ヘアグリースの適量とは?髪の長さと髪質で変わる正しい使い方
ヘアグリースを使ったスタイリングで、仕上がりの良し悪しを大きく左右するにもかかわらず、多くの人が悩んでいるのが「使用する量」、すなわち「適量」です。量が少なすぎればスタイルがまとまらず、逆に多すぎればベタついて不潔な印象になってしまいます。
この「適量」を正しく見極めることこそが、いつものスタイリングをプロの仕上がりに近づけるための、最も重要で基本的な第一歩です。この記事では、あなたの髪の長さや髪質に合わせた、ヘアグリースの適量の見つけ方と、その効果を最大限に引き出すための正しい使い方について、詳しく解説していきます。
なぜグリースの「適量」はそれほど重要なのか
そもそも、なぜスタイリング剤の量はそれほどまでに重要なのでしょうか。それは、使用する量が多すぎても、少なすぎても、それぞれに明確なデメリットが生じてしまうからです。
###量が多すぎる場合(つけすぎ)
グリースをつけすぎると、本来の魅力である上品な「ツヤ」は、不潔な印象を与える「ベタつき」へと変わってしまいます。また、スタイリング剤自体の重さで髪が潰れ、特にトップのボリュームが出なくなってしまう原因にもなります。
量が少なすぎる場合
反対に、量が少なすぎると、スタイリング剤の性能を十分に発揮することができません。セット力が足りずにスタイルがすぐに崩れてしまったり、髪のパサつきを抑えきれずにまとまりのない印象になったりします。
あなたの髪に合った「適量」の見つけ方
それでは、ご自身の髪に合った適量を見つけるための、具体的な目安を見ていきましょう。基本となるのは「少量から始め、足りなければ足す」という考え方です。
全ての基本は「小豆一粒大」から
まず覚えていただきたい基準量が「小豆一粒大」です。髪の長さや量に関わらず、まずはこの量を手に取り、スタイリングを始めてみてください。想像以上に少ない量でも、髪全体に行き渡らせることが可能なことに驚くかもしれません。
髪の長さによる調整
基本量をベースに、髪の長さに応じて微調整します。ミディアムヘアの方であれば「大豆一粒大」程度まで増やし、逆にベリーショートの方であれば、さらに少なくても良い場合があります。
髪質による調整
髪が硬く、量が多い方は、髪をしっかりと抑えるため、基本量よりもやや多めが必要になることがあります。一方で、髪が細く柔らかい方は、つけすぎるとすぐに髪が潰れてしまうため、基本量を守り、慎重に量を調整することが大切です。
適量を最大限に活かすための正しい付け方
見つけた「適量」の効果を最大限に引き出すためには、正しい付け方をマスターすることが不可欠です。
手のひらで完全に伸ばし、温める
手に取った適量のグリースは、すぐに髪に付けるのではなく、両方の手のひらと指の間まで使い、透明になるまでしっかりと擦り合わせてください。このプロセスでグリースが温められて伸びが良くなり、少量を髪全体に薄く、そして均一に広げることが可能になります。
髪の内側から全体に馴染ませる
髪の表面から付けるのではなく、髪の内側から手を入れて、根元付近から毛先に向かって馴染ませていきます。これにより、髪全体にムラなくグリースを行き渡らせることができます。
もし量を間違えてしまったら?簡単な調整方法
万が一、量を間違えてしまっても慌てる必要はありません。少し多いと感じた場合は、ドライヤーの温風を当てながら手ぐしで馴染ませ直すと、ベタつきが緩和されます。逆に、足りないと感じた場合は、指先に少量を取り、必要な部分にだけピンポイントで付け足しましょう。
あなただけの「最適量」はプロが知っています
ここまで一般的な適量について解説してきましたが、髪質や毛量、ダメージの度合い、そして目指すスタイルは一人ひとり全く異なります。また、サロンで扱うプロ仕様の製品は、市販品よりも少量で高い効果を発揮するものが多く、その適量もまた異なります。あなたの髪にとっての本当の「最適量」と、それを活かすための最適なスタイリング方法を知るためには、私たちプロのスタイリストに相談していただくのが最も確実な方法です。
まとめ
ヘアグリースのスタイリングを成功させる鍵は、「小豆一粒大」を基本とし、ご自身の髪質に合わせて微調整する「適量」を見つけることにあります。そして、その適量を、正しい付け方で髪全体に均一に馴染ませること。この二つを意識するだけで、あなたのスタイリングはきっと見違えるはずです。