ
ヘアグリースの正しい取り方は、「指の腹を使い、小豆一粒大を目安に取る」というのが基本です。そして、その後の「手のひらで完全に伸ばす」というプロセスまでを一つのセットとして捉えることが重要です。この最初のステップを丁寧に行うだけで、スタイリングの失敗は劇的に減り、仕上がりは格段に向上します。日々のスタイリングをより快適で質の高いものにするために、ぜひこの基本を実践してみてください。