グリースとヘアスプレーの併用術|キープ力を高める正しい使い方
ヘアグリースを使って艶やかでまとまりのあるスタイルを作ったものの、「時間が経つと少しずつ崩れてきてしまう」「湿気が多い日はスタイルの維持が難しい」といった、キープ力に関する悩みをお持ちではないでしょうか。グリース単体でも優れたセット力はありますが、その仕上がりを完璧な状態で一日中維持するためには、もう一つのアイテムを組み合わせるのが非常に効果的です。その秘訣こそが、「ヘアスプレー」の併用です。
この記事では、ヘアグリースとヘアスプレーを組み合わせることで得られるメリットと、それぞれの性能を最大限に引き出すための正しい使い方について、詳しく解説していきます。
なぜグリースとヘアスプレーを併用するのか?
まず、なぜこの二つを組み合わせるのが良いのでしょうか。それぞれが持つ異なる役割を理解することで、その理由が見えてきます。グリースの役割が、その粘性によって髪に艶とまとまりを与え、スタイルの「形を作る」ことにあるとすれば、ヘアスプレーの役割は、その作られた形をミスト状の樹脂でコーティングし、「固めて維持する」ことにあります。この二つの力を掛け合わせることで、スタイリングの完成度と持続性が飛躍的に向上するのです。
キープ力の飛躍的な向上
グリースの「まとめる力」に、スプレーの「固める力」が加わることで、湿気や汗、不意な衝撃など、スタイルが崩れる様々な外的要因に対する耐性が格段に上がります。これにより、朝に作った完璧な状態を、夜まで揺るぎなくキープすることが可能になります。
繊細なディテールの固定
グリースだけでは動きやすい前髪の立ち上がりや、指先で作った繊細な毛先の束感などを、ヘアスプレーでピンポイントに固定することができます。これにより、より精密で完成度の高いスタイルを実現できます。
グリースと組み合わせるヘアスプレーの種類
ヘアスプレーにも様々な種類がありますが、グリースと組み合わせる際に主に使われるのは、スタイルを固定するための「キープスプレー(ハードスプレー)」です。製品によってセット力の強弱がありますので、ガチガチに固めたいのか、あるいは自然な質感を残したいのか、目指すスタイルによって使い分けるのが良いでしょう。
正しい併用の手順と効果的な使い方
グリースとスプレーを併用する上で最も重要なのは、その「順番」です。必ず「グリースが先、スプレーが後」という順番を守ってください。
ステップ1:グリースで完璧なベースを作る
まず、ヘアグリースを使って、ご自身が作りたいヘアスタイルの形、毛流れ、質感を完璧に作り上げます。ヘアスプレーはあくまで、この完成した形を維持するための「仕上げ」です。ベースとなるグリースでのスタイリングが中途半端な状態では、スプレーをかけても美しい仕上がりにはなりません。
ステップ2:ヘアスプレーで全体をコーティングする
グリースでのスタイリングが完成したら、いよいよスプレーの出番です。髪から20cm以上離した位置から、髪の表面だけでなく、内側にも空気を含ませるように、全体にまんべんなく吹きかけます。一箇所に集中してスプレーすると、その部分だけが不自然に濡れたり、白い粉を吹いたりする原因になるため、常に容器を動かしながら吹きかけるのがコツです。
テクニック:ピンポイントで固定する方法
前髪など、特にキープしたい部分を狙って固定したい場合は、指先にスプレーを少量吹き付け、その指で直接毛束をつまむようにしてセットすると、より精密なスタイリングが可能です。
最適な組み合わせはサロンで見つかる
ヘアグリースとヘアスプレーには、それこそ無数の製品が存在し、その組み合わせによって仕上がりの質感やキープ力は大きく変わってきます。製品同士の相性も、仕上がりを左右する重要な要素です。私たちプロのスタイリストは、それぞれの製品が持つ特性を熟知しており、お客様の髪質や目指すスタイルに最も適したグリースとスプレーの組み合わせをご提案することができます。サロン専売品は、こうした組み合わせでの使用も想定して開発されているものが多く、最高のパフォーマンスを発揮します。
まとめ
ヘアグリースとヘアスプレーの併用は、日々のスタイリングをワンランク上のものにしてくれる、非常に有効なテクニックです。「グリースで形を作り、スプレーで固める」という基本の順番と使い方を守ることで、誰でも簡単にプロが仕上げたような、崩れ知らずのスタイルを手に入れることができます。あなた史上最高のスタイリングを実現するために、ぜひサロンで最適な組み合わせを見つけてみてはいかがでしょうか。