グリースの「テカり」はもう卒業|上品なツヤ感を出す使い方と選び方
ヘアスタイルに、他のスタイリング剤では表現できないような、濡れたような艶やかな質感を与えてくれるヘアグリース。その魅力に惹かれて試してみたものの、「想像していたよりも髪がテカテカになってしまった」「清潔感を出すつもりが、かえって不潔に見えてしまう」と感じ、使うのをためらってしまった経験はありませんか。
実は、多くの人が悩むグリースの「テカり」問題は、スタイリング剤が持つ「上品なツヤ」と紙一重の関係にあります。そして、いくつかの基本的なポイントを押さえるだけで、その不快なテカりを、誰もが振り返るような洗練されたツヤへと変えることが可能です。この記事では、そのプロのテクニックと考え方について、詳しく解説していきます。
なぜグリースは「テカる」と感じてしまうのか?
まず、なぜ意図しない「テカり」が発生してしまうのか、その原因を理解することが、解決への第一歩です。
原因1:グリースの量が多すぎる(つけすぎ)
最もよくある原因が、グリースの使用量が多すぎることです。スタイルをしっかりキープしたい、あるいはツヤをたくさん出したいという思いから、つい多くの量を手に取ってしまうと、髪が処理しきれない過剰な油分が表面に残り、光を乱反射して品のないテカりに見えてしまいます。
原因2:求める質感に製品が合っていない
グリースと一言で言っても、そのツヤの強さは製品によって様々です。ご自身が求めているのがさりげない自然な光沢感であるにもかかわらず、ウェット感が非常に強く出るタイプのグリースを選んでしまっている場合、そのギャップが「テカりすぎ」という印象に繋がります。
原因3:時間の経過による汗や皮脂との混ざり
朝は綺麗にスタイリングできていても、時間が経つにつれて頭皮から分泌される皮脂や汗とグリースが混ざり合ってしまうことがあります。これが酸化することで、質感が変わり、不快なテカりの原因となる場合があります。
「テカり」を「上品なツヤ」に変えるグリースの選び方
まず、製品選びの段階で、テカりを抑えることを意識するのが最も簡単な対策です。ギラギラとした強い光沢を避けたい場合は、製品の表示に「ナチュラル」や「マット」といった記載があるような、「ツヤ控えめ」のグリースを選んでみましょう。また、重くベタっとしたテクスチャーの製品よりも、軽やかで伸びの良い製品の方が、髪に薄く均一に付けやすく、結果的にテカりを抑えやすい傾向があります。
テカらせないための、グリースの正しい使い方
日々のスタイリング方法を見直すだけで、テカり問題は劇的に改善します。
「小豆一粒大」の適量を厳守する
つけすぎを防ぐための絶対的なルールは、「少量から始める」ことです。まずは「小豆一粒大」ほどの量を基準とし、足りなければ少しずつ足していくという使い方を徹底してください。
手のひらで「透明になるまで」完全に伸ばす
手に取ったグリースは、必ず両方の手のひらと指の間まで使い、透明になるまでしっかりと擦り合わせましょう。このひと手間で、少量のグリースを髪全体に薄いヴェールのようにコーティングすることが可能になり、テカりを効果的に抑制できます。
根元を避けて、中間から毛先に付ける
皮脂腺が多く存在する髪の根元(頭皮)付近は、特にテカりやすい部分です。グリースを付ける際は、この根元部分を避け、髪の中間から毛先を中心に馴染ませるように意識しましょう。これにより、皮脂との混ざりを最小限に抑え、時間が経っても清潔な状態を保ちやすくなります。
上質なツヤを追求したサロン専売品
市販されているグリースの中には、残念ながら、ただ油分が多く、品のないテカり方をしてしまう製品も少なくありません。一方で、私たちプロが使用するサロン専売品は、単なる光沢ではなく、ベタつくことなく髪の品格を高める「上質なツヤ」を表現することに、徹底的にこだわって開発されています。自分の髪質で最も美しく見えるツヤ感や、それを一日中維持するための的確なアドバイスは、ぜひ一度、私たちスタイリストにご相談ください。
まとめ
ヘアグリースの不快な「テカり」は、使用する「量」と「付け方」を見直すだけで、誰でも簡単に解決することができます。「適量を守り、手のひらで完全に伸ばし、根元を避けて付ける」という三つの基本を実践し、洗練された上品なツヤ感を味方につけましょう。スタイリングに関するあらゆる悩みは、どうぞお気軽に私たちにお聞かせください。