グリースで髪が立ち上がらない原因とは?根元からキープするセット術
ヘアグリースを使って、髪に躍動感のある動きや高さを出そうとしても、なぜかすぐにぺたんこになってしまう。そんな「髪が立ち上がらない」という悩みを抱えている男性は、実は少なくありません。特に髪が柔らかい、いわゆる軟毛(ねこっ毛)の方は、スタイリング自体を諦めてしまっているケースもあるのではないでしょうか。
しかし、髪が立ち上がらないのには、いくつかの明確な原因が存在します。そして、その原因に合わせた正しい手順でセットを行えば、どんな髪質の方でも、根元からしっかりと立ち上げたスタイルを一日中キープすることが可能です。この記事では、グリースで髪が立ち上がらない原因と、プロが実践するその解決策を徹底的に解説していきます。
なぜ髪が立ち上がらないのか?考えられる主な原因
まず、ご自身のスタイリングがなぜうまくいかないのか、その原因を探ってみましょう。
原因1:ドライヤーでのベース作りが不十分
髪が立ち上がらない最も大きな原因は、スタイリング剤を付ける前の「ドライヤーのかけ方」にあります。多くの方が、ただ髪を乾かしているだけになってしまっていますが、実はスタイルの完成度の9割は、このドライヤーセットで決まると言っても過言ではありません。髪の根元がしっかりと立ち上がっていない状態でグリースを付けても、その重さですぐに潰れてしまいます。
原因2:グリースの付け方が間違っている
髪を立ち上げたい一心で、グリースを髪の根元にまでべったりと付けてしまっていませんか。スタイリング剤を根元に付けすぎると、その重みで髪はかえって立ち上がりにくくなります。また、使用する量が多すぎても同様の結果を招きます。
原因3:髪質に対してセット力が不足している
特に、髪が細く柔らかい軟毛の方は、髪自体のハリやコシが弱いため、スタイリング剤にしっかりとした支えの力が求められます。ご自身の髪質に対して、セット力が穏やかなソフトタイプのグリースを選んでしまっている場合、髪の重さを支えきれずに立ち上がりが維持できません。
髪を根元から立ち上げるための正しいセット手順
それでは、具体的な解決策となるセット手順を見ていきましょう。鍵を握るのは、やはりドライヤーです。
ステップ1:【最重要】ドライヤーで根元を立ち上げる
まず、髪全体をしっかりと濡らし、タオルドライします。次に、髪を立ち上げたい部分(主にトップ)の根元に指を入れ、髪を軽く持ち上げながら、その根元に向かってドライヤーの温風を集中して当てます。根元が完全に乾いたら、その状態を維持したまま、ドライヤーを冷風に切り替えて数秒間当てましょう。髪は、温められて形が作られ、冷える時にその形が記憶されます。この「温めて、冷やす」というプロセスが、根元の立ち上がりを一日中キープするための最も重要なテクニックです。
ステップ2:グリースは根元を避けて馴染ませる
ドライヤーで完璧な土台を作ったら、いよいよグリースを付けます。適量を手のひらでよく伸ばし、立ち上がりの起点となる根元部分は避け、髪の中間から毛先を中心に馴染ませていきます。これにより、ドライヤーで作った根元の立ち上がりを潰すことなく、毛先に動きとまとまりを与えることができます。
ステップ3:指先で毛束を作り、高さを出す
全体にグリースが馴染んだら、トップの毛束を指でつまみ、さらに高さを出すように形を整えていきます。根元はすでに立ち上がっているので、軽い力で理想のシルエットを作ることができるはずです。
髪が立ち上がらない人のためのグリースの選び方と最終手段
製品選びも重要なポイントです。髪をしっかりと立ち上げたい場合は、セット力が最も強い「ハードタイプ」や「スーパーハードタイプ」のグリースを選ぶことが大前提となります。また、製品自体の重さが軽い、ライトなテクスチャーのものを選ぶと、軟毛の方でも髪が潰れにくくなります。
そして、どうしても時間の経過と共に立ち上がりが失われてしまうという方は、仕上げにキープ用のヘアスプレーを、立ち上げたい部分の根元を中心に軽く吹きかけるという方法が非常に効果的です。
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ご自身の髪質では無理だと諦めていた方でも、プロのドライテクニックと、あなたの髪質に本当に合ったスタイリング剤を組み合わせれば、これまで経験したことのないような、力強い髪の立ち上がりを実感することができます。サロン専売品の中には、強力なセット力と驚くほど軽い使用感を両立させた、軟毛のスタイリングなどに特化した高機能な製品も数多く存在します。私たちスタイリストにご相談いただければ、最適な製品選びはもちろん、ご自宅で再現できるドライヤーのかけ方から、マンツーマンで丁寧にお伝えいたします。
まとめ
グリースで髪が立ち上がらない最大の原因は、「ドライヤーでのベース作り」の甘さにあります。「根元をしっかり乾かして冷やす」という基本を徹底し、適切なグリースを選んで正しく使えば、どんな髪質でも髪を立ち上げることは可能です。スタイリングの悩みを解決し、新しい自分に出会うために、ぜひ一度、私たちプロのアドバイスを受けてみませんか。